【ホルモンハグプロジェクト イベントレポート#2】ジャーナリスト 浜田敬子さん×アンファー𠮷田社長の特別対談を開催

「更年期世代の女性のキャリアと健康課題」をテーマにトークを展開。子育てや介護と体の不調が重なる更年期世代の女性に必要なサポートとは?

アンファー株式会社のプレスリリース

アンファー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:𠮷田南音 以下「アンファー」)は、3月13日(木)に開催された「ホルモンハグプロジェクト」発足記念イベントの第二部トークショーにおいて、ジャーナリストの浜田敬子さんをゲストに招きアンファー代表取締役:𠮷田南音との特別対談をプレス向けに実施いたしました。対談では、本イベントのメインテーマである「更年期」と、働く女性のキャリアと健康課題に絡めてトークセッションを展開いたしました。

■ホルモンハグプロジェクトについて

ホルモンハグプロジェクトとは、生理痛、PMS、更年期などのホルモンバランスの変化による心や身体の不調に関して、解決や改善のための正しい情報の発信や、同じ悩みや不安を抱える人々が集い、シェアし合って寄り添える場所を提供することを目的に企業やメンバーが集まった有志参加型プロジェクトです。

この度3月13日に開催された発足記念イベントでは、「更年期」をテーマに親和性のあるプロダクトやサービスの体験ブースが展開されたほか、全3本の「更年期」にまつわるトークショーを開催しました。

本レポートでは、本イベント主催のアンファー代表取締役の𠮷田南音とジャーナリストの浜田敬子さんによる第二部の特別対談の様子をレポートいたします。

【登壇者プロフィール】

浜田 敬子(はまだ けいこ)

1989年に朝日新聞社に入社後、AERA編集部にて編集長を務める。

2017年3月末に朝日新聞社を退社後、世界12カ国で展開する経済オンラインメディアBusiness Insiderの日本版を統括編集長として立ち上げ、2020年末フリーランスのジャーナリストに転身。

現在は情報番組のコメンテーターや講演会などに多数出演している。

𠮷田 南音(よしだ みおと)

2010年、アンファーに新卒入社後、デジタルマーケティング、ダイレクトマーケティングを中心にデジタル広告のディレクションを経験し、女性健診事業の立ち上げにも従事。2021年にアンファー株式会社取締役に就任し、2024年に代表取締役に就任。

テーマは「更年期世代の女性のキャリアと健康課題」

今回の対談では、「更年期世代の女性のキャリアと健康課題」をテーマにトークを展開しました。現在女性のキャリア問題に関する講演会などに多数登壇されているジャーナリストの浜田敬子さんに最新の動向や課題を伺いながら、企業の健康経営の在り方や女性のキャリア形成におけるサポートについて、アンファー𠮷田とともに考えました。

女性の長期的なキャリアの形成における、最新の動向と課題は?

はじめに、浜田さんに「女性の長期的なキャリア形成」における最新の動向や課題について解説していただきました。

浜田さんは最新の企業の動向について、「大企業を中心に、両立支援制度といった子育てや介護と仕事との両立をサポートする体制は充実し始めています」と説明しつつも、「女性ばかりが短時間勤務制度を利用して家事や育児を続けることが当たり前になってしまい、女性のキャリアが止まってしまうなどの弊害が起きてしまっています」

と、働く女性へのサポートが広がる側面で起きている課題について言及しました。また、女性の管理職比率については「女性の就業率は先進国の中で3番目に高いものの、管理職比率に関してはアメリカが40%に対して日本は12.9%と、かなり遅れをとっています。その影響も相まって、男女の賃金格差も開き続けているため、女性のキャリア形成は容易とは言えません」とコメントしました。

浜田さんの話を受けて𠮷田は、「アンファーは約6割が女性社員で、管理職比率は約18%程度にとどまっています。国の指標では目標比率30%と聞いていますし、企業としてもっと女性社員が活躍できる場や制度の提供を考えなくてはならないと思いました」とコメント。また、司会から「𠮷田社長はプライベートでは3児の父でいらっしゃるとのことです」と紹介を受けると、「私も含め、30代で子供がいる男性社員は早めに帰宅して家事を手伝い、落ち着いたら仕事を再開するといった家庭へのサポートを心がけている印象です。このように夫婦で協力しないと、男性側としても仕事と家庭の両立は難しいのではないかと思います」と、リアルな家庭内の協力体制について話しました。

更年期世代のキャリア継続における課題は?

続いて、更年期世代の女性がキャリアを継続するにあたって直面する課題についてトーク。47歳でAERAの編集長に就任された浜田さんは、実際の経験談を基に次のようにコメントしました。

浜田さん:私はそんなに更年期症状が重いタイプではなかったのですが、40代前後で副編集長を務める後輩女性が、とにかく毎日しんどそうでした。当時、まだ子どもが小さくて子育てと仕事の両立で大変そうで、睡眠時間が短いせいか、体調を崩しがちでした。特に課題だと感じていたのは、周りの力に頼らず一人で何でもこなそうと背負いすぎてしまうことでした。日本の企業でも徐々に女性が40代で管理職になる人も増えてきています。その時期はまだ子育ても大変です。管理職の仕事に加えて、育児や家事を全部自分でやろうとするあまり、睡眠時間を削ってしまう。そうなると免疫力も下がり、風邪をひいてもなかなか治らない。そんな姿を職場でもよく見ていました。家庭内でハレーションが起きたら…と考えると、夫に協力を仰ぐことも難しいと考える女性が多かったのだと思います。ただ、頑張りすぎると仕事にも影響が出てしまうので、シッターを雇ったり、親の力を借りたり、周りに助けを求められる雰囲気づくりも大切だなと感じました。

働く更年期世代の女性に必要なサポートとは?

キャリア継続における40~50代女性の健康課題について伺った後、具体的にどのような対策やサポートがあれば安心してキャリアを継続することができるのかについてもトークを広げました。浜田さんは、「まず更年期の知識をインプットして、“知る”ということが必要だと思います」と回答。続けて、「生理や生理痛を知る機会は広がっていますが、更年期世代の女性社員の人数が少ない企業などは特に更年期を知る機会が必要かと思います。同じ女性でも分からないような更年期の辛さを、男性にも同様に知ってもらうことのハードルはかなり高いと思います」と、サポートにおける難易度の高さとともに思いを語りました。

浜田さんの意見を踏まえ、司会から「アンファーでの健康サポート」について𠮷田への質問が。𠮷田は、アンファーが取り組んでいる制度について「アンファーグループには『クレアージュ東京 レディースドッククリニック』という人間ドック・健診施設があり、アンファーの女性社員は会社の全額負担で婦人科系の検査を受けていただいています。女性特有の疾患を早め早めにキャッチアップすることが大事だと思い、福利厚生の制度として導入しています」と回答しました。𠮷田のコメントを踏まえて浜田氏は、「その制度、すごく羨ましいです」と返答。「婦人科系の検査って、会社の健康診断ではオプションで自費になることが多いのですが、皆さんの企業はどうですか?」と会場内に投げかけながら、「人間ドックも男女で同一の検査項目だったりするので、追加で更年期関連や婦人科関連の検査を自腹で受ける必要がありますね」と、健診を受けることの重要性についても触れました。

女性のキャリア支援のために、企業や社会がすべきこととは?

最後に、企業や社会が女性のキャリア支援のためにすべきことについてトークを展開しました。浜田さんは、「社員一人ひとりの知識を高めることと、柔軟な働き方の導入が必要だと思います」と意見しました。その理由について伺うと、「知識があれば行動も自ずと変わってくると思うからです。健康支援が追い付いていないと、なかなかキャリアの支援まで結びつかない印象もあります」と、社員の健康リテラシーを高めることのメリットについて話しました。また、柔軟な働き方の導入については、「昨今“生理休暇”や“不妊治療休暇”など、さまざまな休暇制度を設ける企業が増えていますが、男性上司に対してそのような休暇を申請することのハードルが高いという声を聞きます。なので、理由を言わずに休んだり働いたりできる制度を設けること。例えばリモートワークを拡充すれば、休み休み働いたり子供のお迎えに行けたりなど、男女問わずキャリアを継続しやすくなると思いますし、女性特有の不調による休暇が目立たなくなり、働きやすくなると思います」と解説しました。

浜田さんの意見を踏まえて𠮷田は「今日はとても勉強になりました。アンファーは若い社員が多いので、生理や妊娠・出産に対するケアは柔軟に対応できていると思います。ただ、その後の女性社員のキャリア支援や制度に関しては未着手の部分でもあるので、社員のパフォーマンス向上のためにも徐々に考えていく必要があると考えさせられました」とコメントしました。

 

最後に、浜田さんと𠮷田から対談の感想をいただき、トークを締めくくりました。

浜田さん:今日はこのような機会をいただきありがとうございました。やはり日本は、女性のキャリア支援や、キャリア支援のための健康サポートにおいてはより遅れていると思います。また、女性の健康支援がフォーカスされがちですが、男性も同じようにしんどい時があると思うので、仕事のやりがいやパフォーマンスを上げるためにも、企業として土壌を整えることは必要だと改めて感じました。

 

𠮷田:改めて、今日は本当に勉強になりました。浜田さんのお話を伺うなかで、企業としてまだまだできていないと思うところもありますし、まずは男性役員や男性社員も一緒に健康知識を知るというところから始める必要があるなと思いました。今日のこの機会のように、気づきを一つ一つ実践に移していけたら良いなと思いました。

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