アッヴィ、ウパダシチニブについて円形脱毛症を対象に評価した第Ⅲ相UP-AA試験における、良好な結果を発表

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、ウパダシチニブ(リンヴォック(R))について、円形脱毛症を対象に評価した第UP-AA試験における、良好なトップライン結果を発表

 
ー ウパダシチニブ(リンヴォック(R))について、頭部の脱毛面積が50%以上の円形脱毛症患者を対象とした第III相UP-AA臨床試験プログラムのStudy 2において、24週時に頭部全体の毛髪面積が80%以上[Severity of Alopecia Tool (SALT)スコア20以下と定義]に達した重症の円形脱毛症患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群およびウパダシチニブ30 mg群でそれぞれ44.6%および54.3%であり、主要評価項目を達成1
ー 24週時における眉毛および睫毛の改善、頭部全体の毛髪面積90%以上(SALTスコア10以下)の達成、および、頭部全体の完全な発毛(SALTスコア0)含む主要な副次評価項目を達成1
ー 円形脱毛症における安全性プロファイルは、承認済みの適応症における安全性プロファイルと概ね一致し、本試験では新たな安全性上の懸念は認められなかった1
ー 第III相UP-AA臨床試験プログラムにおいて、同一のデザインで並行して実施している試験(Study 1)の結果も、2025年第3四半期に得られる予定
 
イリノイ州ノースシカゴ、2025年7月30日(米国時間)―アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、第III相UP-AA臨床試験プログラムにおける2つのピボタル試験のうちの1つ(Study 2)について、良好なトップライン結果を発表しました。Study 2では、ベースライン時の平均SALTスコア83.8(頭部全体の毛髪面積が約16%)であった重症(頭部の脱毛面積が50%以上)の成人および青少年の円形脱毛症(以下、AA(Alopecia Areata))患者さんを対象として、ウパダシチニブ(リンヴォック(R)、15 mgおよび30 mg、1日1回投与)の有効性および安全性を評価しました1
 
Study 2では、ウパダシチニブの両投与群で主要評価項目が達成され、24週時に頭部全体の毛髪面積が80%以上(SALTスコア20以下)に達した患者さんの割合は、プラセボ投与群の3.4%と比較して、ウパダシチニブ15 mg投与群およびウパダシチニブ30 mg投与群でそれぞれ44.6%および54.3%でした(p<0.001)1
 
アッヴィのvice president兼global head of immunology clinical developmentであるKori Wallace, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「AAは、しばしば美容上の問題と誤解されますが、全身性の免疫介在性疾患であり、頭部、眉毛および睫毛などに完全な脱毛を引き起こすことがあります。AAと共に生きる人々にとって疾患を管理することは困難であり、生活の質に重大な影響を及ぼす可能性があります。UP-AAは、頭部の完全な毛髪再生を示すSALTスコア0という厳格な基準を副次評価項目として設定し、満たした初のピボタルプログラムです。今回のデータは、免疫介在性疾患を有する患者さんの生活を改善する可能性のある新たな治療薬の開発を推進するという当社の取り組みを示すものです」
 
24週時に頭部全体の毛髪面積が90%以上(SALTスコア10以下)に達した患者さんの割合は、プラセボ群の1.4%と比較して、ウパダシチニブ15 mg群およびウパダシチニブ30 mg群でそれぞれ36.0%および47.1%でした(p<0.001)1。ウパダシチニブの両投与群で24週時に達成されたその他の主要な副次評価項目には、眉毛および睫毛に改善が認められた患者さんの割合や、頭部全体の完全な発毛(SALTスコア0)が認められた患者さんの割合がありました1
 
ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウィメンズ病院皮膚科の准教授兼治験・イノベーション担当バイスチェアであるArash Mostaghimi, M.D., M.P.A., M.P.H.は次のように述べています。「突発的でしばしば予測不可能な脱毛は、AAと共に生きる人々の自尊心や精神的な面で深刻な影響を及ぼす可能性があります。頭髪および頭部以外の毛髪再生を促す治療法が早急に求められています。今回の結果は、ウパダシチニブが重要な治療選択肢となり得る可能性を示すものであり、心強く思います」
 
24週間のプラセボ対照期間(A期)において、ウパダシチニブの安全性プロファイルは、両投与群ともに、承認済みの適応症で認められた安全性プロファイルと概ね一致していました1。試験治療下で発現した重篤な有害事象はウパダシチニブ15 mg群および30 mg群でそれぞれ1.4%および2.8%の患者さんに認められ、プラセボ群では認められませんでした1。試験治療下で発現した有害事象(TEAE)による中止は、ウパダシチニブ15 mg群および30 mg群ではそれぞれ0.7%および1.4%の患者さんに認められ、プラセボ群では認められませんでした1。特に高頻度に認められたTEAEは、ざ瘡、上咽頭炎および上気道感染でした1 。重篤な感染症の報告頻度は低く、ウパダシチニブ15 mg群で0.7%、ウパダシチニブ30 mg群で1.0%で、プラセボ群では報告されませんでした1。判定された主要心血管事象(MACE)、悪性腫瘍および死亡は報告されませんでした1。ウパダシチニブ15 mg群で複数の危険因子を有する患者さん1名において、判定された静脈血栓塞栓症1件が報告されました1
 
AAに対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性については規制当局の評価を受けていません。
 
UP-AA臨床試験プログラムについて
UP-AA M23-716は、単一の治験実施計画書に従って同一のデザインで実施される2つのピボタル試験(Study 1およびStudy 2)で構成されています。2つの試験は、無作為化、治験実施施設、データ収集、解析および報告に関して互いに独立しています。この2つの第III相、プラセボ対照、二重盲検試験では、重症(頭部の脱毛面積が50%以上)の円形脱毛症を有する成人および青少年の患者さんを対象としてウパダシチニブの有効性および安全性を評価します。Study 1およびStudy 2のA期では、患者さんを24週間、ウパダシチニブ15 mgを投与する群、ウパダシチニブ30 mgを投与する群またはプラセボを投与する群のいずれかに無作為に割り付けます。Study 1およびStudy 2のB期では、A期でウパダシチニブ群に割り付けられた患者さんは、28週間同じ治療を継続します。A期でプラセボ群に割り付けられた患者さんは、B期では、24週時のSALTスコアに基づき、プラセボの継続投与を受けるか、2つのウパダシチニブ投与群のいずれかに割り付けられます。Study 1およびStudy 2のA期とB期を合計すると、その期間は52週間に及びます。Study 1またはStudy 2を完了した患者さんはStudy 3に参加することができ、最大108週間にわたってウパダシチニブの2つの用量のいずれかの投与を受ける群に再度無作為に割り付けられます。この2つの試験では、世界各地の248施設で12~64歳の重症(頭部の脱毛面積が50%以上)の円形脱毛症患者さん1,399名を無作為割付けしました。本試験に関する詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT06012240)に掲載されています。
 
リンヴォック(R)(ウパダシチニブ)について
アッヴィの科学者が発見し開発したリンヴォックはJAK阻害剤であり、複数の免疫介在性炎症性疾患を対象に研究が進められています。ヒト白血球の細胞アッセイにおいて、リンヴォックはJAK2/JAK2を介したSTATリン酸化よりも、JAK1およびJAK1/JAK3を介したサイトカイン誘導による STATリン酸化をより強力に阻害しました2。特定のJAK酵素の阻害が、治療効果と安全性にどのように関連しているかは現時点では明らかとなっていません。
 
現在、ウパダシチニブ(リンヴォック)は円形脱毛症、化膿性汗腺炎、高安動脈炎、全身性エリテマトーデスおよび尋常性白斑を対象とする第III相試験が進行中です3,4,5,6,7
 
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。LinkedInFacebookInstagramX(旧TwitterYouTubeでも情報を公開しています。
 
References:
1.AbbVie. Data on file ABVRRTI81456.
2.RINVOQ [Package Insert]. North Chicago, IL: AbbVie Inc.; 2025.
3.A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Participants with Takaysu Arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04161898. Accessed January 15, 2025.
4.Program to Assess Adverse Events and Change in Disease Activity of Oral Upadacitinib in Adult Participants With Moderate to Severe Systemic Lupus Erythematosus (SELECT-SLE). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05843643. Accessed January 15, 2025.
5.A Study to Assess Change in Disease Activity and Adverse Events of Oral Upadacitinib in Adult and Adolescent Participants With Moderate to Severe Hidradenitis Suppurativa Who Have Failed Anti-TNF Therapy (Step-Up HS). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT05889182. Accessed January 15, 2025.
6.A Study To Assess Adverse Events and Effectiveness of Upadacitinib Oral Tablets in Adult and Adolescent Participants With Vitiligo (Viti-Up). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT06118411. Accessed January 15, 2025.
7.A Study to Evaluate the Safety and Effectiveness of Upadacitinib Tablets in Adult and Adolescent Participants With Severe Alopecia Areata (Up-AA). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT06012240. Accessed January 15, 2025.
 

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。