老舗石鹸メーカー木村石鹸、国際認証「B Corp™︎」を取得

「この会社があってよかった」と思われる存在を目指して

木村石鹸工業株式会社のプレスリリース

大正13年創業の老舗石鹸メーカー木村石鹸工業株式会社(大阪府八尾市 社長木村祥一郎 以下木村石鹸)が社会や環境に配慮した企業を国際的に認証する制度「B Corporation™︎」(以下、B Corp)の認証を2025年7月に取得しました。

今回の認証にあたり、B Impact Assessment™において84.1点を獲得し、B Corp(Bコープ)認証に必要な基準点(80点)を上回ることができました。

B Corpについて

B Corp(Bコープ)とは、「B Corporation(Bコーポレーション)」を略したもので、「B」は「Benefit for all」、つまり「全ての存在に利益をもたらす」という意味を持ちます。ここでの「全ての存在」とは、地球環境、地域社会、お客様、そして従業員など、ビジネスから影響を受けるあらゆるステークホルダーを指します。

弊社は、B Corp認証を目指し勉強会など約3年ほど前から取り組みを開始いたしました。

弊社にとってB Corpは、「良い会社」であることをグローバルに認証する制度であり、この認証取得は、事業を通じて社会に貢献し、「愛される会社」を目指すという弊社の目標を具現化するものです。

B Corpは、「ガバナンス」「従業員」「環境」「顧客」「コミュニティ」という5つのカテゴリーで、企業の社会的・環境的パフォーマンスを包括的に評価する国際認証制度です。

営利企業でありながら、持続可能性・透明性・社会貢献をバランスよく追求している企業に対し、アメリカの非営利団体B Lab™︎が認証を付与しています。

木村石鹸はその中でも特に、「従業員」「環境」の分野で高い評価を得ました。特に「従業員」では期日前投票制度書籍購入応援制度自己申告型給与制度など、「環境」に関しては食品工場から回収した油を使用して洗剤を作っていることなどが企業姿勢として顕著だったことが評価につながりました。

「自己申告型給与制度」は、社員が自分自身で会社に対する貢献内容と給与を考え、会社が投資額を決定するという制度です。これは、個人の“あり方(being)”も価値と捉え、比較や評価に縛られない組織文化を育んでいます。

これまでの取り組み

単一素材(モノマテリアル)パウチを採用した実証実験用製品

木村石鹸では、「いい商品」を届けるだけでなく、社会に必要とされ、“あってよかった”と思われる会社でありたいと考えています。

■環境・顧客

環境への責任として2021年よりフジシールグループ・G-Placeと連携し、12/JU-NIシャンプーで“パウチからパウチ”への水平リサイクル実証実験を実施。素材を単一化したパウチの採用や、再資源化の可能性を探る取り組み「未来の住人プロジェクト」を進めてまいりました。返送が必要なパウチを販売し、回収の手間もある中ユーザー協力を得ながら実証実験を行ってきました。

■コミュニティ

未来を担う子どもたちにものづくりの楽しさや地域の仕事を知ってもらいたいという思いから、放課後NPOアフタースクールと連携し「オンラインお仕事ツアー」を実施。代表の木村祥一郎は、地元企業と行政が連携する教育団体「みせるばやお」の代表としても、八尾の子どもたちの学びの場づくりにも力を入れています。

さらに、地域に根ざした医療・福祉のネットワークを育む活動「コミュニティナース」への協賛も行い、社外とのつながりを通じた健康支援にも取り組んでいます。

■従業員・ガバナンス

社内では、社員の心身の健康や安心して働ける環境づくりのため、定期的に産業医の先生に来社いただき、職場の相談や体調管理をサポートをしていただいています。

社内報で代表の考えや会社の経営状況などを従業員に公開し、情報共有を行っています。また、自己申告型給与制度の貢献内容・対話シートには「環境・地域への貢献」の項目があり、会社としての評価の要素となっています。

今後の取り組み

木村石鹸では現在、製品の環境負荷を「見える化」するための取り組みとして、CFP(カーボンフットプリント)※の算出を進めています。

CFPとは、製品のライフサイクル全体で排出される温室効果ガスの量をCO₂換算で可視化する手法で、原材料の使用量や製造時のエネルギー、平均的な輸送手段・距離などをもとに算出しています。

まずは「SOMALI」シリーズの一部製品からスタートし、外部パートナーと連携しながら、可能な範囲でのデータ取得と透明性のある情報発信に取り組んでいます。

今後、算出を終えた商品から商品ページにも記載していく予定です。

木村石鹸は「”本当にいい”商品」は、環境にもいい商品であるべきだと考えています。

人と暮らしと地球にとってのちょうどいい関係の追求とは、正解のない複雑なテーマです。

だからこそ、まずは自分たちがどこで、どれだけ環境に負荷をかけているのかを把握することが、私たちの責任だと考えました。

大切なのは、「正解を知ること」ではなく、「正直に向き合い、行動を重ねること」。

木村石鹸はこれからも、“小さな町工場”だからこそできる、誠実で継続可能なものづくりを模索し続けます。

※CFP…Carbon Footprint of Products。製品が地球環境に与える負荷を定量的に可視化する考え方。

「この会社があってよかった」と思われる存在へ

木村石鹸が目指すのは、「いい商品をつくる会社」だけではありません。

お客様、従業員、取引先、地域社会、そして未来の地球からも「この会社があってよかった」と思ってもらえる、“いい会社”であることを目指しています。

今回のB Corp認証の取得は、これまで木村石鹸が行ってきた取り組みを見つめ直し、整理し、あらためて位置づける機会にもなりました。また、私たちに足りていなかった視点や考え方にも気づくことができ、組織として多くの学びを得るプロセスでもありました。

認証を受けたことで一区切りとなったわけではなく、むしろここからが始まりだと考えています。アセスメントスコアは84.1点。世界には100点を超える企業も数多く存在しており、私達もこれに習い、今後も継続的な取り組みを重ねていきます。

B Corpの評価項目に含まれるかどうかに関わらず、日々の仕事や関わりの中で「いい会社」と思っていただけるよう、木村石鹸はこれからも正直で誠実なものづくりと向き合っていきます。

木村石鹸について

大阪・八尾市にある、大正13年創業の石鹸メーカー。

2024年に創業100周年を迎えました。

古くから伝わる職人による”釡焚き”製法を守る大阪八尾市の町工場です。

釜炊き石鹸を使ったハウス&ボディケアブランドSOMALI、職人のこだわりが詰まった洗浄剤を展開するCRAFTSMANSHIP シリーズ、業界的な慣習にとらわれない、手間ひまかけたヘアケアブランド12/JU-NIなどを展開。

心から良いと思えるものを追求するものづくりの姿勢と、長年にわたり培った技術で、人と環境の調和の取れた製品作りを行っています。

本社:〒581-0066 大阪府八尾市北亀井町 2-1-30

代表者:代表取締役社長 木村祥一郎

設立:1924年(大正13年)4月1日

Tel:072-994-7333 Fax:072-993-7188

事業内容:家庭用の石鹸、洗剤/洗浄剤、化粧品の製造販売。

浴場用、洗濯用、コインランドリー用の洗剤/洗浄剤の製造販売。

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