【レポート】世界で急成長する男性美容市場、日本でも同じ兆候が 男性の美容習慣は当たり前!性別を問わない美容“ジェンダーレスビューティ”が加速中

~フレグランス市場に新たなビジネスチャンスが到来~

株式会社ミンテルジャパンのプレスリリース

 市場調査会社「Mintel Group」の日本法人である株式会社ミンテルジャパン(東京都千代田区)は、ミンテルジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」(2024年4月発刊)、「ラグジュアリー&プレミアム BPCトレンド – 日本 – 2024」(2024年2月発刊) 、「ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年」(2023年5月発刊)の中で、美容市場において、性別の垣根が急速に薄れつつあり、男性向けのスキンケアやメイク製品の需要が拡大していることについて明らかにしました。
 世界ではフレグランスを中心に、性別を謳わないジェンダーレスアイテムが誕生しており、男性美容が確立されつつある日本においても、男性が美容アイテムを積極的に取り入れる傾向の高まりが予測されます。本リリースでは、男性の美容に対する意識の高まりや、世界の変遷から見る日本市場における今後のビジネスチャンスについて解説します。

※ミンテルは、ロンドン本社を含め13か国にオフィスを構え、美容やライフスタイル、食品・飲料分野における消費者調査に強みを持つ市場調査会社。2021年より日本市場向けにミンテルジャパンレポートを発刊。

※本リリースの調査結果をご利用いただく際には、必ず【ミンテルジャパンレポート『男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年』『ラグジュアリー&プレミアム BPCトレンド – 日本 – 2024』『ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年』より】とご明記ください。

ミンテルジャパンレポートについて詳しくはこちら:https://www.mintel.com/jp/jr-feb-2025-2

 美容市場において、性別の垣根が急速に薄れつつある中、世界的に男性向けスキンケアやメイク製品の需要が拡大しています。日本でもこの潮流は顕著で、特に、スキンケアとヘアケアは男性美容の主要カテゴリーとして確立されつつあり、グローバルではフレグランス市場も大きな存在感を示しています。

 就職や異動など、新たな環境での人間関係づくりが始まる4月が近づき、男性の「身だしなみに対する認識」や「身だしなみを整える意識」の重要性が増しています。しかし、日本では男性向けフレグランス市場はまだ発展途上であり、今後の成長が期待される未開拓の分野として注目を集めています。男性の美容意識の高まりと、ジェンダーレス化の潮流は、日本の美容市場に新たなビジネスチャンスをもたらす可能性を示唆しています。

男性美容は当たり前!

ジェンダーの区別が薄れる世界の美容業界

 アメリカの男性消費者の84%が自分の見た目を整えることが重要だと考えており、現代において男性がスキンケアやメイクをするのは当たり前になっています。また、イギリスの男性消費者の49%が週1回以上顔用保湿製品を使用しており、中国の男性消費者の38%が過去6か月にベースメイクアップ製品を使用したと回答しています。男性にとっても見た目は重要であり、スキンケアやメイクをする人は少なくありません。

ジャパンレポート 「ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年」
調査対象: 米国:18歳以上のBPC製品を使用する男性インターネットユーザー943人;英国:16歳以上の男性インターネットユーザー991人;中国:18-59歳の男性インターネットユーザー3,000人

出典:Kantar Profiles/Mintel、2022年8月2022年2月;KuRunData/Mintel、2022年7月

 さらに、男性も見た目がよい方が自分に自信を持てると考える人の割合は高く、イギリス男性の59%が容姿がよいとさらに自分に自信が持てると回答**、ドイツ男性の59%が男性も女性と同じくらい容姿を気にすると回答しています。また、アメリカでBPC(ビューティー&パーソナルケア)製品を使用する男性では、あらゆるジェンダーの人が出ているBPC広告に関心を持つ人は76%に上り、美の世界におけるジェンダーの区別は薄れつつあります。

ジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」
** Mintelグローバル消費者調査より

調査対象: 英国/ドイツ:16歳以上の男性インターネットユーザー495人;米国:18歳以上の男性インターネットユーザーでBPC製品を使う人898人

出典:Kantar Profiles/Mintel、2023年9月2022年12月

 しかし欧米やアジアの美容大国を見ても、ジェンダーレス新製品の比率はそれほど変わりません。つまり、まだマイナーな存在であるがゆえに、伸びしろがあるともいえるのです。ジェンダーレスコスメのジャンルは各国ともフレグランスが8‐9割、スキンケア製品はほとんどの国で1割程度となっています。韓国では他国と比べ、ジェンダーレスのメイクアップ製品も存在感を示しています。

ジャパンレポート「ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年」
「ジェンダーレス新製品」は「genderless」「gender-neutral」「unisex」のいずれかが訴求されているBPC製品出典: Mintel GNPD(8か国BPC新製品数8か国ジェンダーレス製品新製品数8か国ジェンダーレス製品カテゴリー構成比)、2018年1月-2022年12月

日本でも美容意識がジェンダーレス化

男性向けスキンケア製品は増加傾向に

 日本の男性消費者の美容意識は、他の先進諸国と同様に極めて高く、肌にも体毛にも関心を払っている人が少なくありません。日本の男性消費者の42%が肌の手入れができている男性は仕事ができそうだと考えており、28%が体毛ケアの経験があり今後もしたいと考えていると回答しています。さらに、5人に1人は男性もメイクをしてきれいになるべきだとさえ考えており、日本の男性消費者の美容意識は既にジェンダーレスになりつつあります。

ジャパンレポート「ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年」

調査対象: 18歳以上の男性インターネットユーザー1,500人

出典: 楽天インサイト/Mintel、2022年7月

 欧米諸国や韓国、中国の男性ほどではありませんが、日本の多くの男性が自分の容姿を重視しています。

ジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」
* Mintelグローバル消費者調査より調査対象: 日本、米国、韓国、中国:18歳以上の男性インターネットユーザー500人、483人、500人、500人;英国:16歳以上の男性インターネットユーザー495人出典: Kantar Profiles/Mintel、2023年9月(

 また、日本の男性向けスキンケア市場はコロナ禍で落ち込みましたが、回復しつつあります。日本でもインフレが叫ばれていますが、グルーミング(身だしなみの手入れ)にかける支出は変えていない人がほとんどです。

ジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」
出典: 経済産業省生産動態統計2022年の年報(時系列表)を元にミンテルが作成(販売個数;販売金額

存在感を増すフレグランス商品

性別を問わない美容アイテムを積極的に取り入れる傾向も

 日本の男性向けBPC新製品市場における主要カテゴリーは、スキンケアとヘアケアです。スキンケアの比重が高いのは同じアジアの中国や韓国と同様となっています。

ジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」
出典: Mintel GNPD、2019年1月‐2023年12月(日本男性向けBPC新製品カテゴリー世界男性向けBPC新製品カテゴリー日本男性向けBPC新製品訴求

 世界においては、男性向けBPC製品で一番ボリュームがあるのはフレグランスで、男性向け新製品でフレグランスの構成比は過去3年間上昇傾向です。しかし、フレグランス新製品全体では、男性用フレグランスの構成比はあまり変わっていません。一方で女性用フレグランスの割合が下がり、ユニセックス製品が増えています。
 フレグランスは、体に塗布するスキンケア製品やボディケア製品とは違い、ほんのり全身にまとうことができるので、消費者が気軽に取り入れやすく、ジェンダーレスであるハードルは低いのかもしれません。

ジャパンレポート「男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年」
出典: Mintel GNPD、2021年1月‐2023年12月(男性向けBPC新製品におけるフレグランス構成比フレグランス新製品サブカテゴリー構成比

ジャパンレポート「ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年」

「ジェンダーレス新製品」は「genderless」「gender-neutral」「unisex」のいずれかが訴求されているBPC製品

出典: Mintel GNPD(BPC新製品数ジェンダーレスBPC新製品数)、2018年1月-2022年12月

 日本においては、ラグジュアリーBPC製品***購入者を対象にした場合、BPC製品全体では女性購入者の方が男性購入者より使用率は高いですが、フレグランスだけは例外となってます。男性購入者の2人に1人はフレグランスを購入しています。

 ラグジュアリーBPC製品については、女性はメイクアップ製品、スキンケア製品で購入率が高い一方、男性はヘアケア製品、フレグランス、ボディケア製品で、購入率が高く、女性を上回っています。

*** ラグジュアリーBPC製品:日本市場において、美容部員や美容師とのカウンセリングを通じて販売される高価格帯ブランドの製品を指す

ジャパンレポート「ラグジュアリー&プレミアム BPCトレンド – 日本 – 2024」
左のグラフはラグジュアリー製品購入者のアイテム別の購入率(ラグジュアリーかどうかを問わない)、右のグラフはラグジュアリー製品購入者のラグジュアリー製品のアイテム別の購入率

調査対象: ラグジュアリーBPC製品を過去12か月以内に自分のために購入した18歳以上のインターネットユーザー 男性350人;女性650人(653人のラグジュアリーBPC製品購入者 ブースターを含む)

楽天インサイト/Mintel、2023年11月(購入したBPC製品全体購入したラグジュアリーBPC製品

 フレグランスについては、日本の消費者は欧米諸国や同じアジアの中国の消費者と比べて購入率自体が低いですが、ラグジュアリー新製品の過去5年間のフレグランス製品の割合は上昇傾向です。さらに世界と同様、ユニセックス製品の割合も上昇しています。日本でもラグジュアリー製品の中でユニセックスフレグランスが存在感を増している様子がうかがえます。

ジャパンレポート「ラグジュアリー&プレミアム BPCトレンド – 日本 – 2024」

Mintel GNPD、2018年1月‐2022年12月(フレグランスの割合ユニセックス製品の割合

■ミンテル ジャパンレポートについて

新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。

■ミンテル 世界新商品データベース(GNPD)について

世界86ヵ国の日用消費財の新商品を、原料や訴求内容から検索することができるデータベースです。世界各国に配置されたミンテルの調査員が、日々新商品の収集を行うことで、毎月約4万点の商品パッケージ情報をデータベース化し、GNPDを構築しています。商品のあらゆる情報を掲載しているため、様々な視点から世界の製品トレンド分析を行うことが可能です。

■市場調査会社ミンテルの強み

ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、GNPDに蓄積されたデータや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。

≪ご利用条件≫

情報の出典元として【ミンテルジャパンレポート『男性の美容とグルーミング・トレンド – 日本 – 2024年』『ラグジュアリー&プレミアム BPCトレンド – 日本 – 2024』『ジェンダーレスビューティ – 日本 – 2023年』より】の明記をお願いいたします。

■会社概要

企業名   :株式会社ミンテルジャパン

本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号

       丸の内ビルディング18階

代表    :リチャード・カー

設立日   :2008年03月

事業概要  :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等

WEBサイト:https://japan.mintel.com/ 

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