「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ(=性と⽣殖に関する健康と権利)」認知度は2%

国際女性デーを前にSRHR(=性と⽣殖に関する健康と権利)の社会への定着度の調査結果公表

一般社団法人社会調査支援機構チキラボのプレスリリース

一般社団法人社会調査支援機構チキラボ(東京都、代表理事 荻上チキ、以下チキラボ)では、日本国内で生活する人々の「人生満足度」や「抑うつ度」など、メンタルヘルスの推移を追いかける定期調査のほか、様々な社会意識・行動との関連を調査する独自調査を行っております。

今回、2024年9月に行った調査では、人権や気候危機に関するワードの認知度について調査をしました。その結果、「LGBTQ+」という言葉の認知度は42%にのぼる一方、「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ」という言葉の認知度は2%であるということがわかりました。

「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ」とは、SRHR(Sexual Reproductive Health and Rights:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ=性と⽣殖に関する健康と権利)とも呼ばれ、性と生殖について、適切な知識と自己決定権を持ち、必要なヘルスケアを受けられ、自らの尊厳と健康を守る権利を指します。これは、性教育、避妊、中絶、性的マイノリティの権利など、幅広く議論するために必要な概念です。

今回の最新調査は、アンケート調査会社のモニター登録者のうち、18〜79歳の男女1003名から、全国の地域・性別・年齢の人口分布に合わせて割り付けを行った上で回答を得ました。調査に際し、設問文を読まずに回答してしまった人を除外するためのサティスファイス検出項目を2問設け、いずれの質問にも指示通り回答した人のみを有効回答とした結果、846名が分析対象となっています。

846名のうち、「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ」を「知っていて、ある程度説明できる」と回答した人は、17名(2%)という結果となりました。

調査では、他にも36の言葉の認知度を調べていますが、「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ」は調査ワード37項目中、5番目に低い認知度であることもわかりました。

逆に、調査ワードの中でもっとも認知度が高かった言葉は「SDGs」で55.1%。次いで「トランスジェンダー」が54.8%でした。

「リプロダクティブ・ヘルスアンドライツ」という概念が確立してから30年。国際女性デーを前に、言葉の認知度をめぐる課題も明らかになりました。

今後もチキラボでは、日本におけるリプロダクティブ・ヘルスアンドライツの認知状況を調査し、議論の出発点になるデータを示していきたいと思います。

【一般社団法人社会調査支援機構チキラボ】

2021年設立。社会的な議論が必要な必要なトピックスについて実態調査を行い発信し、私たちの暮らす環境や構造がもたらす問題を明らかにした上で、持続的な社会問題化に取り組む。これまでに手がけたプロジェクトは「ストーカー規制法改正のためのつきまとい実態調査」、「『宗教2世』当事者1,131人への実態調査」、「芸能・メディア分野におけるハラスメントや圧力問題についての実態調査」など。

代表理事の荻上チキはTBSラジオ「荻上チキ・Session」のパーソナリティを務め、日々ニュース解説を行っている

チキラボWebサイト

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