【子どもや若年層の睡眠は黄色信号】1万人の睡眠実態調査『nishikawa 睡眠白書 2025』9月3日「秋の睡眠の日」に公開

10代〜20代に“社会的時差ボケ”の懸念、小〜高校生の8割以上が平日に睡眠不足ビジネスパーソンの睡眠は勤務形態が影響!?

西川株式会社のプレスリリース

西川株式会社(本社:東京都中央区日本橋 代表取締役社長:菅野 達志、以下nishikawa)では、「日本睡眠科学研究所」監修のもと、1万人の睡眠実態を追った『nishikawa 睡眠白書 2025』 を9月3日(水)の「秋の睡眠の日」にホームページで公開します。『nishikawa 睡眠白書』は2018年より毎年発表し、今年で8年目です。子ども(小学生・中学生・高校生)、成人、高齢者のライフステージごとや、都道府県別、勤務形態別などで睡眠実態を掘り下げ、また、平日の睡眠負債と休日の寝だめから生じる「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」にフォーカスした調査も実施しました。

『nishikawa 睡眠白書 2025』全文公開(9月3日公開) 

https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/hakusyo/

【調査結果トピックス】

①    睡眠負債の代償か、「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」の実態

若年層(10〜20代)の「ソーシャルジェットラグ」が顕著に大きく、体内時計の乱れが懸念される結果に。就学児では学年が上がるほどその傾向が増大し、高校生は2時間のズレがみられました。

② 子ども(小〜高校生)の睡眠不足が顕著に、ライフステージごとの睡眠実態

厚生労働省「健康づくりの睡眠ガイド2023」 (※1)が推奨する適切な睡眠時間の目安と実際の調査結果を比較すると、子ども(小〜高校生)は、平日は8割以上、休日も高い割合で適正な睡眠時間がとれていないことが明らかになりました。

③ 睡眠時間が最も長い県は?都道府県別睡眠時間ランキング

平日のトップは「岩手県」7時間40分、最下位は「福井県」6時間35分。

休日のトップは「熊本県」8時間11分、最下位は「高知県」7時間9分。

④ 枕は快眠への第一歩!睡眠の質向上のためのアイテム

実際に使って改善効果があったアイテムの1位は「枕」、「機能性ドリンク」も上位にランクイン。

今後購入・取り入れたいアイテムは「オーダーメイド枕」が1位となり、「リカバリーパジャマ」にも期待が寄せられました。

⑤ 睡眠不足による経済損失は深刻課題、ビジネスパーソンの睡眠実態

勤務形態別の比較では、「フレックスタイム制」の人の、睡眠の質 満足度が最下位。勤務時間管理の自由度の高さが結果的に生活リズムの乱れを招く可能性がみられ、「ソーシャルジェットラグ」も2時間のズレと一番大きい結果となりました。

【睡眠不足による仕事のミスTOP5】

❶やるべきことを忘れる 

❷入力ミスや書き間違い 

❸作業や操作ミス 

❹仕事中の居眠り 

❺聞き間違い

<調査方法>    

調査概要: 日本人の睡眠に関する意識・満足度調査               

調査手法: WEBパネル調査
調査時期: 2025年7月4日(金)~7月5日(土)

調査対象者: 全国の18歳~79歳の男女

回収サンプル数:

基本調査対象10,000人 ※居住地別・性年代別人口構成比に合わせて聴取
本調査対象 3,000人 ※基本調査1万人のうち、性年代別人口構成比に合わせて聴取
調査会社: 株式会社クロス・マーケティング

(※1)厚生労働省「健康づくりの睡眠ガイド2023」 www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html

日本睡眠科学研究所の総評

当研究所では2018年から毎年、「日本人の睡眠実態」について、幅広い年代・職種の方1万人を対象に、大規模な調査・分析を行い、秋の睡眠の日・9月3日に合わせて結果を発表しています。

今回の調査結果において、特に注目すべきは、10~20代を中心とした「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」の深刻化です。高校生では2時間ものズレが確認され、学年が上がるにつれてリスクが増大する傾向にあります。この現象は、現代社会における生活リズムの乱れが若い世代の健康基盤を脅かしていることを示しています。

さらに、厚生労働省の推奨睡眠時間と実態の比較では、小~高校生の8割以上が平日に適正な睡眠時間を確保できておらず、休日でも高い割合で睡眠不足が続いています。この状況は、成長期にある子どもたちの身体的・精神的発達に長期的な悪影響を与える可能性が懸念されます。

また、ビジネスパーソンの睡眠不足は、記憶力の低下、ミスの増加、生産性の低下を引き起こし、経済損失という形で社会全体に波及しています。これは個人の健康問題だけでなく経済社会への影響として捉える必要があります。

一方で、オーダーメイド枕やリカバリーパジャマなど、睡眠の質向上に対する関心の高まりも確認されており、問題解決への意識と期待が存在することも明らかになりました。

本調査結果は、睡眠問題を個人の課題としてのみでなく、教育、労働、公衆衛生の観点から包括的に取り組むべき社会課題として認識する必要があることを示唆しています。

nishikawaの研究機関「日本睡眠科学研究所」について

 日本睡眠科学研究所は、人間の睡眠生理の解明やより良い睡眠環境の開発を目指し、寝具業界としては先駆けとなる研究所として、1984年に設立しました。企業・大学・研究機関とも協力して様々な研究活動を推進。その結果は、nishikawaの数々の画期的な寝具や寝環境の開発に活かされ、睡眠の質の向上に貢献しています。

調査結果トピックス 詳細

①「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」実態

「ソーシャルジェットラグ」は、2006年にドイツの時間生物学者Roenneberg(ローエンバーグ)らが提唱した、平日の社会的な時間と、休日や自由な時間に体が求める生物学的な時間との間に生じるズレを指します。平日の睡眠中央時刻(就寝から起床までの時間の中央値)と休日の睡眠中央時刻の差(絶対値)として算出され、「平日の睡眠リズム」と「休日の睡眠リズム」の間に生じるズレが体内時計を乱し、健康への悪影響が懸念されています。

若年層(10〜20代)の「ソーシャルジェットラグ」が顕著に大きく、体内時計の乱れが発覚

成人においては、若年層ほど「ソーシャルジェットラグ」が顕著に大きく、10代の平均は2時間半、20代でも2時間のズレがみられました。また、睡眠満足度との比較では、全体・長さ・質の全てで、満足度が低い人ほど「ソーシャルジェットラグ」が大きくなり、平日の睡眠不足を休日の寝だめで解消しようとすることが、体内時計の乱れに繋がっていると推察されます。

ライフステージ別のソーシャルジェットラグ

子ども(小学生~高校生)の「社会的時差ボケ」は、学年が上がるほど増大傾向

子ども※の「ソーシャルジェットラグ」は、学年が上がるにつれて顕著に増大する傾向があり、小学校低学年の30分から、中学生で約1時間半、高校生では2時間へと急増しています。また、成人同様に、睡眠満足度が低い子どもほど「ソーシャル ジェットラグ」が拡大しています。思春期特有の体内時計の夜型化、朝の部活動や夜間の塾などの社会的なスケジュールの影響もあり、リズムの乱れが深刻化していることを示唆します。

※親から見た子どもの睡眠時間によって算出

子どものソーシャルジェットラグ

② ライフステージごとの睡眠実態

厚生労働省「健康づくりの睡眠ガイド2023」(※1)の指針では、ライフステージごと(成人、こども、高齢者)に適正な睡眠時間の確保が推奨され、高齢者は床上時間が8時間以上にならないこと、成人は6~8時間、小学生で9~12時間、中学・高校生)で8~10時間を適正な睡眠時間の目安としています。今回の調査では、平日と休日・祝日の睡眠時間を聴取し、ライフステージ別に比較しました。

子ども(小学生~高校生)の多くが睡眠不足!平日は8割以上、休日も高い割合で適正な睡眠時間をとれていない

適正な睡眠時間をとれていない人の割合は、高齢者で平日約30%(休日・祝日は約38%)、成人では平日約26%(休日・祝日は約31%)でした。

一方、子ども(小学生~高校生)※は適正な睡眠時間をとれていない割合が平日約87%、特に高校生は約93%と最も高く、休日も高い割合となり、睡眠不足な子どもが多いことが明らかになりました。学校がある平日の睡眠時間は、小学生で6〜8時間、中〜高校生で6〜7時間の割合が高いです。

※親から見た子どもの睡眠時間

【適正な睡眠時間をとれていない人の割合】

ライフステージ別の適正な睡眠時間をとれていない人の割合

(※2) 高齢者の推奨睡眠時間は5~7時間とする(Association Between Daily Sleep Duration and Risk of Dementia and Mortality in a Japanese Community,2018)

ライフステージ別の平日の睡眠時間
ライフステージ別の休日の睡眠時間s

③ 都道府県別睡眠時間ランキング

平日のトップは「岩手県」7時間40分、最下位は「福井県」6時間35分

休日のトップは「熊本県」8時間11分。最下位は「高知県」7時間9分

休日と平日の睡眠時間のギャップは全国平均およそ30分程度。ギャップが最も大きかったのは「秋田県」で44.6分差でした。

また、平日の平均睡眠時間は40都道府県で7時間台となり、その中で主要都市の「東京都(7時間6分)」・「大阪府(7時間4分)」・「愛知県(7時間2分)」は7時間台でも下位の睡眠時間でした。

平日の平均睡眠時間 都道府県ランキング 
休日の平均睡眠時間 都道府県ランキング

④ 睡眠の質向上のためのアイテム

実際に取り入れて改善効果があったアイテムのトップは「枕」、機能性ドリンクも上位に

全体では「枕」が39.4%で最も高く、次いで「マットレス」が23.1%で続きました。睡眠の質向上が期待される乳酸菌やGABAなどの機能性ドリンクも上位に挙がり、手軽に試せる機能性表示食品という新たな選択肢が定着しつつあると推察されます。

質問:直近2~3年で睡眠の質を高めるために新しく購入・取り入れ、睡眠の質が改善したものはありますか。

【新しく購入・取り入れたものがあると回答した人の中の割合】

実際に取り入れて改善効果があったアイテム

今後購入・取り入れたいアイテムのトップは「オーダーメイド枕」、注目を集める「リカバリーパジャマ」への期待も

【実際に取り入れて改善効果があったアイテム】では「枕(既製品)」がトップでしたが、【今後購入・取り入れたいアイテム】ではさらに踏み込んだ「オーダーメイド枕」が31.3%でトップとなりました。また、この2つの調査結果から、睡眠環境を改善するアイテムとして、「枕」>「マットレス」の意識があると推察されます。「リカバリーパジャマ」は6位に位置し、昨今の注目度合いが反映されているものと考えられます。

質問:直近2~3年で睡眠の質を高めるために今後購入・取り入れたいものはありますか。

【今後購入したい・取り入れたいものがあると回答した人の中の割合】

今後購入したい・取り入れたいアイテム

⑤ ビジネスパーソンの睡眠実態

睡眠不足による日本の経済損失は年間約20兆円と言われ(※3)、経済活動に影響を与える深刻な課題となっています。今回の調査では、ビジネスパーソンの睡眠実態を勤務形態別に比較しました。

(※3)RAND CORPORATION 「Why Sleep Matters: Quantifying the Economic Costs of Insufficient Sleep」2016(2024年為替で換算)

勤務形態別の睡眠:「フレックスタイム制」は時間管理の自由度の高さが睡眠に悪影響!?

睡眠の質に「満足している」の割合は下記の順に高い結果となりました。

固定時間制 ≧ 裁量労働制 > テレワーク > 交代勤務制・シフト制 > フレックスタイム制

「固定時間制」は毎日決まった時間に就寝・起床するリズムが確立されやすく、体内時計が安定しやすいです。一方、「交代勤務制・シフト制」は不規則な勤務が直接的に睡眠の質を低下させていると考えられます。「満足している」が23.7%で最下位の「フレックスタイム制」は、一見柔軟な働き方であるも、時間管理を自分自身で行う自由度の高さが結果的に生活リズムの乱れに繋がっていると推察されます。

また、「ソーシャルジェットラグ」の調査においても、「フレックスタイム制」が一番大きい2時間のズレがみられました。

勤務形態別の睡眠満足度
勤務形態別ソーシャルジェットラグ

睡眠不足で仕事のミスをしたことがある人は4割以上、企業の生産性低下のリスクあり

全体の43.1%が「睡眠不足でミスをしたことがある」と回答。この結果は、睡眠不足が個人の健康問題にとどまらず、企業の生産性にも影響を与えていることを示しています。

【睡眠不足による仕事のミス TOP5】

1位「やるべきことを忘れる」 

2位「入力ミスや書き間違い」 

3位「作業や操作ミス」 

4位「仕事中の居眠り」 

5位「聞き間違い」

勤務形態別にみると、「睡眠不足でミスをしたことがある・計」では「固定時間制」が4割であるのに対し、「フレックスタイム制」や「裁量労働制度」は5割台と、睡眠不足によるミス経験率が高いです。このことから、柔軟な働き方が進む中で、自身の裁量が大きいことがかえって生活リズムを乱し、睡眠不足を招くリスクが考えられます。

世界共通の不眠判定方法「アテネ不眠尺度」との比較では、中等度不眠症の可能性がある人は7割強が睡眠不足によるミスを経験しており、特に「やるべきことを忘れる」「作業や操作ミス」が高いです。睡眠の質の向上は業務上のミスを減らし、企業の健康経営にも貢献する重要な要素であるといえます。

勤務形態別とアテネ不眠尺度別の睡眠不足による仕事のミス

〈 お客様からのお問合せ先 〉

nishikawaお客様相談室 

[TEL.] 0120-36-8161(受付時間:平日10:00〜17:00) 

[WEB] https://www.nishikawa1566.com/

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