アッヴィのプレスリリース
アッヴィ、アトゲパントについて、片頭痛の予防におけるトピラマートとの第III相直接比較試験において、全評価項目で優位性を示す新たなデータを発表
ー TEMPLE試験は、月間片頭痛日数が4日以上の成人の患者さんを対象とした、片頭痛の予防治療におけるアトゲパントの忍容性、安全性および有効性をトピラマートと比較し評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、直接比較の第III相試験1
ー アトゲパントは、有害事象による投与中止率がトピラマートと比較して低いという主要評価項目を達成し、6つの副次評価項目についてもすべての項目でトピラマートと比較して統計学的に有意な改善を示し、臨床的有効性が確認された1
ー TEMPLE試験のすべての結果は、今後医学系学会において発表される予定
イリノイ州ノースシカゴ、2025年6月18日 – アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、アトゲパント(60 mg、1日1回投与)について、トピラマートの最大耐用量(50、75、または100 mg/日)と比較し、忍容性、安全性および有効性を評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、直接比較の第III相TEMPLE試験において、優位性を示したトップライン結果を発表しました。この試験は月間片頭痛日数が4日以上の成人の患者さんを対象としています1。
本試験では、有害事象(AE)による投与中止に関する主要評価項目を達成し、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬であるアトゲパントは、片頭痛予防薬としても承認されている抗てんかん薬であるトピラマート(*)と比較して、AEによる投与中止率が低いことを示しました。24週間の二重盲検投与期間中、AEによる中止率はアトゲパント(12.1%)がトピラマート(29.6%)に比べて低く、相対リスクは0.41(95%CI:0.28、0.59;p<0.0001)でした1。
また、臨床的有効性の重要な指標を含む6つの副次評価項目もすべて達成しました。二重盲検投与期間中の4か月目から6か月目までの平均月間片頭痛日数(MMD)が50%以上減少した患者さんは、アトゲパント投与群では64.1%であったのに対し、トピラマート投与群では39.3%でした(p<0.0001)1。
* トピラマートは、日本国内において片頭痛発作の発症抑制に関する適応は承認されておりません。
アッヴィのexecutive vice president, research and development兼chief scientific officerであるRoopal Thakkar, M.D.は、次のように述べています。「これらのTEMPLE試験のデータにより、米国頭痛学会および国際頭痛学会による推奨事項が裏付けられ、CGRP阻害剤が片頭痛の第一選択予防治療薬として果たす役割が明確になりました。この試験は、片頭痛という消耗性のある疾患に苦しむ患者さんに対して治療選択肢を広げ、治療水準を向上させるという当社の取り組みを示すものです」
片頭痛は、患者さんの生活に大きな負担をもたらす可能性がある疾患であるにもかかわらず、依然として適切に診断されず十分な治療が行われていないのが現状です2。この疾患は、世界人口の約14%に影響を及ぼす複雑な神経疾患であり、世界における障害の主な原因として第2位に位置づけられています2。その有病率の高さと深刻な影響にもかかわらず、予防治療の基準に関連する患者さんへの医療には多くの課題が残されています。特に、現在予防薬を使用している患者さんのうち50%以上がさらなる予防治療を必要としており、現行の治療では十分な効果を得られていない可能性が示唆されています3。
Headache Specialists of Oklahomaの設立者であり神経科医のJaclyn Duvall, M.D.は、次のように述べています。「片頭痛に悩む多くの患者さんは、入手しやすく手軽に使用できる予防治療法があるにもかかわらず、治療目標の達成に苦労しています。TEMPLE試験のデータは、有効性と忍容性の両面を捉え、片頭痛予防における治療継続の影響を評価する意義ある手法を示しており、患者さんの視点に立った治療効果の評価指標を提供しています」
この実薬対照試験で認められたアトゲパントのAEプロファイルは、過去の試験で確立された安全性プロファイルと概ね一致していました1。
TEMPLE試験のすべての結果は、今後医学系学会において発表される予定です。
TEMPLE試験について
TEMPLE試験は、月間片頭痛日数が4日以上の成人の患者さんを対象に、アトゲパントの忍容性、安全性および有効性をトピラマートと比較し評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照、第III相試験です。この試験では、ヨーロッパ、イスラエル、カナダの73施設から、18歳以上の反復性または慢性片頭痛患者さん545名が無作為に割り付けられました。
本試験は2つの期間に分けて実施されました。最初の24週間の二重盲検投与期間では、6週間の用量漸増期間と18週間の維持期間が設けられ、患者さんはアトゲパント(60 mg、1日1回投与)またはトピラマートの最高耐用量(50~100 mg/日)の投与群に無作為に割り付けられました。その後、適格性のある患者さんは52週間の非盲検投与期間に進み、すべての患者さんにアトゲパント(60 mg、1日1回投与)が投与されました。試験期間中、患者報告アウトカムを定期的に収集し、臨床評価と臨床検査を通じて安全性および忍容性を継続的にモニタリングしました。
主要評価項目は、24週間の二重盲検投与期間中にAEにより試験投与を中止した患者さんの割合としました。頭痛の頻度、持続時間、症状、急性期治療薬の使用、およびさまざまな患者報告アウトカムに関するデータは、電子日誌(eDiary)を使用して収集しました。TEMPLE試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov(NCT05748483)をご覧ください。
アトゲパントについて
アトゲパントは、成人の片頭痛の予防治療薬として開発された1日1回経口投与のCGRP受容体拮抗薬です。CGRPとその受容体は、片頭痛の病態生理に関与する神経領域に発現します。片頭痛発作時には、CGRP濃度が上昇することが研究により示されています。アトゲパントは、EUではAQUIPTA(R)、米国、カナダ、イスラエル、プエルトリコではQULIPTA(R)の製品名で販売されており、60か国で承認されています。
片頭痛領域におけるアッヴィ
アッヴィは片頭痛患者さんに寄り添い、支えることに取り組んでいます。医療従事者がさまざまな種類の片頭痛患者さんを治療できるよう、科学の発展に努めています。片頭痛に関する啓発や関係団体との協働を通して、片頭痛患者さんが治療への障壁を乗り越え、適切な治療を受け、片頭痛による日常生活での影響を軽減できるよう支援しています。
米国では、アッヴィはあらゆる種類の片頭痛における患者さんのニーズに応えられるよう3種類の治療薬を開発した唯一の企業であり、この消耗性疾患を抱えている患者さんの支援に取り組んでいます。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。LinkedIn、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)やYouTubeでも情報を公開しています。
References:
1.Data on file. AbbVie, Inc. ABVRRTI81148
2.Steiner, T. J., Stovner, L. J., Jensen, R., et al. (2020). Migraine remains second among the world’s causes of disability, and first among young women: Findings from GBD2019. The Journal of Headache and Pain, 21(1), 137. https://doi.org/10.1186/s10194-020-01208-0
3.Buse, D. C., Sakai, F., Matharu, M., Reed, M. L., Fanning, K., Dabruzzo, B., & Lipton, R. B. (2024). Characterizing gaps in the preventive pharmacologic treatment of migraine: Multi-country results from the CaMEO-I study. Headache, 64(5), 469-481. https://doi.org/10.1111/head.14721