Craif株式会社のプレスリリース
Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、第33回日本乳癌学会学術総会にて、がん研有明病院 井上有香 医師らとの乳がん検知に関する研究成果「尿中miRNA(マイクロRNA)を用いた乳癌診断の非侵襲的バイオマーカー開発とその臨床応用への展望」を共同で発表したことをお知らせいたします。Craifは今後も、がんの予防・早期発見に向けた新しい取り組みを広く届けることで、当社のミッションである“人々が天寿を全うする社会の実現”に挑戦してまいります。
■ 研究成果のポイント
・乳がん患者で尿中マイクロRNAの有意変動を確認
乳がん患者群(ステージⅠまでを半数以上、ステージⅡまでを90%以上含む)と健康な対照群で、乳がんの検出に特化した20種類以上の尿中マイクロRNAの発現量が異なることが確認されました。
・乳がん患者で変動が確認されたマイクロRNAは増殖経路に関与
乳がん患者で発現が有意に上昇したマイクロRNAの一部は、がん細胞の増殖を制御するシグナル伝達経路に関与しており、腫瘍の進展と機能的な結び付きが示唆されました。
・乳がんを判別するアルゴリズムの構築
これらマイクロRNAのプロファイルを機械学習に入力したところ、乳がん患者と健康な方を高精度で識別できる判別モデルの構築に成功しました。異なる2通りのマイクロRNA抽出方法を検討し、同程度の結果が確認されました。
■ 共同研究概要
マイクロRNAは、細胞の働きを調整する小さな分子であり、その発現の変化はがんを含む様々な病気と関わりがあることが知られています。中でも、尿中マイクロRNAは身体への負担が少ない検査法として、がんの早期発見や再発のモニタリングへの応用が期待されています。
本研究では、原発性乳がん患者と健康な対照群の尿を解析し、乳がんに特徴的なマイクロRNAの発現パターンを同定しました。得られたマイクロRNA情報をもとに、乳がんを判別するモデルを構築しました。
また、乳がんで変動が確認されたマイクロRNAの一部はがんの増殖や転移に関わるシグナル伝達経路との関連も示唆されました。これらの結果は、異なる2種類のマイクロRNA抽出法を用いた解析においても類似した結果が確認されました。
本成果は、尿中マイクロRNAが非侵襲的な乳がん診断マーカーとなりうる可能性を示すものであり、今後の臨床応用に向けた基盤となることが期待されます。
■ 第33回日本乳癌学会学術総会について
・開催期間:2025年7月10日(木)~2025年7月12日(土)
・開催地:京王プラザホテル、工学院大学 新宿キャンパス
・公式ホームページ:https://www.congre.co.jp/jbcs2025/
■ Craifについて
Craif(クライフ)は がん早期発見に取り組む2018年創業のバイオAIスタートアップです。尿をはじめとする体液から、DNAやマイクロRNAなど多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合し、がんの超早期発見・早期治療・早期復帰を可能にする革新的な検査を開発しています。バイオテクノロジーとAIの力を社会に広く届けることで、当社のビジョンである「人々が天寿を全うする社会の実現」を推進します。
【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設立:2018年5月
資本金:1億円(2024年3月1日現在)
事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、尿がん検査「マイシグナル®︎」の提供
本社:文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F