Taxa Technologies、慶應義塾大学と有体物提供契約を締結 アトピー性皮膚炎と蚊媒介感染症に対するマイクロバイオーム治療の開発を推進

Taxa Technologies Inc.のプレスリリース

米国バイオテックベンチャーTaxa Technologies, Inc.(本社:San Francisco, CA、代表:Xavier Segel、福永祐一、以下「Taxa」)は、慶應義塾大学と、皮膚マイクロバイオーム研究を基盤とした新たな治療法の開発を推進するべく、有体物提供契約を締結したことをお知らせいたします。

本契約による研究リソースの相互提供を通じて、アトピー性皮膚炎に有効な細菌株の臨床評価、および蚊の誘引性を抑える細菌株の産生を目指してまいります。

■背景・目的

アトピー性皮膚炎は現代社会で非常に多く見られる皮膚疾患で、発疹や痒みといった症状は、患者とその家族の生活の質に大きく影響を与えています。また、地球温暖化や都市化により蚊の生息域が拡大しており、デング熱やマラリアなどの蚊媒介感染症のリスクは高まっています。これらの感染症により、世界で年間70万人以上が亡くなっています。

Taxaは、皮膚マイクロバイオーム※研究を基盤とした新たな治療法の確立を目指し、組換え微生物による有効成分の研究開発・商品開発に取り組んでいます。この度、アトピー性皮膚炎に対する新たな治療法の確立と、一度の塗布で蚊の誘引性を長期間抑制する画期的な忌避剤の開発を推進するべく、慶應義塾大学と有体物提供契約を締結いたしました。

※マイクロバイオーム:ヒトの体に共生する微生物(細菌・真菌・ウイルスなど)の集団。微生物叢。

本契約は、Taxaが保有する治療候補菌株・臨床研究データ・解析技術と、慶應義塾大学医学部の微生物学・免疫学の基礎研究リソースを相互提供することにより、両者の研究を加速させることを目的としています。今後Taxaは、慶應義塾大学医学部より提供される研究リソースを掛け合わせることで、次の3点を中心に研究を推進し、皮膚マイクロバイオームの臨床応用における新たな可能性を探ってまいります。

<研究内容>

・アトピー性皮膚炎に対する有効な細菌株の臨床評価

・蚊の誘引性を低下させる細菌株の産生と検証

・宿主(ヒト)と微生物の相互作用メカニズムの解明

■主任研究者コメント

  • 本田賢也教授/慶應義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室

Taxa Technologiesは、Dr. Bakerをはじめとする極めて優れた研究者が集結し、皮膚細菌叢を標的として、他にない非常にユニークなアプローチを展開しています。疾患治療効果がある細菌種の同定と単離から、その臨床応用までのサイクルが非常に早く、他ではまねできない方法論を確立しています。私たちのこれまでの経験や技術が少しでも役に立てばと思っています。

At Taxa Technologies, Dr. Baker and other outstanding researchers are pursuing a truly unique approach by targeting the skin microbiome. They have established a methodology unlike any other, enabling a remarkably rapid cycle from the identification and isolation of therapeutically effective bacterial strains to their clinical application. I sincerely hope that our experience and expertise can contribute meaningfully to their efforts.

  • Jacob Baker, PhD/Taxa Technologies, Inc. Chief Scientific Officer

本田教授と初めてお会いしたとき、マイクロバイオーム研究はすでに成熟した分野のように思えました。しかし、真の革新はまだこれからだと、意見が一致しました。今まさに、宿主とマイクロバイオームの相互作用に関する本田教授の卓越した知見と、Taxaの生態学的動態に関する専門性を掛け合わせ、マイクロバイオーム研究における革新を実現しようとしています。

(コメント原文)

Although the field of microbiome research seemed mature when I first met Professor Honda, we agreed that the most profound innovations were yet to come. Now, we’re combining his unparalleled expertise in host-microbiome interactions with our knowledge of ecological dynamics to bring those innovations to fruition.

■Taxa Technologies, Inc.について

「Superpower your skin™︎」をミッションに掲げ、合成生物学※1を用いたバイオモノづくりに取り組む米国バイオテックベンチャー。安心・安全かつ消費者が実感できる効果効能を持った革新的な化粧品・医薬品の開発に挑戦している。

2024年5月、ワキガ予防製品への応用の可能性を秘めた、ワキガ原因菌の遺伝子改変に成功(特許取得済み)。2026年初旬、ワキガ原因菌と無臭菌を入れ替えるという世界初※2のメカニズムにより、一度の塗布で一週間以上のワキガ防止効果が見込める※3デオドラント「Swap」をアメリカで販売開始予定。

※1 目的物質の生産をゴールとして遺伝子を活用するための学問分野。機能性物質の生産などへの応用が期待される。

※2 「ワキガ原因菌と無臭菌を入れ替えるメカニズム」について。2025年3月現在。当社調べ。

※3 アメリカで臨床研究を実施中。

【会社概要】

・会社名:Taxa Technologies, Inc.

・研究拠点:135 Mississippi St, San Francisco, CA 94107

・代表:Xavier Segel、福永祐一

・設立:2023年1月

・事業内容:組換え微生物を用いた有効成分の研究開発、商品開発

・Webサイト:https://www.taxatech.com/

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