独自の高圧乳化技術を応用し浸透力・バリア機能の高いナノ乳液の処方化に成功

液状ナノ乳液にとろみをつける真逆の技術で心地よい使用感を実現

株式会社ナリス化粧品のプレスリリース

株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、これまで化粧水の開発に使用してきた当社独自の高圧乳化技術を応用し、肌への浸透力とバリア機能が高い新しい乳液の処方化技術を確立しましたので、以下にその内容をまとめます。

■研究の背景

当社では2014年に「iPF(アイピーエフ)テクノロジー」という高圧乳化技術を確立しており、この技術は油溶性成分を含む乳化物などをマッハのスピードで衝突させることで、乳化粒子をナノサイズにまで細かくし、流動性のない状態からサラサラとした液状に変化させる独自の製法です。この技術によって得られた「iPFリキッド」を化粧水に配合することで、べたつきや粘性の高い油溶性成分の保湿力を維持したまま、心地よい使用感を実現することが可能になりました。当社ではこれまで多くの化粧水にこの「iPFテクノロジー」を搭載してきました。さらにこの技術を応用し、今回当社では初めての「iPF乳液=ナノ乳液」の処方開発に取り組みました。

iPFテクノロジー処理前
iPFテクノロジー処理後

※「iPF」とは、i=intermix(混ざる/英語) P=Pressure(圧力/英語)F=Fonce(濃い/仏語)から作成した造語です。

■研究内容

この研究の目的は、単に「ナノ乳液」を開発することではなく、高い浸透力と保湿力を実現し、経皮吸収率を高めることで、肌のバリア機能の改善を目指すことにありました。その目的を達成する手段として、ナノ乳液の開発に取り組みました。乳液の処方においては、肌表面に心地よく広がり、密着するようなとろみのある粘度が必要です。一般的には増粘剤を用いて適切な粘度のコントロールを行っています。しかし、この「iPFテクノロジー」では、乳化粒子をナノ化するために必然的にサラサラとした液状になってしまい、シャバシャバの乳液にとろみをつけるという通常の乳液開発とは逆のアプローチが求められました。さらに、ナノ乳化においては一般的な増粘剤を用いた粘度調整が困難であるという課題もありました。そこで今回、様々な成分の検討を重ねた結果、特定の界面活性剤を配合することでみずみずしく肌に広がりながらもしっかりと密着感を得られる適度な粘度を持つナノ乳液の処方化に成功しました。

■効果の確認

今回の研究品が、目指していた目的を達成できているかどうか確認しました。まずバリア機能については、マイクロサイズの乳液とナノサイズの研究品を肌荒れ直後から48時間後まで比較し水分蒸散量を測定した結果、研究品の方が水分蒸散量を低く抑えられており、高いバリア機能を有することが確認できました。また、保水機能について、塗布30分後に従来の乳液と研究品の比較を行ったところ、研究品の方が保水力が高いことも確認できました。今後も心地よい使用感と効果の両立を叶えられる研究に取り組みたいと考えます。

■研究者:株式会社ナリス化粧品  内田理沙

研究者プロフィール

内田理沙(うちだ りさ)

研究開発部 研究開発課 処方技術開発グループ

― 略歴 ―

2018年4月 株式会社ナリス化粧品に入社。

― 職務経歴 ―

2018年10月 ナリス化粧品 処方技術開発グループ。

(スキンケア製品を中心に様々なカテゴリーの化粧品開発に従事)

【研究者のコメント】

今回の乳液開発にあたっては、「今までにない新しい乳液をつくりたい」という思いのもと、これまでにない「浸透感」を実現する独自のテクスチャーづくりに挑戦しました。一見シンプルに思える「シャバシャバの液体に適度なとろみを持たせる」という検討ですが、実際には非常に繊細で難易度が高く、何度も試作を重ねる必要がありました。その試行錯誤の末、当社では初となる新たな技術の確立に成功しました。今回の処方では、ナノ化によるこれまでにない肌なじみの良さと、時間が経っても肌に残る密着感・うるおい感を両立。この2つのバランスをぜひ実感していただきたいです。

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