人的資本の未来を見据えて「サイレントシフト」始動
パラマウントベッドホールディングス株式会社のプレスリリース
パラマウントベッド株式会社 (本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:木村友彦、以下「当社」)は、睡眠データをもとに女性の健康をサポートする「sleep×femtech」プロジェクトの新たな取り組みとして、働く更年期世代女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援する活動「サイレントシフト(Silent SHIFT)」を株式会社陽と人(ヨミ:ひとびと、本社:福島県伊達郡国見町、代表取締役:小林味愛、以下「陽と人」)と共同で開始いたします。
「サイレントシフト」とは、更年期世代の女性が健康課題により静かにキャリアを離れていく現状に対し、企業がその変化に気づき、支援の在り方を見直すといった人的資本への取り組みを通じて、企業価値の向上につなげることを目指す活動です。
その第一歩として、当社および陽と人が協力企業として参画する「Silent SHIFT 実行委員会」主催による第1回カンファレンスが、経済産業省の後援のもと、2025年11月17日に日本橋ホールにて開催されます。当日は更年期世代女性2,000人を対象に実施した「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」の最新データを公表します。そこから見えてきた、キャリア継続に対する意識や働き方の見直しといった変化を共有するとともに、企業が抱える人的資本の課題について議論を深めていく予定です。
■活動の背景
当社は2023年より、睡眠データをもとに女性の健康をサポートする「sleep×femtech」プロジェクトを推進しています。企業向けには、更年期世代の女性社員と職場を支援するサービス「Menorista.(メノリスタ)」を、陽と人と共同で開発し、これまでに複数の企業で約100名に提供してまいりました。
職場研修、当事者向け支援プログラム、管理職向けレポートの提供を通じて、ヘルスケアへの意識やプレゼンティーズム※1の向上が見られ、好意的な反応が得られています。

一方で、サービス提供を通じて見えてきたのは、働く女性が健康不安を抱えながらも声を上げづらく、結果としてキャリアから静かに離れていく現状です。
当社は、女性の「静かな諦め」や「人的資本の沈黙」といった見えにくい課題を“サイレント”と捉え、それを変革する必要があるため“シフト”として位置づけています。こうした課題に対し、当社は企業による心身の健康支援や職場環境の整備につなげていけるよう、企業の意識変革を促す新たな取り組み「サイレントシフト」を開始することとしました。
■調査概要と示唆
働く女性の実態をより深く理解するため、当社は2025年5月から6月にかけて、働く更年期世代女性2,000人を対象に、「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」を実施しました。調査結果の分析には、慶應義塾大学法学部政治学科・築山宏樹研究会の協力を得ています。主な傾向は以下の通りです。
1)約半数の回答者が不眠症状を抱えている
2)昇進意欲には不眠・更年期症状が影響しているといえないものの、昇進辞退には不眠・更年期症状が関連している可能性がある
3)働き方の選択には不眠が、パフォーマンスには更年期症状が影響している
4)「10年前、あなたは今の自分がどのように働いていると想像していましたか」という設問に対して、喜怒哀楽の感情のうち、「悲しみ」を感じている人の割合は、他の感情に比べて1.41倍と高い傾向が見られた
これらの結果は、女性が健康課題を背景にキャリア選択や継続を見直している実態を示しており、企業による支援の必要性を強く示唆しています。
■カンファレンス概要

第1回カンファレンス「見落としてきた人的資本の機会損失 DEIとヘルスケアからひも解く人材流出 – Silent SHIFT」は、経済産業省の後援のもと、当社および陽と人が協力企業として参画する「Silent SHIFT 実行委員会」が主催します。株式会社Cradle、NTT PARAVITA株式会社、伊藤忠商事株式会社がパートナー企業として加わります。

当日は、「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」の結果発表に加え、人的資本における更年期世代の女性の課題について、専門家や企業経営層によるパネルディスカッションを実施します。企業が取り組むべき支援策や、睡眠・ヘルスケア領域における共創の可能性についても議論を深めていく予定です。
■今後の展開
「サイレントシフト」は、単なる啓発活動にとどまらず、企業や行政などが連携し、人的資本への取り組みを通じて、企業価値を高めるための共創の場を目指しています。2025年度末には調査レポートの発行を予定しており、支援プログラムの開発などを通じて、働く女性が安心してキャリアを築ける社会の実現に貢献してまいります。
今後は、男性も含む多様な層を対象とした調査の実施も視野に入れており、さまざまな立場や価値観を取り入れた「サイレントシフト」を通じて、社会全体に新たな気づきと変化をもたらすことを目指します。
当社はこれからも、ブランドメッセージ「WELL-BEING for all beings」のもと、新たな知見と価値を提供しながら、すべての人のより良い働き方と暮らしの実現に寄与してまいります。
※1 プレゼンティーズムとは「何らかの疾病や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態」を指し、生産性向上や健康経営に取り組む企業からの注目が高まっている指標です。
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