子どもの腸内細菌の多様性はバランスが大切。和光市広沢複合施設「わぴあ」で母と子の腸内細菌叢に関する調査を実施

『母と子の腸内細菌叢調査・研究プロジェクト』の第一弾として224家族を調査

シンバイオシス・ソリューションズ株式会社のプレスリリース

この度、シンバイオシス・ソリューションズ株式会社(以下、当社)は『母と子の腸内細菌叢調査・研究プロジェクト』の第一弾として、2024年4月~2024年12月、和光市広沢複合施設「わぴあ」(所在地:埼玉県和光市、運営団体:株式会社ティップネス等、以下「わぴあ」)を利用している子ども(0~12歳)とその母親を対象に、腸内細菌叢(腸内フローラ)の調査を実施いたしました。

また、2025年4月15日(火)には参加者に向けて腸内フローラの大切さや今回の調査結果概要についてお伝えするWEBセミナーを実施し、お母様ご自身とお子様のそれぞれの分析結果レポートを振り返りながら理解や関心を深めていただきました。

今回の調査の結果、子どもの腸内細菌の多様性は花粉症の子どもでは低く、便秘の子どもでは高い傾向にあることなどがわかりました。

本研究結果の詳細につきましては、今後論文にまとめて発表する予定です。

■調査概要および背景 

成人の腸内細菌叢は多くの疾病や健康状態と関係していることがわかっています。 

子どもの健康についても腸内細菌叢との関連が報告されていますが、成人と比べて研究実績が少なく、わかっていないことが多いのが現状です。 

そこで当社は、母と幼児・小児(子ども)の腸内細菌叢の関連性、また、子どもの健康状態と腸内細菌叢との関係性を明らかにすることで、子どもたちの健やかな成長をサポートしていきたいという想いのもと『母と子の腸内細菌叢に関する調査・研究プロジェクト』を始動いたしました。 

本プロジェクトにおける最初の取り組みとして、当社研究所の所在地である埼玉県和光市にて、わぴあのご協力のもと、わぴあ利用者の母子を対象とした今回の調査を実施いたしました。

【実施期間】2024年4月~2024年12月(セミナーは2025年4月実施) 

【調査対象】わぴあを利用している子ども(0 ~ 12歳)とその母親 

【参加人数】224家族(計585名) 

【実施機関】シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 

【研究参画】ロート製薬株式会社 

【実施協力】和光市広沢複合施設「わぴあ」 

【実施内容】採便(母親1回、子ども1回)+アンケート回答(3回) 

      ※母親と子どもそれぞれに分析結果レポートを発行 

■調査結果(一部) 

今回の調査結果の一部をご紹介いたします。 

花粉症の子どもは多様性が低く、便秘の子どもは多様性が高いという結果に。 

花粉症の有無と便秘の有無のアンケート回答結果と、子どもの腸内細菌の多様性を分析したデータを比較したところ、「花粉症の子ども」は「花粉症でない子ども」に比べて腸内細菌の多様性が低いという結果になった一方で、「便秘の子ども」は「便秘でない子ども」に比べて腸内細菌の多様性が高いという結果になりました。(図1) 

成人にもこのような傾向があることは既に報告されており、腸内細菌の多様性は成人や子どもに関わらず低すぎても高すぎても良くないといえます。

味噌汁や納豆の摂取頻度が少ない子どもは多様性が過剰傾向。 

食品の摂取状況のアンケート回答結果と、子どもの腸内細菌の多様性を分析したデータを比較したところ、「味噌汁を食べる回数が少ない子ども」は、「週に7回以上味噌汁を食べる子ども」に比べて腸内細菌の多様性が過剰傾向にあり、「納豆を食べない子ども」も、「週4回以上食べる子ども」に比べて同様の傾向が見られました。(図2) 

こちらの結果から、腸内細菌の多様性が過剰傾向にある子どもは、味噌汁や納豆を食べることで、その過剰傾向が改善する可能性があることが示唆されました。

■参加者へ実施したWEBセミナー 

2025年4月15日(火)には参加者に向けてWEBセミナーを実施し、当社の社員が腸内フローラの大切さや今回の調査結果についてお伝えいたしました。お母様ご自身とお子様のそれぞれの分析結果レポートを振り返りながら理解や関心を深めていただきました。

WEBセミナーの様子1
WEBセミナーの様子2

セミナーに参加した方からは、詳しい解説があってわかりやすかった、具体的な食品がでてきて子どもに摂らせたいと思ったというようなお声をいただき、満足度も高評価をいただけました。

■今後の展望 

当社は、今回のわぴあにおける調査の他にも、イムス富士見総合病院 産婦人科と母子を対象とした新たな共同研究を開始するなど、積極的に子どもの健康と腸内細菌叢に関する研究を進めております。 

今後も当社は、増加傾向にある幼児・小児のアレルギー疾患や発達障害などの病気に対し、腸内細菌叢の改善を介して予防・改善するという新たなアプローチの可能性を調査・研究するために、「母と子の腸内細菌叢の調査・研究プロジェクト」を様々な地域で進めていき、多くの検体から得られる情報により子どもの腸内細菌叢と病気との関係性についての新たな知見を蓄積してまいります。また、将来的には子ども向けの腸内細菌叢の検査・分析サービスを開発し、誰もが手軽に腸内細菌叢から子どもの健康課題に取り組める社会の実現を目指してまいります。 

なお、今回の調査結果につきましては論文にまとめて発表することを予定しております。

■母と子の腸内細菌叢の調査・研究プロジェクト 担当研究員 香野加奈子のコメント 

多数のご家族にご参加いただき、心より感謝申し上げます。今回の調査により、多様性のみならず腸内細菌叢の構成が子どもの病気に影響を与える可能性が示されました。この研究は、子どもの腸内細菌叢が健康に及ぼす影響を解明するための大きな一歩です。また、母と子の腸内細菌叢の関係性についても貴重なデータを取得することができました。今後もさらに詳細な調査を行い、子どもの健康に寄与する腸内細菌叢の改善方法を探求してまいります。

■株式会社ティップネス/わぴあ内 和光市総合児童センター・和光市民プール 施設長 大野俊也様のコメント 

複合施設「わぴあ」は実証実験を受け入れられる施設として整備されており、今回は地元企業の応援をさせていただきました。その結果、子どもに関わる有益な情報が得られたことを嬉しく思っています。協力してくれた親子にとっても「腸内の状況を確認できた」ことや「事後のセミナー」を実施いただいたことにより、満足度が高い企画となりました。今回の結果をもとに「子どもを中心とした家族の健康状態がより良くなる」ような展開に繋がることを期待しています。

また、ティップネスとしても「健康で快適な生活文化の提案と提供」を行い、「ニッポンを 元気に! 健康に!」していくべく、地域とともに邁進してまいります。

■ロート製薬株式会社 理学博士・農学博士 山田耕太郎様のコメント 

近年、幼児や小児のアレルギー疾患をはじめとする健康課題がますます深刻化しています。そのような課題に向き合う中で、「わぴあ」をご利用いただいているご家族の腸内細菌叢から得られたエビデンスは、子どもたちの健やかな成長をサポートする新たな可能性を切り開く、重要な一歩であると感じています。この成果を基に、「食」を通じて疾患の予防や改善に取り組み、薬に頼らない健康的な社会の実現を目指します。そして、「Moving the Heart」の精神を胸に、お客様に「ハート」がこもった商品やサービスをお届けできるよう、これからも挑戦を続けてまいります。これからも一人ひとりの健康と笑顔、そして未来を支えるため、全力を尽くしてまいります。

■実施協力:和光市広沢複合施設「わぴあ」について 

わぴあは、埼玉県和光市「初」となる PPP/PFI(公民連携)事業で誕生した和光市広沢エリアにある複合施設です。地域のにぎわいを創出する、和光市の新たなシンボルとなる施設を目指しており、地元の和光市民の方たちを中心に、広域の皆様に利用いただいています。(運営団体:(株)ティップネス等)

公式サイトはこちら:https://wapia.jp/

「わぴあ」施設イメージ

■研究参画:ロート製薬株式会社について 

ロート製薬株式会社は、「Connect for Well-being」をビジョンに掲げ、OTC医薬品(一般用医薬品)およびスキンケア事業をはじめ、機能性食品事業や医療用眼科、再生医療、開発製造受託 (CDMO)など健康・未病から治療まで幅広く事業を展開しています。なかでも子ども達へは、成長期応援飲料「セノビック」の企画・販売や子どもの職業・社会体験施設「キッザニア甲子園」に医薬研究者の仕事体験ができるパビリオンを出展するなど、日々の健康をサポートし、サイエンスの面白さをお伝えしております。今後もさまざまな活動を通じて世界の人々のウェルビーイングに貢献するとともに、健康で幸せに過ごすことができる持続可能な社会の実現を目指しています。

公式サイトはこちら:https://www.rohto.co.jp/

■企業概要

当社は、腸内細菌叢から疾病リスク等を分析・評価する腸内細菌叢の検査・分析サービス(『SYMGRAM®』、『健腸ナビ®』他)の開発・運営および医薬・食品メーカー等と連携して腸内細菌叢の改善を介して疾病を予防・改善するための機能性食品(医食品®)の研究・開発などを行うヘルステック・バイオベンチャーです。

・会社名:シンバイオシス・ソリューションズ株式会社

・本社:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ 3F

・研究所:埼玉県和光市南2-3-13 和光理研インキュベーションプラザ内

・設立:2018年4月 ※一般社団法人日本農業フロンティア開発機構と国立研究開発法人理化学研究所(旧辨野特別研究室)による研究成果を事業化する目的で設立

・資本金:29億9,392万円(資本準備金含む:2025年5月1日現在)

・URL:

【コーポレートサイト】https://www.symbiosis-solutions.co.jp/

【腸内細菌叢の検査・分析サービス「SYMGRAM」サイト】https://symgram.symbiosis-solutions.co.jp/

【腸内細菌叢の検査・分析サービス「健腸ナビ」サイト】https://kenchonavi.com/

■本件に関する問合せ先 

シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 研究開発本部 調査・研究室 

research(at)symbiosis-solutions.co.jp 

※ (at) は@に置き換えてご連絡ください。 

 ■取材に関する問合せ先 

シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 広報担当 

info(at)symbiosis-solutions.co.jp 

※ (at) は@に置き換えてご連絡ください。

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