株式会社シーボンのプレスリリース
株式会社シーボン(本社:東京都港区、代表取締役社長:崎山一弘、証券コード4926)は、心理状態によって肌状態が変化する事象について研究を進めています。今回、私たちの研究グループは、オキシトシン※1とコルチゾール※2が真皮由来のヒアルロン酸量に影響を及ぼし、またその反応が相反作用である可能性を見出しました。
本研究成果の一部を、2025年7月4日~5日に開催された第50回日本香粧品学会学術大会において発表しましたので、ご報告いたします。
※1 : 心因性ホルモン。幸せホルモンとも呼ばれ、スキンシップやマッサージなどにより血中濃度が上昇する
※2 : 心因性ホルモン。ストレスホルモンとも呼ばれ、過度なストレスに反応して血中濃度が上昇する
研究の背景
脳と皮膚は起源が同じであることから(皮脳同根)、心と皮膚には密接な繋がりがあると言われています。
シーボンでは、心理状態が皮膚の状態に影響を与えているという考えをもとに、肌と心を科学することで素肌が持つ本来の美しさの可能性を引き出すことを目指し、心因性ホルモンと肌との関連性を研究しています。今回の研究では、心理状態に応じて分泌されるホルモンであるオキシトシンとコルチゾールの真皮に対する影響を解析することで、脳-皮膚相関の新知見を得ることを目的としました。
方法
オキシトシン及びコルチゾールをそれぞれ線維芽細胞に添加し、RNA-seqにより遺伝子変動を網羅的に解析しました。また、特に変動が大きかった真皮ヒアルロン酸への影響に着目し、各ホルモンの真皮ヒアルロン酸に対する詳細解析を実施しました。
研究結果
オキシトシン及びコルチゾールをそれぞれ線維芽細胞に処置し、RNA-seqによる大規模解析を行ったところ、細胞外マトリックス(ECM)※3に関連した因子への影響が示唆されました(図1)。さらに詳細解析したところ、各ホルモンによって、「ヒアルロン酸合成酵素(HAS2)の発現量」と「ヒアルロン酸産生量」がオキシトシンにより増加し、コルチゾールによって減少することが明らかとなりました(図2)。さらに、オキシトシンおよびコルチゾールは、線維芽細胞の各受容体を介してヒアルロン酸合成を調節することが示されました。
これらの結果から、オキシトシンとコルチゾールは真皮におけるヒアルロン酸産生機構において相反関係にあり、ヒアルロン酸合成を制御している可能性が見出されました。
※3 : 体内組織の構造維持や細胞間の情報伝達を担う
シーボンについて
シーボンは、1966年の創業以来約60年に渡り、研究・開発、製造、販売までを一貫して行う日本の化粧品メーカーです。
全国97店舗(会員制/直営94店舗、代理店3店舗)のサロンを通して、化粧品販売とアフターサービスを提供しています。
毎日の正しいスキンケアと、サロンでの定期的な肌カウンセリング&フェイシャルトリートメント。
この繰り返しが、日々変化する素肌を健やかに育む。これが永年培ってきたシーボン独自のビューティ・プログラムです。
シーボンは、唯一無二のビューティ・プログラムで、美肌を適えるブランドとしてこれからも展開してまいります。
【シーボン 公式ホームページ】 https://www.cbon.co.jp/net/
【シーボン ビューティージャーナル配信中】 https://www.cbon.co.jp/journal/interview/