ツムラのプレスリリース
【社内制度「#OneMoreChoice アクション」導入3年目進捗レポート】
生理休暇の社内名称変更から3年 取得日数は約3.1倍に
社員が不調を「隠れ我慢」しない企業へ
生産本部でもオリジナル研修を実施 生理痛の擬似的体験で男性社員の理解を促進
株式会社ツムラ(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:加藤照和、以下当社)は生理のつらさを、我慢しなくていい社会を目指して、2021年から「#OneMoreChoice プロジェクト」に社内外で取り組んでいます。
社員が不調を「隠れ我慢※1」しない企業を目指す「#OneMoreChoice アクション」
当社は2022年4月に社内制度「#OneMoreChoice アクション」を導入。生理休暇の社内名称を「Femaleケア」へ変更、婦人科検診の費用負担の年齢制限撤廃、休暇制度の拡充を行っています。「Femaleケア」への名称変更以降、取得日数・取得人数ともに3年連続で増加しており、変更前(2021年度)と比べると総取得日数は約3.1倍(211.9%増)に拡大しました。加えて、婦人科検診受診率も向上しており、制度が浸透・定着していることを表しています。
不調への対処法を学ぶオリジナル研修+生理痛VR体験装置での疑似的体験も
不調を感じる本人だけでなく、不調のない人も症状によるつらさを理解し、制度を利用しやすくする職場づくりも重要と考え、「隠れ我慢 ※1 」を減らすためのアイデアを基に当社で開発したオリジナル研修「 #OneMoreChoice 研修(以下、研修)」を継続して実施しています。 2025 年度は、生産本部(静岡工場・茨城工場)の管理職を対象に研修を行いました。生理痛 VR 体験装置を活用し、男性社員の理解を深める試みも継続しています。
当社では引き続き、社員が不調を「隠れ我慢」しない企業を目指し、さらなる#OneMoreChoice アクションの推進に取り組み、不調を我慢しない職場環境づくりを目指します。
※1:隠れ我慢=心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこととツムラが定義
生理痛を擬似的体験する社員
<#OneMoreChoice アクション※2> 2022年4月1日施行
施策 | 内容 |
①婦人科検診※は全社員が費用負担なしで受診可能 ※婦人科検診:子宮頸がん検診、乳がん検診 | 婦人科検診は、従来35歳以上の社員が年1回の健康診断の検査項目に含まれていましたが、希望する全社員が費用負担なしで受診可能とし、費用負担の年齢制限を撤廃しました。 |
②生理休暇の社内名称を「Femaleケア」へ変更 | 従来、労働基準法における生理休暇は利用可能でしたが、社内名称の変更とともに、ホルモンバランスに由来する不調での取得を可能としました。 |
③社員の休暇制度の拡充 –誰もが不調でも休みやすい制度へ– | 性別にかかわらず社員が、診断書のない不調でも「隠れ我慢」せずに働ける環境づくりとして、下記施策を導入。 ・入社時に失効年休積立有給休暇6日を新たに付与。 (2022年4月入社より) ・失効年休積立有給休暇の使用条件に、新たに体調不良(診断書不要)を追加。 ・従来、診断書とともに申請が必要であった通院休暇は、申請不要で年間12日まで取得可能。 |
※2:2022年4月1日 社員が不調を「隠れ我慢」しない企業へ。「#OneMoreChoice アクション」をスタート
https://www.tsumura.co.jp/news/newsrelease/item/160f6cd315ca98fa183e8bd22796e090.pdf
「#OneMoreChoice アクション」 3年目利用実績
社内名称を「Famaleケア」に変更後、3年で取得日数が約3.1倍に
2022年4月から「生理休暇」の社内名称を「Femaleケア」に変更した結果、2022年度以降3年連続で取得日数・取得人数ともに増加。2024年度の総取得日数は、前年度(2023年)と比べて約1.6倍(64.9%増)、変更前(2021年度)と比べて約3.1倍(211.9%増)、総取得人数は前年度(2023年)と比べて約1.6倍(62.2%増)、変更前(2021年度)と比べて約2.3倍(126.4%増)となりました。これらのことから、「Femaleケア」を安心して取得できる職場環境が整備されつつあると認識しています。一方で、症状が重い社員に対しては、単なる休暇取得にとどまらず、適切な医療機関の受診や治療につながるよう、今後も社内での啓発を進めてまいります。
<「Femaleケア」利用実績の推移(総取得日数と総取得人数)>
婦人科検診受診率も増加傾向に
#OneMoreChoice アクションでは休暇制度の拡充に加え、希望する全社員が婦人科検診を費用負担なしで受診可能とし、費用負担の年齢制限を撤廃しました。また、厚生労働省では、がん検診の受診率を60%以上とすることを目標に掲げています※3。その中でも子宮頸がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上の女性を対象に2年に1回の受診を推奨しています※4。当社においては、2024年度に会社の検診を利用した35歳以上の乳がん検診受診率は63.2%、子宮頸がん検診受診率は62.1%、35歳未満の乳がん検診受診率は47.4%、子宮頸がん検診受診率は42.9%となりました。35歳以上の受診率は、いずれも国の目標値を上回る水準となりましたが、35歳未満の社員については、がん検診の重要性についての啓発を継続してまいります。
※3:第4期がん対策推進基本計画(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001091843.pdf
※4:がん検診(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html?utm_source=chatgpt.com
<「婦人科検診」受診率の推移>
社内における「#OneMoreChoice アクション」の認知向上のために
社員アンケートの結果から、「制度の内容を確認する場所がわからない」「申請方法がわからない」といった意見があったことから、制度の申請方法が記載された POP を社内に設置したり、ニュースレターや全社員教育、新任管理職研修でも情報発信を行っています。また茨城工場、静岡工場等では、食堂で# OneMoreChoice プロジェクトの活動や# OneMoreChoice アクションの制度内容について、動画でも紹介しています。
工場食堂に設置しているPOP
社内での「#OneMoreChoice 研修」
当社では、ワーキンググループ(WG)での議論を基に「隠れ我慢」を減らすためのアイデアとして、オリジナル研修を開発しました※5。本研修は社内だけでなく、他企業や大学など社外にも展開しており、当社担当者が講師となり、ライフステージごとに起こり得る不調やその対処法を理解し、自分なりの「#OneMoreChoice」を考える機会を無償で提供しています。
※5:2022年9月22日 ツムラ「#OneMoreChoice 研修」を提供開始
https://www.tsumura.co.jp/news/topics/item/onemorechoice_220922.pdf
新入社員・管理職向けの研修で組織全体での理解を促進
新入社員研修に本プロジェクトや制度の紹介を組み込み、安心して働き始められるようサポートしています。さらに、管理職研修では「新入社員がこの研修を受けて配属される」という前提を共有し、組織全体での理解促進を図っています。
新入社員研修の様子
男性社員が生理痛を体験 グループディスカッションでの気付きも
2024年度に本社で好評を得た生理痛VR体験装置「ピリオノイド」の活用も継続。株式会社リンケージ(本社:東京都中央区)協力の下、2025年度は、5月に静岡工場、6月に茨城工場で管理職を対象に研修を実施しました。生理痛VR体験装置を体験した男性社員からは、「腹部の痛みだけでなく、それ以外の複数の症状が重なった時のストレスは想像以上と感じた」、女性社員からは「実際の痛みとは少し異なるかなと思ったが、男性にどのくらいつらいのかを分かってもらういい機会だと感じた」という感想がありました。また、研修を通じて、「我慢という、なかなか通常では話題として挙がらないテーマについてグループディスカッションをすることで、他者との違いが分かって興味深かった。これまで、各人で「我慢できるレベル」に違いはあるとは思っていたが、我慢にも『種類』があるとは思ったことがなかった」「女性だけでなく、男性もライフステージによってさまざまな症状が起こり得ると分かり、気付きになった」といった感想も聞かれました。
生理痛を擬似的体験する社員
社内の取り組み事例を他企業へ共有 東京都産業労働局「働く女性のウェルネス向上委員会」のセミナーに登壇
東京都が実施した「働く女性のウェルネス向上委員会※6」のオンラインセミナーにて、当社の#OneMoreChoice プロジェクトの活動事例を紹介しました。同セミナーは、生理や更年期などに伴う女性特有の健康課題について、男性の理解を促進することを目的に開催されたものです。当社は「隠れ我慢」をしない社会づくりにつなげたいとの思いから、自社での取り組みや#OneMoreChoice アクションを他企業へ共有しました。
※6:働く女性のウェルネス向上委員会 https://women-wellness.metro.tokyo.lg.jp/seminars/04/
当社では、社員が不調を「隠れ我慢」しない企業を目指して、さらなる#OneMoreChoice アクションの推進に取り組み、不調を我慢しない職場環境づくりを進めるとともに、これまで社内で培った知見を他企業等、社外へも情報発信することで、社内でも社外でも誰もが不調を我慢しなくていい社会づくりを目指してまいります。
#OneMoreChoice プロジェクトとは
#OneMoreChoice プロジェクトは、「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ。」をステートメントに掲げ、創業から130年以上にわたり女性の健康に寄り添ってきたツムラが健やかな社会を目指して、2021年から取り組んでいるプロジェクトです。
プロジェクトスタート以来、「隠れ我慢」という多くの人々が抱えている問題を調査により浮き彫りにし、我慢に代わる選択ができるようなアクションを提案し続けてきました。不調の際に休む、働き方を変える、誰かに相談する、など、我慢以外の選択肢(=OneMoreChoice)をとれるようになり、一人ひとりが、そして組織やコミュニティーが、生理やPMSを正しく理解し行動するきっかけをつくり続けています。
https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/
プロジェクトステートメント
「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ」
誰にも迷惑をかけたくない。周りの人に言い出しにくい。
そんな理由から、「生理痛・PMSを我慢せざるを得ない」人たちの力になりたい。
ひとつひとつの問題に向き合い、誰もが我慢しなくていい社会をめざして、
漢方のツムラが取り組んでいきます。
プロジェクトロゴ