〜声を上げなくても届く、産後ケアのインフラを作る〜
Aria Rika株式会社のプレスリリース
Aria Rika株式会社(本社:神奈川県真鶴町、代表取締役:勝山仁美、以下「当社」)は、神奈川県が主催する「かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(KSAP)令和7年度シード編」に採択されたことをお知らせいたします。
背景
産後の母親の約8割が、乳房の痛みや母乳の分泌異常などの授乳トラブルに直面しています。これらが適切にケアされないと、産後うつ(発症率10.2%)や早期離職といった問題に発展し、さらに授乳中断によって乳児の呼吸器感染による入院リスクも約72%高まることが報告されています。
にもかかわらず、日本では「授乳はできて当然」とする風潮が根強く、多くの母親が相談できずに孤立しています。今求められるのは、声を上げなくても自然につながれる、そんな予防的な産後ケアです。
提供価値
当社では、国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)によるオンライン授乳サポートを提供しています。IBCLCは、哺乳技術の改善や分泌異常の予防に加え、職場復帰支援なども行える専門性の高い資格です。海外では、IBCLCの支援を受けた母親は母乳育児の継続率が2.5倍に高まり、授乳支援を導入した企業では復職後の定着率が94%に達した事例もあります。
仕組みと連携
「母親の移動ゼロ・待ち時間ゼロ・ママ友のような気軽さ」をコンセプトに、双方向的なコミュニケーションを重視したオンラインサポートを設計しています。さらに地域の産婦人科と連携し、出産前から関係を築いたり、入院中にサービス案内を行う仕組みも構築しています。これにより、利用者は支援を「自ら探しに行く」のではなく、日常の中で自然につながることが可能になります。
KSAPでの今後の取り組み
本プログラムでは、以下の取り組みを通じて、社会実装に向けた仮説検証を行っていきます。
1. ユーザー理解
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現状の「声の上げづらさ」「支援へのつながりにくさ」の構造やニーズの多様性を明らかにするため、母親本人だけでなく、産婦人科医・助産師など多様なステークホルダーへのヒアリングを実施します。
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サービス利用時の心理的・物理的ハードルを可視化し、定性的・定量的に分析します。
2. ステークホルダーとの連携
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県内の産婦人科・自治体・企業との対話機会を作り、将来的な協業の可能性を広げていきます。
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たとえば自治体とは、母子手帳アプリや保健師訪問といった既存の産後ケアとの補完関係を検討します。企業とは、産後の離職防止を切り口に、福利厚生としての導入可能性を探ります。
3. PoCとKPIの設計
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KPIとして、授乳継続率・産後うつリスクの低減効果・復職率の向上効果などの指標を設定しつつ、現実的に自社でどの程度正確な評価が可能かを検証します
KSAP(かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム)について
神奈川県が主催する、社会課題解決と事業成長の両立を目指すスタートアップ向けの実装に向けた検証支援プログラムです。専門家による伴走支援に加え、神奈川県との連携機会が提供され、顧客の課題を把握し、その課題に最適な解決方法を見つけるまでを後押しします。
公式サイト:https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0604/startuphub/
Aria Rika株式会社について
Aria Rika株式会社はIBCLCによる授乳支援サービスを開発・運営し、産婦人科・保険会社等と連携しながら産後ケアサービスを提供するスタートアップ企業です。今後も当社は、医療機関・自治体・企業と連携し、「声を上げなくても支援が届く」産後ケアの新しいインフラを構築してまいります。
■会社情報
会社名 Aria Rika株式会社(商号カナ:アリアリカ)
所在地 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴451-10 月光堂ビル
代表者 代表取締役社長 勝山仁美
設立日 2024年7月
サービスHP https://aria-rika.com/lacco
■お問い合わせ先
info[at]aria-rika.com
※[at]を@に変えてメールをお送りください
■参考文献
日本母性衛生学会誌, Vol.55 No.2, 2015
日本産婦人科医会「産後うつ・母親のメンタルヘルス」(2020年)
U.S. Preventive Services Task Force(2016)
American Academy of Family Physicians(2008):
Yıldız et al., 2022, Systematic Review(PubMed ID: 35460745)
Department of Health and Human Services(womenshealth.gov)