昼休憩中の仮眠はOK?管理職×非管理職の基準の違いを調査 -「休憩の取りやすさ」、「残業時間の捉え方」についての調査を実施 -

残業時間を「多い」と感じるラインに管理職との意識ギャップが明らかに

MENTAGRAPH株式会社のプレスリリース

MENTAGRAPH 株式会社(本社:東京都中央区、JT 100%連結子会社)は、22~65歳の全国のビジネスパーソン1,800人(管理職900名・非管理職900名)を対象に、仕事中の休憩の取りやすさ、残業時間の捉え方に関する実態調査を実施しました。本調査では、管理職は休憩中の仮眠に相対的に抑制的、非管理職は寛容という傾向に加え、周囲の目や上司のふるまいが休憩行動のブレーキとなる職場文化の課題、そして「どこから残業か」という残業ラインの基準ズレが明らかになりました。

上司の前だと休みづらい…?仕事中の休憩が取りづらい原因が明らかに。

 今回の調査では、仕事の際の休憩に対する満足度を調査しました。仕事時間中の休憩に対して、「満足」、「どちらかといえば満足」と回答した「満足層」は全体の57.6%で、管理職:58.0%/非管理職:57.1%という結果になり、役職によるギャップはありませんでした。「不満層」(「どちらかといえば不満」「不満」)についても全体16.7%で管理職16.6%/非管理職16.9%という結果になり、役職によるギャップは小さいことが分かりました。

 仕事時間中の休憩への不満層(「どちらかといえば不満」「不満」N=301)に対して、休憩が取れない理由を質問したところ、結果は全体の65.1%が「休憩を取る時間がない」と最多で、業務都合が主な原因でした。非管理職においては、「周りの目が気になる」29.6%や「上司が休んでいないから休みづらい」15.1%が相対的に高く、“見られ方”や上司のふるまいが取得の障壁になっている実態が見えました。制度面の要因(「会社の制度的に取ることができない」)は、管理職16.1%、非管理職15.1%と、いずれも一部にとどまりました。

 さらに「上司の休憩の取り方」、「部下の休憩の取り方」への考えについての調査では、「役職に関係なく平等に休憩は取るべき」という価値観には70.6%(当てはまる+やや当てはまる)が賛同する一方、「上司は部下から見えるところでは休憩を取るべきではない」には16.6%、「部下は上司から見えるところでは休憩を取るべきではない」には11.7%が賛同しており、“見える休憩”に対するためらいが少なからず残っていることがわかりました。
つまり、価値観としては「平等に休むべき」との合意が広がっているにもかかわらず、実際の行動段階では「周囲の目」や「上司のロールモデル」がブレーキとなり、休憩が取りにくくなる職場文化の摩擦が生じていることが示唆されています。

 昼休憩中の行為の許容度を「許せる/まあ許せる/少し許せない/許せない」の4択で質問したところ、最も許容度が高かったのは「スマホをいじる」84.3%(許せる49.0%+まあ許せる35.2%)という結果になりました。続いて「会社の外に出る」80.9%、「ネットサーフィン」77.6%、「タバコ休憩」75.8%、「寝る(仮眠)」73.0%という結果に。昼休憩中の仮眠(許容:73.0%)について、内訳を見ると管理職70.0%に対し非管理職76.0%で、非管理職が6.0ポイント高く寛容でした。反対に不許容(「少し許せない」+「許せない」)は管理職30.0%、非管理職24.0%と、管理職のほうが否定的な傾向が見られました。

 昼休憩という時間帯であっても、上司層は仮眠に慎重、現場は実利的に受け入れる構図が表れており、休養の取り方に関する価値観の差が、職場の“休み方”の意思決定にも影響している可能性が示唆されます。

残業「多い」の起点は20時間か40時間か―管理職と非管理職で分かれるラインとは

 今回の調査では、月の合計残業時間について、「多い」と感じる時間は何時間からなのか、を調査しました。全体では30時間が最多で23.8%が「多い」の起点に挙げましたが、内訳をみると分布が役職でずれることが明らかになりました。非管理職は20時間で「多い」とする人が24.1%と最も多く、次いで30時間(23.4%)、40時間(19.3%)の順になりました。これに対し管理職は40時間(24.7%)と30時間(24.1%)、続いて50時間(16.1%)という結果に。つまり、非管理職は早い段階(20時間台)で「多い」と判断し、管理職は遅い段階(30〜40時間台)まで許容する傾向がわかりました。

「20時間以下で多い」とする割合は非管理職38.7% ・管理職21.2%。一方で、「40時間以上で多い」とする割合は管理職54.7% ・非管理職37.9%で、管理職側の許容範囲が遅い傾向がわかります。

このギャップは、同じ残業時間でも現場は早めに「過多」と捉え、上司はまだ許容範囲と見る場面が生まれやすいことを意味します。「休憩」や「残業」に対する、管理職と非管理職における細かな認識ギャップをすり合わせることが、企業内での無理のない休憩設計と残業の抑制につながります。

調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2024年12月3日〜12月17日
分析期間:2025年8月1日~8月15日
調査対象者:22〜65歳のビジネスパーソン1,800人(管理職900人・非管理職900人)


MENTAGRAPH株式会社について

MENTAGRAPH株式会社は、働く人の心を可視化し、職場全体の適切な休憩取得を推進と、最適なマネジメントを支援する「Mental Batteryサービス」をBtoB向けに展開する企業です。日本たばこ産業(JT)のコーポレートR&D組織「D-LAB」から誕生し、「心の豊かさ」を軸にストレスや疲労の見える化を通じた“心のケア改革”を推進しています。

主力プロダクトは、装着型センサー「mentoring」、アプリによる休憩レコメンド、ダッシュボードによる組織全体のストレス状態の管理などで構成される「Mental Battery」サービス、これにより、従業員の疲労やストレスをリアルタイムで数値化し、適切な休憩タイミングを可視化。管理職・人事は組織的なケアに活用可能です。

従来のストレスチェックでは補えなかった“継続的かつ高精度な計測”を実現し、従業員満足度・業務効率・チームパフォーマンスの向上へとつなげます。企業文化として「休憩を取ること」が自然となる社会の実現を目指しています。

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