FromプラネットVol.235 <暑さ対策に関する意識調査>

~ 男性にも〇〇がじわじわ浸透、今年のクーラー設定は何度? ~

株式会社プラネットのプレスリリース

 国内1,500社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:坂田政一) は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第235号として、暑さに関する意識調査(対象4,000人)の結果をご紹介します。未掲載のデータ提供や当社担当者が解説を差し上げることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

※回答率(%)は小数点第2位以下を四捨五入し同第1位までを表示しています。そのため、内訳の合計と表示値が異なる場合があります。

  • 4分の3が「暑さが心配」、心配なのは “電気代”

 今年は、本格的な夏を迎える前の5月から東京都心で最高気温が30℃超の真夏日が過去最多の12日を数えたほか、7月に入っても35℃以上の猛暑日を含む真夏日が連日続くなど、長く厳しい夏の様相となっています。こうした状況下、夏の暑さにどう対処している・しようとしているのか、心配していることなど、“暑さ”をテーマにいろいろとたずねてみました。(2020年7月公表のVol.138、2023年6月公表のVol.207でも同テーマの調査を実施)

 まず、今年の暑さへの心配度をたずねてみました(図表1)。「非常に心配」44.6%、「心配」31.3%と、合わせて75.9%が夏の暑さに不安を抱いていました。この一方で、「あまり」と「全く」を合計した「心配でない」人は7.9%と1割に満たない結果に。調査を行った6月下旬時点で、梅雨の降雨量が少なかったこともあわせて、すでに今年の暑さに対しての心配度を高めた人が多かったのでしょう。地域別では、「非常に心配」が50.1%、「心配」も30.3%にのぼったのが“北関東”というのも興味深いところです。2018年7月に埼玉県熊谷市で当時の国内最高気温41.1℃を記録したように、「北関東=暑い」と連想する人が多そうですが、実際に住んでいる人の8割が今年の暑さを心配していました。「非常に心配」が27.6%と最少の北海道でも、「心配」との合計は6割にのぼり、暑さへの懸念は全国的のようです。

 夏の暑さや猛暑について、具体的にどういったことを心配、あるいは困ると思っているのでしょうか(図表2)。57.8%と最も多くの人が挙げたのが「電気代がかさむ」。熱中症予防でクーラーの使用が推奨される一方で、電気料金も上昇していることが数字を押し上げた一因でしょうか。これに3.7ポイント差で続くのが「寝苦しい、寝不足になる」。寝苦しさで何度も目覚めてしまう、眠りが浅くて疲れが取れないなど、夏の睡眠に悩んだことがある人は多いでしょう。以下、「熱中症」49.8%をはじめ、「日差しの強さや高温で危険を感じる」「農作物の価格上昇、不作」「汗をかく」が4割超となりました。男女別では、1~3位は同じ顔触れですが、4・5位は男性「ゲリラ豪雨の発生」「農作物の価格上昇、不作」、女性「日焼け、UV対策」「日差しの強さや高温で危険を感じる」と差が。特に「日焼け、UV対策」は女性が34.7ポイント上回りました。

  • 日中に男性は “帽子”・女性は “日傘” で暑さ対策

 具体的な暑さ対策アイテムについて、日常の場面別にたずねてみました。外出時では、暑さ対策の基本ともいえる「帽子」が45.1%で最多となり、これに「日傘」37.3%、「扇子、うちわ」30.8%が続きました(図表3)。男女別のトップ3(図表非掲載)は、男性が「帽子」40.0%、「扇子、うちわ」27.4%、「サングラス」23.1%、女性が「日傘」62.9%、「帽子」50.3%、「扇子、うちわ」34.1%となり、「帽子」で10.3ポイント、「扇子、うちわ」でも6.7ポイント女性が上回りました。

 いくつかのアイテムについて、詳しくデータをみてみましょう。女性トップの「日傘」は女性の全年代で半数以上、特に70代以上では7割超と圧倒的な支持を得ています。“日傘男子”という言葉が生まれるなど、近年は日傘を差した男性の姿を見かけるようになりましたが、全体では1割強、最高の40代でも15%台どまりです。とはいえ2023年の前回調査と比べると、女性との間に依然大きな差がありながらも6.1%→11.8%と倍増しています。同じく街中で使っている人をよく見かける「携帯扇風機など」は男性9.5%・女性21.4%と、こちらも女性が圧倒、特に女性20代28.7%を筆頭に50代以下で2割超となりました。男性は20・30代でも12%台にとどまり、意外と少ない印象です。男女差が6.2ポイントと、前述の2アイテムと比べて性差が小さい「ネッククーラーなど」は、女性40代20.6%など壮年・シニア層で高値となりました。長時間の外出では冷却効果が低下することはあるものの、首を直接冷やして冷涼感を得られることにメリットを感じるのでしょう。「若者は携帯扇風機」「壮年以上はネッククーラー」の傾向が見て取れ、興味深いところですね。

  • 家での暑さ対策は “クーラーシフト” が鮮明に

 次に、在宅時と就寝時の暑さ対策アイテムを見てみると(図表4)、両シーンともに「クーラー」「扇風機、サーキュレーター」「窓を開けて換気」がベスト3となりました。上位の顔ぶれは2年前の前回調査と同じですが、比率に着目すると変化を読み取ることができます。「クーラー」と「扇風機、サーキュレーター」の差は、前回が在宅時3.9ポイント・就寝時10.3ポイントだったのが、今回は在宅時13.8ポイント・就寝時21.2ポイントと、ともに10ポイント以上拡大しています。クーラーと扇風機を併用する人も一定数いるでしょうが、従来は扇風機のみで過ごしていた人が今年はクーラーを使うケースが増えているのかもしれません。前回と比べ、「窓を開けて換気」が在宅時7.1ポイント・就寝時6.8ポイント、また在宅時の「扇子、うちわ」が6.0ポイント、就寝時の「冷感素材などのシーツや寝具」が6.4ポイントそれぞれ低下しているのも、クーラー使用が増えたことに伴うことかもしれませんね。

  • クーラー設定温度は2年前より1℃低下したが…

 図表4で2年前と比べてクーラーの使用率が上昇していましたが、自宅でのクーラー設定温度は変化しているのでしょうか。日中と就寝時の温度を2023年の前回調査と比較したのが図表5です。今回調査で日中24.4%・就寝時27.8%と最多だったのは「27℃」となり、前回調査の「28℃」(日中26.0%、就寝時28.4%)より1度低下しました。この背景には、前回調査時は室内温度28℃を目安にするなどの「クールビズ」が提唱されていたことが関係しているのかもしれません。

 27℃を中心に前後の3温度帯(26~28℃)の合計をみると、前回が日中62.0%・就寝時64.6%だったのに対し、今回は日中68.9%・就寝時70.2%と約6ポイント上昇しています。片や25℃以下の合計をみると、前回の日中33.9%・就寝時28.9%から、今回は日中26.1%・就寝時22.7%へと低下しています。熱中症のリスクを考慮してクーラーの設定温度を下げたいと思う一方で、電気料金も気になる…というせめぎあいのなか、2年前には設定温度を低めにしていたが、今年は26℃以上に設定を変えた、という人も少なからずいるのかもしれません。

  • 夏バテ対策は “基本” をしっかり

 ここまで暑さ対策のアイテムについてみてきましたが、少し視点を変えて、夏バテ対策としてこの夏に実行しようと思っていることをたずねた結果が図表6です。63.5%と最多だったのが「こまめな水分補給」。これに「十分な睡眠」54.0%、「栄養バランスのよい食事」37.6%が続きました。上位3項目は夏バテ対策の「基本の“き”」ともと言えるものでしょう。「冷房を積極活用」30.5%に対し、「冷房に当たりすぎない」は21.7%と8.8ポイントの差がついたのは、猛暑を警戒してのことでしょうか。夏に避けがちな「入浴時に湯船につかる」や「温かい飲み物」「温かい食べ物」も、各23.5%・12.1%・10.9%と一定の支持を集めました。冷房による冷えや自律神経の乱れを防止・改善するために実行している人も多そうですね。男女別では、ほぼすべての項目で女性が上回るなか、「適度な運動」は0.6ポイントと僅差ながら男性が上回りました。また、各項目で50代以上の女性および70代以上男性が高値を示していますが、20代女性が「低めの冷房設定温度」が全年代で最高になったのは、冷えすぎ対策を含めてということでしょうか。

  • 猛暑・酷暑をどう乗り切る?

 最後に、暑さ対策や最近の暑さについて思うことなどを自由に書いてもらいました。クーラーは我慢しすぎず適度に使うほか、さまざまな工夫やアイテムが寄せられました。また、行動パターンを変えたり、近隣の公共施設や商業施設で涼をとる人も今年は増えそうです。猛暑・酷暑に対する懸念の声も多くみられました。今年の夏も全国的に厳しい暑さが続きそうですので、下記の回答も参考にしながら無理せず無事に乗り切りたいものです。

《 最近の夏の暑さに思うこと、暑さ対策で効果があったこと・試してみようと思っていることなど 》

【家での暑さ対策、クーラーはどう使う?】

● 最近サーキュレーターを購入した。ロフトで寝ており、クーラーがロフトの下にあるので、サーキュレーターを活用してクーラーの温度を昨年より高めに設定しようと思う(女性・20代)

● 昨年は冷房をなるべく使わないようにして脱水症状が出たので、今年は我慢せずに冷房を使用し、こまめに水分を取ることにする。(女性・50代)

● 遮熱カーテンはホントに凄いです!普通の布カーテンは太陽光でカーテン自体が熱かったものですが、遮熱カーテンは本当に日差しがこぼれてこない!(女性・50代)

● 冷房ばかりだと自律神経が悪くなるから、しっかりと湯船にはつかりたい。(男性・30代)

● 暑いときは洗面所に行く都度こまめに首や腕、胸や顔などを水で濡らすことで体感温度を下げるようにしている。(男性・60代)

【外出時の暑さ対策、どうしている?】

● 首にかけられる扇風機はダサいと思っていたが、両手が塞がらないので、今年購入してしまった。(女性・40代)

● クールネックは首に負担がかかると思っていたが、使ってみると快適で外出時は手放せない。(女性・60代)

● 今まで日傘を使ったことがなかったが、パートナーが利用しており中に入れてもらった時、暑さがかなり変わったので、屋外に出る際は日傘を持ち歩こうと思う。(男性・20代)

● 夏場は無香料のメントール入りデオドラントスプレーを愛用している。香りがついているものだと服に香りが残って不快だし、汗のニオイと混じるのもイヤ。特に出勤前、休憩後などでよく使っている。(男性・30代)

● 去年薄手のパーカーを着てみたところ意外と暑くなく、直射日光を避けることの効果を実感した。(男性・50代)

● 今年はついに空調服を購入し、買い物に行くときにも使うつもりでいる。(男性・70代以上)

【生活パターンを変える・近所で“避暑”】

● 真昼の外出は控えて、朝または夕方の陽が落ちた頃買い物へ行く。(女性・60代)

● 家庭菜園の手入れがあるので明るくなったら畑仕事、7時30分には家に帰る。水分補給は頻繁にする。夕方は4時以降に畑に行く。疲れたら車のクーラーで休憩する、を心がけています。(女性・70代以上)

● 外出して家で特に用事がなければ目的地で降りずにそのまま電車に留まり、何往復かしています。(男性・40代)

● 在宅時間を短くし、図書館等の公共施設やショッピングセンターの滞在時間を増やそうと思う。(男性・50代)

【食事、飲み物の工夫】

● 毎年手作りの梅シロップを作っていて、水や炭酸水で薄めたところに少し塩を足して熱中症予防に飲んでいる。おいしくて塩分と水分とクエン酸を補給できて一石二鳥。(女性・50代)

● とにかく無理やりでも暖かいものを食べる事。冷たいものは胃を冷やして体力消費するからかえって疲れるので極力食べない。(男性・50代)

【夏の暑さの変化に感じること】

● 実家がお米を作っているが、田植えや稲刈りの時期がどんどん早まっています。30℃が当たり前のように言いますが、子供の頃に30℃ってあったかな…と思います。(女性・40代)

● 暖かい冬と夏の二季になってしまった。もう快適に過ごせる夏は来ないと思う。(男性・60代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「暑さ」に関する意識調査を実施。

期間:2025年6月26日~27日、インターネットで4,000人から回答を得ています。

株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/ 

メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。

From プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html (バックナンバーもご覧になれます)

株式会社プラネットが発信しているニュースレターです。消費財や暮らしに関する旬なトピックスなどをご紹介しています。

本件に関するお問い合わせ先

今リリースに掲載していない結果や属性データのご紹介や、当社担当者が解説を差し上げることもできます。

株式会社プラネット 経営管理ユニット

E-mail : koho-pr@planet-van.co.jp

今、あなたにオススメ