20-30代の約60%に歯がシミる経験あり!そのうち約80%がケアをせず放置 知覚過敏症状を放置するリスク・正しいケア方法を専門家が解説
Haleonジャパン株式会社のプレスリリース
Haleonジャパン株式会社(代表取締役社長:野上 麻理、本社:東京都港区)は、昨今のオーラルヘルスケアへの意識の高まりや、外見のケアとして歯のホワイトニングに注目が高まっていること*1を背景に、歯がシミることに関する実態やそのケアに対する認識・行動を明らかにするため、「歯がシミる症状に関する実態調査」を実施しました。
調査の結果、若い世代ほど歯がシミる症状を経験している人の割合が多く、20-30代の約60%が歯がシミる経験をしていることが判明しました。シミる症状を経験している人の中には、知覚過敏により歯がシミている人が多く含まれることが想定されますが、20-30代でシミる症状を経験している人のうち、約80%が適切なケアをしていないようです。このことから、知覚過敏症状のケアをスルーしている「#知覚過敏スルー界隈」の存在が浮き彫りになっています。
「知覚過敏は一時的なものであるから重要ではない」と思って適切なケアをしないと、痛みを感じる食べ物を避けたり、痛みを気にして心から食事を楽しめなかったりすることがあります。日常の楽しみが制限されるだけでなく、気づかぬうちに歯周病*2や虫歯を引き起こすリスクを高めてしまいます。
■調査背景
2024年度のハミガキ市場販売金額は1,429億円、同市場全体の成長率は2022年度から3年間で+10%(+124億円)でした。その中でも、冷たい物を食べた時などに歯がキーンとシミる症状をケアする知覚過敏用ハミガキは、+13%(+29億円)と市場規模を拡大しています*3。知覚過敏ケアへのニーズの高まりがみられる一方、特に20-30代の若い世代では、多くの方が「歯がシミる」経験をしていながらも、ハミガキに求める効能・効果においては、ホワイトニングへの関心が最も高くなっています*3。
■調査サマリー
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20-30代がシミる割合が最も大きく、約60%が歯がシミることがあると回答。
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20-30代で歯がシミる人のうち約80%が症状を放置している可能性も。「#知覚過敏スルー界隈」の存在が判明!
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シミる症状は「一時的なもの」と認識。外見やエチケットに繋がる「口臭ケア」や「歯の白さ」の方が気になり、知覚過敏ケアへの意識が低い。
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歯がシミることにより、53%が食事中に弊害。虫歯・歯周病のリスクの高まりも。
■調査結果詳細
1. 20-30代がシミる割合が最も大きく、約60%が歯がシミることがあると回答。
歯がシミる経験について、20-30代の61%が「2~3カ月に1回以上シミることがある」ことがわかり、若い世代ほどその割合が大きい結果になりました。また、20-30代の49%は「1カ月に1回以上」、33%は「1週間に1回以上」シミていることが判明しました。
2. 20-30代で歯がシミる人のうち約80%が症状を放置。「#知覚過敏スルー界隈」の存在が判明!
一方、20-30代でシミることがある方で知覚過敏用の歯磨き粉を使用しているのは21%にとどまりました。歯科医院を受診し、歯がシミる症状が知覚過敏である場合、症状をスルーする「#知覚過敏スルー界隈」の一員にならないために、適切なケアをすることが必要です。
3. シミる症状は「一時的なもの」と認識。外見やエチケットに繋がる「口臭ケア」や「歯の白さ」の方が気になり、知覚過敏ケアへの意識が低い。
知覚過敏症状についてどのように考えているか聞いたところ、「シミる症状は一時的なもので、特にケアをしなくても自然治癒する」と回答した人が20%という結果になりました。
また、20-30代で歯磨き粉に対するニーズは、1位「口臭/口のにおい(47%)」、2位「歯の黄ばみ/着色汚れ(46%)」となりました。特に、若い世代では外見やエチケットに関わることを気にしている傾向にあり、知覚過敏ケアへの意識が低いことが明らかになりました。
さらに歯がシミる症状をケアしていない方は、歯科医院での定期健診受診率が低いことともわかっています。
4. 実生活において、歯がシミることで53%が食事中に弊害。虫歯・歯周病のリスクの高まりも。
20-30代で歯がシミることがある人に気を付けていることを聞いたところ、「シミる歯を避けて飲み物・食べ物を摂取する(26%)」、「シミる原因になる食べ物は摂らないようにしている(24%)」、「氷が入った飲み物を飲まない(20%)」という結果になりました。いずれかを選択した人は53%と、半数以上の人が食事シーンで影響を受けていることがわかりました。このように、歯がシミることがある人は、生活する上で何かしら気を付けている・避けている行動があり、ライフスタイルにも影響していることがうかがえます。
また、食事以外にも、歯磨きの際に「シミる歯はやさしく磨くようにしている(27%)」人がいることがわかりました。シミる歯をかばってしまうことで歯磨きが十分にできないなど、歯の磨き方に影響を与える可能性があります。このような状態が続くと、将来的に虫歯や歯周病のリスクを高める可能性もあります。シミる症状が知覚過敏によるものである場合、適切なケアを行うことが大切です。
■調査概要
●調査方法:WEB調査(Haleonジャパン調べ) ●調査実施日:2024年12月~2025年1月
●エリア :全国 ●有効回答数:4,000サンプル
●調査対象:20歳〜74歳の男女(6ヶ月以内に歯磨き粉購入者かつ銘柄選択者)
※本文中のグラフの構成比は、小数点以下を四捨五入しているため、必ずしも合計が100%にならないものもあります。
■専門家解説
調査で、20-30代の約60%にも及ぶ人が「歯がシミることがある」ことがわかりましたが、知覚過敏症状について、愛知学院大学 歯学部 保存修復学講座 助教の前迫 真由美先生に解説いただきました。
前迫 真由美先生
愛知学院大学 歯学部 保存修復学講座 助教
専門:歯科保存科、審美歯科、
認定医:日本歯科保存学会、日本歯科審美学会
<知覚過敏とは>
◇知覚過敏症状が起きるメカニズム◇
1.歯のエナメル質がすり減るなどの原因により、象牙質が露出する
2.象牙質を通じて歯の神経(歯髄)に刺激が届く
3.歯に瞬間的な“キーンとした痛み”が生じる
(知覚過敏の特徴は継続的な痛みでなく一時的に歯がシミます)
知覚過敏の主な原因
✓ 歯ぐきが下がる(加齢、歯周病など)
✓ ストレスによる歯ぎしり・食いしばりの増加
✓ 過度のブラッシングによって歯の表面(エナメル質)が傷つく
✓ “酸”の過剰摂取によって歯の表面(エナメル質)がダメージを受ける(酸はスポーツ飲料や炭酸系飲料、ワイン、ドレッシング、フルーツなど、日常の食事に含まれます)
<知覚過敏を放置するリスク>
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知覚過敏の原因、歯の象牙質の露出により、虫歯や歯周病のリスクも!
知覚過敏症状の原因に「歯ぐき下がり」や「エナメル質が削れたり溶けたりすることによる象牙質の露出」があります。歯がシミることで当該部のブラッシングを避けるようになるため、歯垢が蓄積しやすくなり虫歯や歯周病が悪化することがあります。重度の歯周病は死亡リスクの高い糖尿病、敗血症、脳疾患、誤嚥性肺炎などの合併症を引き起こす可能性があり、注意が必要です。 -
食べ物をしっかり噛むことができなかったり、食生活が偏ったりする原因に
知覚過敏の症状として、特定の食べ物(冷たいものや熱いもの、酸っぱいものなど)に対して一時的な鋭い痛みを感じることがあります。この痛みがあると、不快感や痛みを避けるために、食べ物をしっかり噛まないことが増えることがあります。その結果、摂取する食べ物の種類が限られ、栄養バランスが偏り、栄養不足や他の健康問題を引き起こす可能性があります。 -
あまりにもひどいと神経を抜く必要が生じる場合も
知覚過敏症状を放置すると症状が悪化し、歯の内部にある神経まで影響を及ぼすことがあります。持続的な痛みや神経の炎症、感染などが起きてしまうことがあり、このような状態では、神経を保存することが難しくなり、最終的に根管治療(神経を抜く処置)が必要になることがあります。
<知覚過敏症状を引き起こすリスクの高い行動>
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これから夏本番。爽やかな気分になれる炭酸飲料・柑橘系ジュースなどには要注意?!
酸性度の高い炭酸飲料、スポーツドリンクや柑橘系ジュースなどは、歯の表面のエナメル質を徐々に溶かし象牙質を露出させるため、虫歯や知覚過敏のリスクが高まります。これらの飲み物には砂糖を多く含むものもあり、だらだらと飲み続ける“ながら飲み”にも注意が必要です。唾液には口腔内の環境を中和する働きがありますが、 “ながら飲み”をすると唾液の働きが追い付かず、口腔内が常に酸や砂糖にさらされることになるため、虫歯や知覚過敏が起こりやすくなります。
<知覚過敏の適切なケア方法>
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どうケアしたらいい?硝酸カリウム入りの歯磨き粉を使用すると、8割強の方に自覚症状改善がみられる!
多くの人が経験している歯がシミる症状ですが、硝酸カリウム入りの歯磨き粉を使用することで自覚症状の改善*4がみられています。知覚過敏でシミる症状が気になる人はぜひ硝酸カリウム入りの歯磨き粉を選んでみてください。また、現在は知覚過敏症状予防に加え、虫歯ケアや口臭予防、ホワイトニングも含めてケアできる歯磨き粉等もあり、生活者のニーズに合わせて選べるようになっているので、自分に合った歯磨き粉を選んでいただくことがおすすめです。また、シミる症状を起こさない・軽減させるためには歯磨き粉以外にも生活習慣の見直し、ブラッシングを強くしすぎないことも重要です。また、日々のセルフケアに加え、歯科医院を受診し専門的なケアについて相談してください。
*1:日本歯科医師会 「歯科医療に関する一般生活者意識調査2022」
*2:歯肉炎・歯周炎の総称
*3:インテージSRI+ ハミガキ市場 販売金額
*4:Nagata T, Ueda M, Imai H, et al, Japan Soc Periodontol1992; 34(2): 465-471 N=74
【Haleonジャパン株式会社】
Haleonジャパンは、コンシューマーヘルス分野における世界的リーダーであるHaleon(ヘイリオン)(本社・英国)の日本法人です。Haleonは信頼されるサイエンス、イノベーション、そして深い人への理解をもとに数多くのブランドを展開しており、「Deliver better everyday health with humanity.」(もっと健康に、ずっと寄りそって)というパーパスの実現を目指しています。
詳しくはWebサイトをご参照ください。https://www.haleon.com/jp