おしゃれなZ世代のヘアカラー事情から紐解く、ネガティブ要素を強みに変える新たな視点

【27人分のインタビュー内容をダウンロード可能】〜おしゃれなZ世代は色落ちさえも個性に変える。トレンドと自分らしさを操るセルフブランディング力に注目〜

一般財団法人日本ファッション協会のプレスリリース

ファッションやメイクと同様にその人の印象を左右する「ヘアカラー」。特にZ世代にとってのヘアカラーは、単なるおしゃれの工夫ではなく、“自分らしさ”や“今の気分”を映す、自己表現ツールのひとつと言えるでしょう。

季節やトレンドに合わせて変えたくなる一方で、誰かの真似ではなく「これが私らしい」と納得するヘアカラーを選びたい。そんな“自分軸”を大切にする感覚こそ、おしゃれなZ世代ならではの選択肢を生み出しています。

では、彼女たちは今どんな基準でヘアカラーを選び、どのようにヘアカラーと向き合っているのでしょうか?

本レポートでは、表参道で実施した街頭インタビュー調査(27名)をもとに、おしゃれなZ世代女性のヘアカラー事情を紐解き、そこから企業が学びたい示唆を見出します。単なる流行調査では見えてこない、彼女たちらしい柔軟性のある視点に迫ります。

調査目的

本調査では、おしゃれなZ世代女性のヘアカラー選びにおける価値観や傾向を明らかにし、色選びの基準から自己表現としての意味、ケア意識の実態に至るまでを立体的に捉えます。特に「今っぽさ」と「自分らしさ」のバランス、情報収集時に重きをおくポイント、ブリーチ後の変化など、おしゃれなZ世代ならではのインサイトを深掘りすることで、ヘアカラーを通じたセルフブランディングの実態と、そこから企業側が参考にすべきポイントを浮き彫りにし、今後の商品開発やコミュニケーション設計に活かせる具体的なヒントを導き出します。

調査概要

Z世代女性に対する街頭インタビュー調査

調査時期:2025年8月16日(土)

調査手法:街頭インタビュー調査

調査地点:表参道エリア

調査対象:当日、表参道を訪れたファッション感度の高いZ世代女性 27名

調査項目:今の自分のヘアカラーについての満足度と理由/25年秋のヘアカラーについて意識していることと理由ときっかけ/ヘアカラーの情報源/今後、どんな自分になりたい?目指している? など
調査実施機関:スタイルアリーナ(STYLE ARENA)

「いまのヘアカラーは好き?」満足度9割の裏にあった、トレンドと自分らしさの最適バランス

はじめに、「いまの自分のヘアカラーは好き?」と質問したところ、27人中25人(約93%)が「はい」と回答し、高い満足度が明らかに。続けて、そう思う理由を聞きました。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

おしゃれなZ世代は、トレンドをそのまま受け入れるのではなく、自分の気分やキャラクターに合った表現としてヘアカラーを選んでいます。つまり「自分らしい」と感じられるかどうかが、彼女たちにとって大切な選択基準になっているのです。

25年秋は“くすみ系”と“ナチュラル”が台頭。

次に「25年秋のヘアカラーについて、染めてみたいカラーがあれば教えてください。」と質問しました。

今回インタビューした彼女たちは、この秋は「くすみ系カラー」や「ナチュラルブラック」といったダークカラーが気になるようでした。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

「ブラウン」「オレンジ」などの肌なじみのよいカラーは、秋冬のコーディネートにも馴染むという点で人気を集めているようです。

一方で、こうした季節感に合うカラーを取り入れる際にも「自分に似合いそうか」を意識している人が多くみられ、単に色味のトレンドに流されるのではなく、自分の肌トーンや今の気分に合うかどうかを判断しているところは、おしゃれなZ世代ならではの傾向かもしれません。

このように、おしゃれなZ世代のカラー選びは、単なるトレンドフォローではなく「自分にしっくりくるか」という感覚に根ざしたものであり、各自の“自己表現”の一部として機能していることがうかがえます。

“とりあえずSNS”の先にある、“今の”自分にフィットするかの選別眼

続いて「25年秋のヘアカラーについてそう思うきっかけとなった情報源」について聞いてみました。

ヘアカラーに関する情報を集める際、SNSで検索する人が大多数の結果となりました。特にInstagramとTikTokの併用が主流で、ショート動画や美容師が投稿している実際のヘアカラーのビフォーアフター動画を通して、自分に似合いそうな色やスタイルのヒントを探している傾向が見られます。SNSに続いて「ロールモデル」という回答が多いことからも分かるように、ただ誰でも参考にするわけではありません。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

これらのコメントのように、“誰を見るか”へのこだわりが強いのも特徴です。トレンドを追うばかりではなく、あくまで“今の自分”に合う選択肢を、SNSの中から選び取ろうとする姿勢が見て取れました。

また、美容室を予約する前の行動として「Instagramで好みのカラーが得意そうな美容師さんを探すことから始める」という声もあり、美容師自身の発信が意思決定に直結していることも明らかになりました。SNSは「なんとなく見る」場所であると同時に、「失敗したくないからこそ、納得して選ぶ」ための重要なフィルターにもなっているのです。

ハイトーンは色落ち前提。ブリーチと“どう付き合うか”さえ楽しむおしゃれなZ世代

今回の街頭インタビューを通して、おしゃれなZ世代の中にはヘアカラーを選ぶ際に、カラー直後の美しさだけでなく「色落ちの過程」までを見越して選んでいる様子がうかがえました。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

ブリーチをした髪の毛は、通常よりもヘアカラーが落ちやすいことを前提に考えている人が多く、褪色をネガティブに捉えない柔軟な感性が表れています。また、美容師に対しても「次にやりたい色のベースになるようにしてほしい」「色落ちを加味して提案してくれて発見になった」といった要望や感謝の声が多く、ブリーチをする選択は自己表現の一部として積極的に取り入れられていることがわかります。

一方で、ハイトーンやブリーチの経験がある人ほど、ケアの重要性を実感している傾向も見られました。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

ブリーチによるヘアダメージに対して、前向きに対策を取るZ世代の姿勢がうかがえます。また、髪の毛に負荷をかけて無理に理想を実現することよりも、ヘアケアを優先する期間を設けるなどして自身の状態を客観的にみれているところもポイントです。

色落ちやダメージといったブリーチ特有の課題と、理想のヘアカラー。その間で、おしゃれなZ世代は自分なりの“ちょうどいい”バランスを探りながら、ヘアカラーと真摯に向き合っているようです。

トレンドよりも、自分らしさ。客観力の強さがカギ

今回街頭インタビューで多く聞こえてきたのは、「似合っているか」「今の気分っぽいか」などに合わせて色を選ぶという声。ヘアカラーは単なるイメージチェンジではなく、“今の自分らしさ”を表現する重要な手段となっているということです。

ご協力いただいた対象者様のコメントを一部ご紹介

中には「仕事や学校では明るい色が難しいけど、その中でも自分らしさを出している」と語る人もおり、許される範囲で最大限の自己表現をしている様子がうかがえます。

加えて周りにハイトーンの子が多いから、あえて暗めのままのカラーにすることで差別化をしていたり「夏は明るめにしたいけど、トレンドより自分に似合うかで選んだ」といった声もあり、“トレンドに乗る”よりも“自分らしさを優先する”意識が強い印象です。

おしゃれなZ世代は、ヘアカラーの選択に「誰かの真似ではなく、自分に似合う」という納得感を重視しており、いかに自分のことを客観的に捉える力が長けているかがわかります。美容師に相談しながらも、自分に本当に似合うかどうかを冷静に判断する。この過程があるからこそ、今のヘアカラーに満足している人が多いと言えるのではないでしょうか。

おしゃれなZ世代が優先するのはセルフブランディング。柔軟性から学ぶ新たな視点にこそヒントあり

Z世代にとって、ヘアカラーは単なる“おしゃれ”の手段ではなく、「自分らしさを可視化するための表現」であることが、今回の調査から明らかになりました。ヘアカラーは一過性のトレンドよりも「自分に似合うかどうか」「自分らしいか」といった内面の意思を最優先にしており、いわば“セルフブランディング”として機能しているのです。

さらに、色落ちや変化を“ネガティブな劣化”ではなく、“新たな表現との出会い”と捉える柔軟さを持っています。ここから言えることはヘアカラーに限らず、企業が「ネガティブ」と捉えていることが彼女たちにとっては「逆にちょうどいい」なのかもしれないということ。

今後こういった新たな視点は、多様性と自身らしさを優先するおしゃれなZ世代に支持されるための重要なヒントになると言えます。固定観念をリセットする柔軟さこそが、彼らとの距離を近づける第一歩になるといえるでしょう。

▶︎今回の街頭インタビューの【27人分のインタビュー内容】をこちらからダウンロードいただけます

PR・商品開発ご担当者様へ

スタイルアリーナでは、引き続きZ世代の美容・ファッションに関するリアルトレンドを追いかけ、マーケティングや商品開発のヒントとなりうる調査を実施していきます。

今回の「顔が見える街頭調査」をはじめとした、オリジナル調査・共同企画・データ提供などのご相談も承っております。

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※本調査を引用いただく際は、出典元が「スタイルアリーナ」であることとリンクを明記いただきますようお願いいたします。

スタイルアリーナ : https://www.style-arena.jp


スタイルアリーナ(日本ファッション協会)について

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スタイルアリーナ(style-arena.jp)は、「東京のストリートファッション」をテーマに2002年6月よりスタートしたファッション情報サイトです。日本の躍動的なファッション=生活文化を、アジアをはじめ広く世界に向けて発信していくことを目的とし、一般財団法人日本ファッション協会が企画・運営しています。

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