肌の上で自在に伸縮するクリームの開発に成功

角層細胞がたるみ・シワを決定づけると明らかにした研究結果から ハリと柔軟性を両立した塗膜で補正効果をもたらすテンションネット技術

株式会社ナリス化粧品のプレスリリース

株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、肌の上で伸び縮みする特殊な塗膜を形成する新しいクリームの処方化に成功し、「テンションネット技術」と名付けました。この研究は、2020年に開催された世界的な化粧品の国際学会である「IFSCC Congress 2020」で当社が発表した、肌のたるみやシワの形状を決定づけるのは、角層細胞のサイズの変化によるものであることを解明した研究に基づき、さらに加齢によって生じる肌が薄くなる現象(菲(ひ)薄化(はくか))に着目して進化させた研究です。

■研究の背景

深刻な悩みである老化現象の代表である肌のたるみ・シワは、これまでは肌の深部の真皮の衰えや、肌の奥にある皮下脂肪や筋肉の変化によっておこるものと考えられてきました。当社は「IFSCC Congress 2020」において、たるみ・シワを最終的に決定づけているのは角層の面積の変化であることを発表しています。加齢によって角層細胞のサイズは変化しますが、頬部と目元では異なる変化の傾向があり、目元などの縮む動きが多い部位は他の部位と比べると角層サイズが小さくなり、加齢によるシワの形成が顕著な一方、頬部などの伸びる動きが多い部位では角層サイズが大きくなり、たるみが見られるようになることを明ら

かにしています。

角層サイズマップ(特許出願中)

■研究内容

 当社では上記の研究内容に基づき、肌に塗ると伸び縮みする特殊な塗膜をつくるクリームを開発しました。皮膚の動きに対応して自在に伸縮することができる「テンションネット技術」と名付けたもので、目元などで縮められた後の部位では広がろうとし、頬などで伸ばされた後では元に戻ろうと縮む性質を持ちます。また、一般的にクリームでハリ感を感じさせるためには、塗膜は硬いテクスチャーにすることが多いのですが、この研究品はこれまでのクリームではなかったハリ感と柔軟性を両立した塗膜をつくります。ハリ感を出すための硬い素材と、柔軟性のある皮膜形成剤に塗膜を湿らせるための湿潤剤を掛け合わせることで、今までにはなかった指先で塗布するときには硬さを感じるのに、肌に伸ばした後には柔軟性を感じるような新しいテクスチャーのクリームの処方を確立することに成功しました。

 加えて、加齢によって肌が薄くなる「菲薄化」に着目しました。加齢により表皮・真皮ともに薄くなりますが、真皮が薄くなると重力で下がりやすくなり、たるみやシワを作ってしまいます。

当社では真皮の厚さに影響を与えるコラーゲンの分解を抑制する成分に着目。菲薄化した真皮と真皮の下がりにアプローチすることで、真皮そのものを立て直し、伸縮自在なネットを張りめぐらせて形状記憶させ、肌をかたち作るようなクリームを開発しました。この研究品の効果を検証したところ、下に示すような著効例が得られました。

左:使用前 右:4か月使用後

研究者プロフィール

河内佑介(かわち ゆうすけ)

株式会社ナリス化粧品 研究開発部 処方技術開発グループ リーダー

ナリス化粧品 河内佑介

 

― 職務経歴 ―

2011年 ナリス化粧品入社 研究開発部に配属

2018年 特許出願累計10件

2021年 研究開発部 リーダー

2023年 特許出願累計25件

現在に至るまで一貫して処方開発業務に従事し、スキンケア、サンケアなど幅広いカテゴリーの製品を中心に、流通や価格帯を問わず、訪販市場、海外市場、OEM市場、店販市場など各販売ルートに向けた製品の開発に携わる。

【研究者のコメント】

当社は1932年の創業以来、ふきとり化粧水に象徴される角層研究を行ってきました。これまでの研究の多くは、角層状態を改善するための成分開発などの基礎研究が多くを占めていましたが、近年AIをはじめとするデジタルの技術が普及したことにより、角層そのものの情報を的確に早く入手することができるようになりました。この進化により、基礎研究だけでなく処方研究においても様々なアプローチの切り口が見出せるようになってきたことは、研究者として大きな楽しみでもあります。今後もこれからの常識を覆すような研究で、これまではあきらめていたことを化粧品で解決していきたいと考えます。

―参考―

2020年10月11日 リリースタイトル:たるみ・シワを決定づけるのは角層細胞であると発見

■IFSCC Congress 2020発表タイトル

Stratum Corneum and Appearance:Macroscopic Examination of the Stratum Corneum Provided a New Target for-Anti-Aging

和文:角層と容貌:角層の巨視的な考察はアンチエイジングの新しいターゲットを提示する。

発表者:森田美穂・堀辻麻衣

研究者プロフィール

河内佑介(かわち ゆうすけ)

株式会社ナリス化粧品 研究開発部 処方技術開発グループ リーダー 

― 職務経歴 ―

2011年 ナリス化粧品入社 研究開発部に配属

2018年 特許出願累計10件

2021年 研究開発部 リーダー

2023年 特許出願累計25件

現在に至るまで一貫して処方開発業務に従事し、スキンケア、サンケアなど幅広いカテゴリーの製品を中心に、流通や価格帯を問わず、訪販市場、海外市場、OEM市場、店販市場など各販売ルートに向けた製品の開発に携わる。

【研究者のコメント】

当社は1932年の創業以来、ふきとり化粧水に象徴される角層研究を行ってきました。これまでの研究の多くは、角層状態を改善するための成分開発などの基礎研究が多くを占めていましたが、近年AIをはじめとするデジタルの技術が普及したことにより、角層そのものの情報を的確に早く入手することができるようになりました。この進化により、基礎研究だけでなく処方研究においても様々なアプローチの切り口が見出せるようになってきたことは、研究者として大きな楽しみでもあります。今後もこれからの常識を覆すような研究で、これまではあきらめていたことを化粧品で解決していきたいと考えます。

―参考―

2020年10月11日 リリースタイトル:たるみ・シワを決定づけるのは角層細胞であると発見

■IFSCC Congress 2020発表タイトル

Stratum Corneum and Appearance:Macroscopic Examination of the Stratum Corneum Provided a New Target for-Anti-Aging

和文:角層と容貌:角層の巨視的な考察はアンチエイジングの新しいターゲットを提示する。

発表者:森田美穂・堀辻麻衣

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