〜町民の1割が参加し、早期発見による医療費や生存率の違いについて知る機会に〜
Craif株式会社のプレスリリース
尿がん検査「マイシグナル」を全国で提供するCraif株式会社(所在地:東京都新宿区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、2025年9月9日(火)に、北海道利尻町の交流促進施設どんとにて、利尻町がん検診推進プロジェクト「本田圭佑×医師×町民と考える 利尻の健康とがん対策」を開催いたしました。
■イベント概要
6月に発足した「利尻町がん検診推進プロジェクト」に伴い、本田 圭佑さん、医師、町民のみなさまを招いた啓発イベントを利尻町とCraif共催にて実施いたしました。
日本最北端に位置する利尻町は、医療資源が限られる環境の中、がんの早期発見・早期治療によって住民の健康を守り、重症化による医療費の増加を防ぐことが喫緊の課題です。「利尻町がん検診推進プロジェクト」は、がん検診受診率が20%台(*1)と全国平均を大きく下回る利尻町において、Craif・利尻町・利尻島国保中央病院の三者が連携し、政府の「がん対策推進基本計画」が掲げるがん検診受診率60%の達成を目指すプロジェクトです。
当日は以下のプログラムが実施され、利尻町を中心に町の人口の1割にあたる約300名にご参加いただきました。
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利尻町保健課による、本プロジェクトへの思い
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Craif CEO 小野瀨 隆一「利尻町とはじめる、新しいがん対策〜なぜ今、利尻からなのか〜」
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町民、医師、本田圭佑さんによるトークセッション「利尻の健康とがん対策」
また、参加者向けに最新のがんリスク検査「マイシグナル・スキャン」が当たる抽選会も実施。さらに利尻町保健課より、2年連続で健康診断とがん検診を受けた方100名までを対象にマイシグナルを提供する取り組みが発表されました。
*1.対策型検診受診率の平均値(利尻町調査データR5)
■利尻町保健課の井田さん「みなさんの健康を、みなさんで守っていきましょう」
利尻町保健課の井田美咲さんより、町の健康に対する思いについてお話いただきました。
「利尻には年を重ねてもしゃんとされている方が多くいらっしゃいます。漁や畑作業など年を重ねても“しゃんと”できる役割があるのが利尻の良いところだと思います。一方で、忙しくされている方が多く、自分の健康を後回しにしてしまい、小さな異変が大きな異変となり、健康を崩された方や、亡くなられた方もいました。健康は日々の積み重ねで決して当たり前ではありません。みんなで守り合い、気づき合える、そんな地域にこれからもずっともっとなっていくことを思い描いています。みなさんの健康を、みなさんで守っていきましょう。」(井田さん)
■Craif CEO 小野瀨 隆一「利尻町とはじめる、新しいがん対策〜なぜ今、利尻からなのか〜」
Craif CEO 小野瀨 隆一より「利尻町がん検診推進プロジェクト」の実施にいたった背景についてお話いたしました。
「がんは早期発見により、生存率も高く、軽い治療や治療コストを下げることができます。しかしながら、現状は医療保険に入ることで安心し、がん検診の受診率は41.5%です。私たちは、医療の中心を“治療”から“予防”にすることで、社会を変えていきたいと考えています。」(小野瀬)
「もともと利尻島にご縁があり、その際に利尻島で良くしていただいた方がすい臓がんで亡くなってしまいました。なんとかしたいという思いがある中で、利尻町役場からお話いただいて、プロジェクトがスタートしました。(もともとがん検診率が低い)利尻町ががん検診を積極的に受ける日本のモデルになる形で大きく日本を変えていきたいと思っています。」(小野瀬)
■X&KSK Co-Founder & General PartnerでありCraif社外取締役の本田圭佑さん「がん検査の最初の一歩を踏み出して」
本田圭佑さんからは、がんの早期発見に対する思いをお伝えいただきました。
「病気にかかる前や進行する前に分かり、治せたり治療できる方がダメージも少ないしお金もかからない。これまでできなかったのはこういう技術がなかったからで、病院に行かないと検診が受けられなかったから。多くの命がこれから救われていくかもしれない。病気にならないとその気になれないのは事実だと思います。ただ、特にすい臓がんの進行の速さを聞き、自分自身もマイシグナルを使うようになりました。最初の一歩をぜひみなさんと踏み出していただけたらと思います。」(本田さん)
■トークセッション「利尻の健康とがん対策」
「利尻の健康とがん対策」をテーマに、町民×医師×本田圭佑さんによるトークセッションを行いました。
町民を代表し、漁師、漁協女性部員、薬剤師のみなさん、さらに本田圭佑さん、慶應義塾大学 医学部腫瘍センターがんゲノム医療ユニット 特任助教 加藤 容崇先生にご参加いただき、Craif CTO 市川裕樹がモデレーターを務めました。
トークセッションでは、がんに関するクイズを通して「早期発見できれば5年生存率が大きく向上する」「早期発見できれば医療費が約1,000万円低減されるがん種もある」、さらに「肺がんの場合、発見時に進行している割合は60%のため、早期発見が重要である」というメッセージをお伝えいたしました。
がんの進行について、加藤先生からは次のようなコメントをいただきました。
「対策型がん検診があるがん種では、比較的早く見つかりやすいです。一方で、対策型がん検診がないすい臓がんは、ほとんど見つけられないんです。だからCraifでも一番解決しなければいけないがんとして、すい臓がんに取り組んでいるんですね。対策型がん検診はとても良い検診なので受けていただいて、そこに含まれていないものに対して補助的にマイシグナルを使うことも一案かと思います。」
最後に登壇された町民代表のみなさまから、感想をいただきました。
「健康であればお金もかからないし、病気になってから治療するというのではなく、早期発見して治療するのが大事だと思いました。健康診断を受けてさらにマイシグナルを併用しながらできたら。町民のみなさんと健康について深められる良い機会でした。」(漁師の方)
「私は実は病院が嫌いなのですが、体調不良がきっかけで家族に勧められて病院に行き、健康を意識するきっかけになりました。自分を気にかけてくれる人がいるので、やはり検診には行くべきだと思っています。みなさん、お友達や親戚が見てくれていると思って検診を受けてほしいと思います。」(漁協女性部員の方)
「自分の周りにもすい臓がんで亡くなる方が身近にいて、気になっていました。検診に行ってもすい臓がんって分かりづらいです。超音波検査でも(すい臓は)見えづらいですね、と言われたこともあったので、マイシグナルはいいなと思いました。みなさんも年齢を重ねて健康について気になることがあると思うんです。検診や人間ドック、マイシグナルでも分かると思うので、ぜひ受けて元気で長生きしてほしいです。」(薬剤師の方)
■マイシグナル抽選会と今後の展望
がん検診を受けた方、これから受ける予定のある方を対象に、マイシグナルの抽選会を実施しました。
また、利尻町保健課より、2年連続で健康診断とがん検診を受けた方を対象に、1年で100名(2年実施)にマイシグナルが当たる企画の発表も行われました。
■来場した方のご感想
当日来場された町民のみなさまからはこのような感想をいただきました。
「(発見が遅れると)あんなに医療費がかかるなんて!長生きするには早く見つけるのが大事なんだね」(60代女性)
「母と祖母がすい臓がんになり、遺伝的にもすい臓がどうしても心配。この機会に気をつけていきたい」(50代男性)
「自分にはまだまだと真剣に考えていませんでした。とても尊敬していた方がすい臓がんで亡くなり、色々と考えさせられました。こういうイベントを利尻でやってもらえてうれしいです」(40代女性)
「いろいろな診療科に行くよりも尿だけで分かるので、マイシグナルが自治体で導入されていたら利用したい。島は特に離島しなければ検査できない」(40代女性)
「早期発見が体や心、お金の負担を減らし、健康な生活につながることを話を聞いて実感できた。複数のがん検診を受けるとなると交通費をかけることになるのでハードルが上がるが、マイシグナルは手軽に短時間で受けられるので魅力的だと思った」(30代女性)
■利尻町がん検診推進プロジェクトについて
・概要:がん検診受診率(*1)が20%台と低迷する利尻町において、2025年〜2028年までの3年間で受診率を60%まで引き上げ、がんの早期発見・早期治療の実現を目指します。
・推進体制:Craif、利尻町、利尻島国保中央病院 ※啓発・技術協力「CRUSH-Cancer」
・具体的な取り組み(予定):
- がんに関する啓発活動(広報・住民向けイベントなど)
- 意識調査およびヘルスケアデータの収集・分析・活用
- がん検診の受診体制の拡充
- がん検診受診インセンティブ設計(商品券付与や「マイシグナル」の提供を検討中)
*1.対策型検診が対象
■利尻島各地でもがん啓発イベントを実施
2025年9月10日(水)に、利尻島の他地域でもがん啓発のサプライズイベントを実施し、当日の告知にも関わらず総勢約200名にご参加いただきました。本田圭佑さん、Craif CEO 小野瀨 隆一、Craif CTO 市川裕樹が登壇し、がんの早期発見の重要性について発信いたしました。
■ 「マイシグナル®︎シリーズ」について
「マイシグナルシリーズ」は、予防と早期発見につなげる、がんリスク検査です。このシリーズはマイクロRNA×AIでがんリスクを高精度に評価する検査「マイシグナル・スキャン」、より手軽にがんリスクを評価する検査「マイシグナル・ライト」、がんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」、DNAダメージをモニタリング・予防につなげる検査「マイシグナル・チェック」で構成されています。どの検査も尿やだ液を採取するだけで、体に負担なく検査することが可能です。4つの検査を通じて、自らの体質的なリスクを知り、日々のDNAのダメージをモニタリングすることで発症予防をサポート。それでも防ぎきれないがんを早期発見することを一気通貫でサポートし、がんの予防と早期発見を促進することを目指した包括的ながん対策です。
詳細はWebサイトをご覧ください。
マイシグナルシリーズは医療機器ではありません。解析した情報を統計的に計算することによりリスクを判定するものであり、医療行為としてがんに罹患しているかどうかの「診断」に変わるものではなく、リスクが低いと判定された場合でもがんが無いまたは将来がんにかからないとは限りません。
■ Craifについて
Craif(クライフ)は がん早期発見に取り組む2018年創業のバイオAIスタートアップです。尿をはじめとする体液から、DNAやマイクロRNAなど多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合し、がんの超早期発見・早期治療・早期復帰を可能にする革新的な検査を開発しています。バイオテクノロジーとAIの力を社会に広く届けることで、当社のビジョンである「人々が天寿を全うする社会の実現」を推進します。
【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設立:2018年5月
資本金:1億円(2024年3月1日現在)
事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、尿がん検査「マイシグナル®シリーズ」の提供
本社:東京都新宿区新小川町8-30 THE PORTAL iidabashi B1F