口コミが消費者に与える購買行動の関係性とは
株式会社Creative Groupのプレスリリース
PR・広告・マーケティング・キャスティング・メディアの5領域すべてを内製し、400社以上の企業と共に“共感を軸に人の心を動かす”マーケティングを展開してきた、株式会社Creative Group(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中原一真)は、2025年6月に美容・スキンケアに関心のある全国の10~50代女性800名を対象に、「美容・スキンケアの口コミが消費行動に与える影響に関する意識調査(2025年版)」を実施いたしました。本調査は、2022年に実施した同内容の調査と同様の構成を取りながら、口コミに対する消費者の信頼度や購買行動の変化を明らかにするとともに、新設問を通じて2025年現在の意思決定のあり方を掘り下げ、消費者の購買意思決定における“口コミ”の変遷と深化を多角的に検証しています。以下「WEB」で実施したアンケート調査の結果をお知らせいたします。
<調査概要>
調査名:美容・スキンケアの口コミが消費行動に与える影響に関する消費者動向調査
調査方法:インターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2025年2月~6月
調査対象:16〜59代の女性800名
調査元:株式会社Creative Group
※本リリースに含まれる調査結果をご利用いただく際は、必ず「出典:株式会社Creative Group調べ」と明記ください。
調査結果サマリー
商品を知る情報源は一般人の投稿が引き続き最多で40.7%
「Q1.コスメ・スキンケアを購入する際に、知るきっかけとなる情報源を教えて下さい。」(n=800)と質問したところ、「一般人の投稿」が40.7%、「インフルエンサーの投稿」が39.2%、「企業や店舗の投稿」が16.8%、「SNS上の広告」が0.7%という回答となりました。
「インフルエンサーの投稿」39.2%
「企業や店舗の投稿」16.8%
「SNS上の広告」0.7%
「その他」2.6%
■調査比較
2022年:「一般人の投稿」44.3%、「インフルエンサーの投稿」32.8%
2025年:「一般人の投稿」40.7%、「インフルエンサーの投稿」39.2%
「一般人の投稿」が依然として最多ではあるものの、2022年から3.6ポイント減少。一方で「インフルエンサーの投稿」は+6.4ポイントと大きく増加しており、両者の差はほぼなくなりました。この結果は、生活者と距離の近いインフルエンサーの発信がより信頼を得ていること、また“広告っぽさ”を感じさせない発信スタイルの浸透が影響していると考えられます。
「SNS上の広告」は2.7%→0.7%と2ポイント減少し、企業色の強い情報に対する関心の低下も見てとれます。2025年の消費者は、“信頼できる個人発信”を重視しながら購買のきっかけを形成していることが明確になりました。
口コミを参考にする女性は94.8%、購買判断の前提として定着
「Q2.SNSやレビューサイトの口コミをどの程度参考にしますか」(n=800)と質問したところ、「かなり参考にする」が49.3%、「参考にする」が45.5%、「どちらともいえない」が4.1%という回答となりました。
「参考にする」45.5%
「どちらともいえない」4.1%
「あまり参考にしない」0.7%
「参考にしない」0.4%
■調査比較
2022年:「参考にする」94.5%
2025年:「参考にする」94.8%(「かなり参考にする」49.3%、「参考にする」45.5%)
口コミを参考にする人の割合は、3年間で94.5%→94.8%とわずかに上昇しました。ほぼすべての回答者が「口コミを重視している」ことは変わらず、口コミが今や購買検討における“当たり前の前提”となっていることがうかがえます。特に2025年では「かなり参考にする」が約半数に達しており、その重要性が一層高まっている様子が浮き彫りになり、「比較・検討してから買う」慎重な姿勢が多数派であることがうかがえます。
約7割の女性が3つ以上のSNS・レビューサイトを比較して購入を決定
「Q3.購入を決定するまでに、どれくらい数のSNSやレビューサイトを参考にしますか」(n=800)と質問したところ、「5つ以上」が19.9%、「3~4つ程度」が49.7%、「1~2つ程度」が29.1%、「参考にしない」が1.3%という回答となりました。
「3~4つ程度」49.7%
「1~2つ程度」29.1%
「参考にしない」1.3%
■調査比較
2022年:「3〜4媒体」44.2%
2025年:「3〜4媒体」49.7%
参考にするメディア数は2022年も2025年も「3つ以上」が最多。ただし2025年には「3〜4媒体」と明確に答える人が約半数(49.7%)に増加し、レビューを複数のメディアで比較検討する姿勢がさらに強まっていることが明らかになりました。1つの情報源に依存せず、広い視野で検証する“横断的な購買行動”が定着している様子がうかがえます。
【新設問】87.5%が4件以上の口コミを確認、「複数の声」をもとに自分に合うかを判断
「Q4.購入前に複数の口コミを確認する場合、平均して何件程度の口コミを見ますか?」(n=800)と質問したところ、「11件以上」が16.5%、「7~10件」が30.8%、「4~6件」が40.2%、「1~3件」が12.4%という回答となりました。
「7~10件」30.8%
「4~6件」40.2%
「1~3件」12.4%
もっとも多かったのは「4〜6件」で約4割(40.2%)を占め、次いで「7〜10件」(30.8%)、「11件以上」(16.5%)と続きました。実に87.5%の回答者が、購入前に4件以上の口コミをチェックしているという結果になっており、商品購入の際に「少数のレビューでは判断しない」慎重な姿勢が明らかです。
また、「11件以上」確認するという回答も一定数見られたことから、情報をできるだけ多面的に把握したうえで、自分に合うかどうかを深く見極めようとする意識の高さもうかがえます。
これはレビューに対する“質”だけでなく、“量”も信頼性の一部として判断されていることの裏付けでもあります。
特にコスメ・スキンケアのように個人差が出やすく、失敗したくないカテゴリにおいては、「似た肌質の人」「同年代の感想」「使用感のリアルな差分」などを比較するために、多くのレビューを読み込む傾向が強まっているといえます。
口コミ総数が購入の後押しに「影響がある」と感じる女性は77.2%に増加
「Q5.購入検討している商品の口コミの数は実際の購入に影響を与えていますか。」(n=800)と質問したところ、「影響を与えている」が77.2%、「影響を与えていない」が9%、「どちらともいえない」が13.8%という回答となりました。
「影響を与えていない」9%
「どちらともいえない」13.8%
■調査比較
2022年:「影響を与えている」72.2%
2025年:「影響を与えている」77.2%
口コミの「質」だけでなく「数」も意思決定に大きく関わる傾向が強まっています。影響があると答えた人は5ポイント上昇し、77.2%に到達。これは、単なる好意的な投稿ではなく、「多くの人が語っている」というボリュームそのものが信頼を担保していることを意味します。“口コミの数は商品の信頼度”という新たな購買基準が浮かび上がります。
「両方を参考にする」女性が増加、一般人とインフルエンサーの情報の使い分けが進む
「Q6.インフルエンサーの口コミと一般の口コミどちらの方を参考にしますか」(n=800)と質問したところ、「両方参考にする」が61.9%「一般人の口コミ」が31%、「インフルエンサーの口コミ」が5.2%という回答となりました。
2022年:「一般人の口コミ」36.2%、「両方参考にする」58.0%
2025年:「一般人の口コミ」31.0%、「両方参考にする」61.9%
「一般人の口コミ」31%
「インフルエンサーの口コミ」5.2%
「どちらも参考にしていない」1.9%
「一般人の投稿だけを信頼する」という姿勢はやや減少傾向にある一方で、「一般人・インフルエンサー両方を参考にする」という柔軟な姿勢が拡大(+3.9pt)。これは、消費者が“リアルな感想”と“発信力のある情報”の双方に価値を見出し、使い分けていることを示しています。“信頼”と“影響”をバランスよく取り入れる購買態度が主流になりつつあります。
【新設問】PR投稿は「内容次第」で信頼される時代に。信頼度が変わらない人が約半数
「Q7.口コミの投稿者が企業案件(PR)として投稿している場合、信頼度は変わりますか?」(n=800)と質問したところ、「変わらない」が48.1%「少し下がる」が41.4%、「大幅に下る」が5.2%という回答となりました。
「少し下がる」41.4%
「大幅に下る」5.2%
「むしろ信頼できると感じる」4.9%
PR投稿であっても「信頼度は変わらない」と答えた人が約半数を占め、企業案件=不信という固定観念が薄れてきていることがうかがえます。一方で約47%が「信頼度が下がる」と回答しており、発信内容の誠実さや見せ方が信頼を左右する時代にあると言えるでしょう。「むしろ信頼できる」と肯定的に捉える層も一定数おり、PRの在り方次第で評価を得られる環境が整ってきているとも読み取れます。
【新設問】信頼されるPRの条件は「使用感やデメリットの記載」と「透明性のある明記」
「Q8.企業PRの口コミを見る際、どのような表記があると安心して参考にできますか?」(n=800)と質問したところ、「使用感やデメリットも記載されている」が48.1%、「本音レビューとPRの違いが明記されている」が41.4%、「企業側がコメントできない形で投稿されている」が5.6%、その他が4.9%という回答となりました。
「本音レビューとPRの違いが明記されている」41.4%
「企業側がコメントできない形で投稿されている」5.6%
その他4.9%
もっとも信頼されるPR投稿の条件は「使用感やデメリットの記載」で、良い点とあわせて注意点も示されていることが誠実さにつながっていると考えられます。次いで「本音とPRの違いが明記されている」など、“PRであることを隠さずに伝える姿勢”がむしろ信頼を得ている点も注目すべき傾向です。企業の関与が強すぎる投稿への懐疑的な視線もあり、コンテンツの見せ方次第で、PRの信頼性は大きく変わる時代に入っているといえます。
レビューが“1件もない”と75%の女性が購入をためらう
「Q9.商品レビューが1つもない商品は、買うのをためらってしまう」(n=800)と質問したところ、「当てはまる」が75%、「どちらともいえない」が20.1%、「当てはまらない」が4.9%という回答となりました。
「どちらともいえない」20.1%
「当てはまらない」4.9%
■調査比較
2022年:「当てはまる」68.1%
2025年:「当てはまる」75.0%
「レビューがない商品は不安で買いづらい」と感じる人は、2022年よりもさらに増加。75%が“ためらう”と回答しており、7ポイント近い上昇が見られます。情報にアクセスできることが当然になった今、“レビューゼロ=信頼ゼロ”と捉える消費者心理が、より強まっていることがわかります。
約90%の女性がECサイトで商品レビューを確認してから購入
「Q10.ECサイトで商品を購入するとき、商品レビューを見ますか」(n=800)と質問したところ、「必ず見る」が61.9%「よく見る」が26.9%、「見るときと見ないときがある」が9.3%、「あまり見ない」が1.1%という回答となりました。
「よく見る」26.9%
「見るときと見ないときがある」9.3%
「あまり見ない」1.1%
「全く見ない」0.7%
■調査比較
2022年:「必ず見る」58.4%、「よく見る」28.7%
2025年:「必ず見る」61.9%、「よく見る」26.9%
ECにおいてレビューを確認する割合はほぼ横ばいながら、「必ず見る」は+3.5ポイントの増加。スマホで簡単に口コミを検索できる現在、レビューは“最終確認”としての役割を強く担っていることが明らかになりました。口コミを見ずに購入する層は、もはやごく一部にとどまります。
商品レビューは「あった方がよい」から「ないと困る」存在に
「Q11.商品レビューの必要性はどのようなものですか」(n=800)と質問したところ、「ないと困るもの」が60.8%「ないよりはあった方が良い」が37.7%、「別になくても良い」が1.5%という回答となりました。
「ないよりはあった方が良い」37.7%
「別になくても良い」1.5%
■調査比較
2022年:「ないと困る」54.8%、「あった方がよい」44.6%
2025年:「ないと困る」60.8%、
「あった方がよい」37.7%「レビューがないと困る」と答える人は60.8%に上昇(+6pt)し、多くの消費者にとってレビューは「情報」ではなく「インフラ」へと変貌を遂げています。特に“見た目”や“価格”だけでは判断できないコスメカテゴリでは、その必要性が一層高いことがうかがえます。
レビューを見て購入したことがある女性は98.5%、購買プロセスに組み込まれている
「Q12.レビューをみて商品購入をした経験はありますか」(n=800)と質問したところ、「何度もある」が75.4%「何回かある」が23.1%、「1度もない」が1.5%という回答となりました。
「何回かある」23.1%
「1度もない」1.5%
■調査比較
2022年:「何度もある」68.8%、「何回かある」30.6%
2025年:「何度もある」75.4%、「何回かある」23.1%
「レビューを見て何度も購入したことがある」人は75%を超え、2022年から6.6ポイントの増加。レビューが「購買のきっかけ」ではなく「購買プロセスの一部」へと進化していることを意味します。消費者は“誰かの体験”を通じて安心と納得を得ている傾向が伺えます。
【新設問】口コミの信頼性は「写真・動画」と「文章の具体性」で判断されている
「Q13.口コミの信頼性を判断する際に最も重視するポイントは何ですか」(n=800)と質問したところ、「実際の写真・動画の有無」が51%「口コミの文章の具体性」が37.3%、「投稿者の職業(専門家・一般人など)」が5.1%という回答となりました。
「口コミの文章の具体性」37.3%
「投稿者の職業(専門家・一般人など)」5.1%
「 企業から提供された商品かどうか」4.7%
「投稿者のフォロワー数」1.2%
「その他」0.8%
「実際の写真や動画の有無」が過半数の支持を集め、視覚的な証拠のある投稿が最も信頼されていることが明らかに。次いで「文章の具体性」が重視されており、使用シーンや使用感などが細かく書かれているほど信頼が高まる傾向にあります。価格帯やビジュアルだけでは判断できないコスメカテゴリにおいて、生活者の“実像”に基づいた声が支持されていることが伺えます。
【新設問】SNSで話題の商品を購入したことがある女性は97.3%。話題性が購買を動かす
「Q14.SNSで話題になっている商品・サービスを購入したことはありますか」(n=800)と質問したところ、「何度もある」が61.9%、「たまにある」が35.4%、「ほとんどない」が1.9%という回答となりました。
「たまにある」35.4%
「ほとんどない」1.9%
「一度もない」0.7%
「SNSで話題になっていたから買ったことがある」と答えた人は合計97.3%にのぼり、SNSが“流行を知る場”にとどまらず、“購買の直接的な導線”として定着していることが明らかに。特に「何度もある」が6割を超えており、これは単発的なバズではなく、SNSが継続的な購買行動に結びついていることを示します。投稿者のリアルな声や共感できるストーリーが商品への信頼を生み、「話題=安心感」「流行=納得感」として機能する時代に入っているといえるでしょう。
【新設問】購入の決め手は「使用感の詳細な説明」が最多、見た目より体感重視に
「Q15.SNSやレビューサイトでの商品紹介の投稿を見て購入の決め手となるものは何ですか?」(n=800)と質問したところ、「詳細な商品の使用感の説明」が65.5%、「口コミ」が20.2%、「商品の素材や見た目」が6.4%という回答となりました。
「口コミ」20.2%
「商品の素材や見た目」6.4%
「レビューサイト内での★評価」6%
「いいねなどの評価の数」0.7%
「無加工の画像 動画より静止画」0.4%
「有効成分、医薬部外品か否か」0.4%
「その他」0.4%
購入の最終的な決め手として最も多く選ばれたのは、「詳細な商品の使用感の説明」で、約7割(65.5%)がこれを重視すると回答。見た目や素材ではなく、“実際にどう感じたか”という体験ベースの情報が意思決定を大きく左右していることがわかります。
「口コミ」自体も一定の影響を持ちつつ、抽象的な感想ではなく、具体的な変化や体感、使うシーンが描写されている投稿こそが、最も信頼され、購買の後押しとなっていると考えられます。
総評
「参考」から「前提」へ。口コミは生活者の購買インフラに。
2025年の調査結果から見えてきたのは、口コミが“参考情報”ではなく、“購買行動の大前提”になっている現実です。
情報の透明性を求める姿勢は年々強まり、「口コミ総数」「複数メディアの比較」「本音とPRの区別明記」など、“見極める消費者”が常識化、消費者の“情報リテラシー”はさらに進化を遂げたことが明らかになりました。また、レビューがないことで購入をためらう人が8割近くに達し、「レビューゼロ=選択肢に入らない」という現象が顕在化。
これは、商品力以上に“他者の体験”が購入意思を動かすという、信頼社会ならではの消費行動の変容を意味しています。
さらに、インフルエンサーと一般人の中間層である“生活者インフルエンサー”の影響力が台頭しており、今後は「体験の濃度」や「リアルな言葉」が鍵を握ると考えられます。
企業にとっては、もはや“売り込む”時代ではなく、「信頼される語り手に、自社商品を“正直に伝えてもらう”ことこそ最大の販促」であるという価値観の転換が求められています。
【会社概要】
社名:株式会社Creative Group
本社所在地:〒102-0075東京都千代田区三番町22-7三番町関野ビル4F
代表取締役:中原一真
設立:2017年9月(創業2015年5月)
事業内容:PR事業、口コミプロモーション事業、エンタメ・プロダクション事業、インフルエンサー・タレントキャスティング事業、SNS運用代行事業、広告事業、メディア事業、クリエイティブ制作事業、飲食事業、他
公式コーポレートサイト: