あいちデジタルヘルスプロジェクトに採択されたフレイルへの進行予防を目指す実証事業完了のお知らせ

株式会社ロッテのプレスリリース

 エーザイ株式会社hhceco事業戦略部(本社:東京都文京区、以下「エーザイ」)と株式会社ロッテ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長執行役員:中島 英樹、以下「ロッテ」)は、エーザイが愛知県より採択された「あいちデジタルヘルスプロジェクト共創促進事業「新サービス創出事業」」を共同で実施し、豊田市にてフレイルへの進行予防を目的とする新事業の実証を完了したことをお知らせします。

 フレイルは、加齢とともに心身の機能が低下し、介護が必要になりやすい虚弱な状態を指し、健康と要介護の中間地点です。放置すると要介護状態のリスクが高まることから超高齢社会における喫緊の課題とされ、あいちデジタルヘルスプロジェクトにおいても取組の柱の一つとされています。早期の段階で把握し適切な介入を行うことが重要であり、エーザイのフレイルリスク予測サービス(*)を起点とし、ロッテの予防介入プログラムによる効果検証を実施しました。後述する事業において実施した約3か月間の口腔体操プログラムを通じ、オーラルフレイル(お口の衰え)およびフレイルの改善を確認しました。

* 健康診査や歯科健康診査の結果からプレオーラルフレイル・オーラルフレイル・プレフレイル・フレイルのリスクを予測するサービス

図1 実証事業概念図

 エーザイは、豊田市が保有する健診結果等のデータのみを用いたフレイルハイリスク者の抽出、および予防介入期間後のリスク変化の評価を行いました。オーラルフレイルもしくはフレイルにおいてハイリスクと予測され、かつ、口腔体操プログラム前の機能検診(以下「検診」といいます)に参加した34名のうち、実測の結果、フレイルが進行している方は32名でした。また、オーラルフレイルハイリスクと予測され、かつ、検診に参加した27名のうち、実際に口腔機能低下症リスクが高い方は21名となり、健診結果等のデータを用いて77%の確率でリスク者を特定しました。

 ロッテは、豊田市民へガム咀嚼を含むお口のエクササイズと通いの場を組み合わせた約3か月の予防介入プログラムによる効果を32名で検証しました。毎日のエクササイズ、並びに通いの場での学習・体験により行動変化した結果、オーラルフレイルの割合が16%から3%に減り、健常の割合が37%から47%に増加し(図2 左)、オーラルフレイル改善が認められました。また、フレイルの割合が19%から12%に減り、健常の割合が36%から44%に増加し(図2 右)、フレイル改善も認められました。介入プログラムの満足度、今後のエクササイズ継続意向も高く、行動変容による持続的な効果も期待できます。

 図2 予防介入プログラム前後によるオーラルフレイル・フレイル割合の変化(**)                       

**歯数・咀嚼・舌・滑舌機能の測定、並びに嚥下と硬い食品に関する主観評価の計6項目中、該当数0項目で健常、1~2項目でプレオーラルフレイル、3項目以上でオーラルフレイルと判定。フレイルの基本チェックリスト25項目中、該当数0~3項目で健常、4~7項目でプレフレイル、8項目以上でフレイルと判定。

 実証先の豊田市 企画政策部 未来都市推進課 清水智哉 課長は、取組を通じ次のようにコメントしています。

 “本実証により、市の事業にて取得したデータからデジタル技術を活用し、フレイルハイリスク者を抽出後、介護予防サービスを提供することがフレイル予防として効果的であることが示唆されました。今回の実証で得られた知見を、今後の健康増進事業に活かすことについて検討していきたい。”

 エーザイ、ロッテと豊田市は、このたびの実証事業を通じた連携をさらに強化し、様々な予防介入プログラムを取り入れながら豊田市民のフレイル進行予防に貢献してまいります。

以上

参考資料

1.フレイルについて

 フレイルとは、加齢とともに心身の機能が低下し、介護が必要になりやすい虚弱な状態を指し、健康と要介護の中間地点です。フレイルの一種であるオーラルフレイルは噛むこと、飲み込むこと、話すことに代表される口腔機能の軽微な衰えが重複して生じている状態です。フレイルは早期に適切な対策を行うことにより機能を改善することができ、健康寿命の延伸につながります。

2.あいちデジタルヘルスプロジェクトについて

 愛知県を母体に、超高齢社会の危機の克服を目的に、新たなサービスの創出・社会実装に向けた取組を推進。産学官金の共創を促進し、愛知県でのサービスの社会実装を推進するため、「デジタルヘルス社会実装先行事業」「デジタルヘルス共創促進事業」「デジタルヘルス社会実装・共創基盤構築事業」の3つの取組を実施。

3.エーザイ株式会社について

 エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究 開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」「グローバルヘルス領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。

エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jp をご覧ください。SNS アカウント XLinkedInFacebook でも情報公開しています。

4.株式会社ロッテについて

 株式会社ロッテは1948(昭和23)年の創業以来、「私たちはみなさまから愛され、信頼される、よりよい製品やサービスを提供し、世界中の人々の豊かなくらしに貢献します。」を企業理念とし、また、3つの価値「ユーザーオリエンテッド(お客様第一)」「オリジナリティ(独創性)」「クオリティ(最上の品質)」を大切にして、菓子・アイスの製造販売を中心とした事業活動を展開しています。

当社は持続的な社会への貢献を目的とし、サステナビリティ目標「ロッテ ミライチャレンジ 2048」において、「噛むこと」による健康増進の普及を目標のひとつに掲げており、「噛むこと」と健康に関する研究と啓発活動を推進しています。

株式会社ロッテ

https://www.lotte.co.jp/

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。