~ 就寝前2時間以内の食事の頻度が高い人ほど記憶力の低下を感じる割合が高い ~
株式会社ファンケルのプレスリリース
株式会社ファンケルは、オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」の販売を通じて蓄積した、健康な人を対象とした食習慣・生活習慣アンケートの回答結果から、初回購入時20歳から69歳の男女(33,246人)で記憶力の低下と食習慣、睡眠時間、および運動習慣との関係性を解析しました。
※ オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」初回購入時20歳から69歳の男女(33,246人)のうち、「記憶力の低下を感じる」と回答した人と回答しなかった人のアンケート回答を比較解析
【調査結果トピックス】
①「就寝前2時間以内の食事」の頻度が高い人ほど、「記憶力の低下を感じる」割合が高い傾向が見られた。
② 睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「記憶力の低下を感じる」割合が低かった。
③ 「週2回以上」の運動習慣がある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「記憶力の低下を感じる」割合が低かった。
当社は1994年にサプリメントの販売を開始して以来、多くのお客様の健康を「健康食品」で支えてまいりました。昨今は生活習慣が多様化し、「睡眠」「運動」の重要性が高まっていることを感じています。そこで31年目を迎える本事業は、より多くのお客様の健康に寄り添うべく、従来の健康食品による「食事(栄養)」面でのサポートに加え、「睡眠」「運動」の要素を強化し、お客様の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化してまいります。
その一環として、「食事」「睡眠」「運動」の重要性を啓発すべく、3万人以上の尿検査、食習慣・生活習慣アンケートの回答を解析した「ファンケル健康ビッグデータ調査」を定期的に発信してまいります。今回は「記憶力の低下」と「食事・睡眠・運動」を解析した結果をまとめました。
【調査結果詳細】
①「就寝前2時間以内の食事」の頻度が高い人ほど、「記憶力の低下を感じる」割合が高い傾向が見られた。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートの「就寝前2時間以内の食事」頻度に関する設問において、頻度が高い人ほど、「記憶力の低下を感じる」割合が高い傾向が見られました。
「就寝前2時間以内の食事」の頻度が「週1回未満」の人においても、「食べない」人と比較して「記憶力の低下を感じる」割合が有意に高いことから、夜食は少ない頻度でも記憶力の低下に影響を及ぼす可能性が示唆されました。
②睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「記憶力の低下を感じる」割合が低かった。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートにおいて、睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「記憶力の低下を感じる」と回答する割合が有意に低いことが分かりました。
③「週2回以上」の運動習慣がある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「記憶力の低下を感じる」割合が低かった。
「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートにおいて、「週2回以上」の運動習慣(※1回30分以上の運動)のある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「記憶力の低下を感じる」割合が有意に低いことが分かりました。
以上の結果より、「就寝前2時間以内の食事」の頻度が高い人ほど、「記憶力の低下を感じる」割合が高くなることが明らかになりました。「就寝前2時間以内の食事」の頻度が「週1回未満」の人においても、「食べない」人と比較して「記憶力の低下を感じる」割合が有意に高いことから、少ない頻度でも記憶力の低下に影響を及ぼす可能性が示唆されました。また、睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して「記憶力の低下を感じる」割合が有意に低いこと、「週2回以上」の運動習慣がある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して「記憶力の低下を感じる」割合が有意に低いことが分かりました。
▼食事摂取基準の策定に携わった柴田克己先生によるコメント
就寝前2時間以内の食事は、記憶力の維持にダメージを与える一方で、適度な運動や睡眠時間の確保は、その維持に寄与することを表したデータだと思いました。
脳と腸は双方向の神経系、ホルモン系、免疫系で密接につながりを持っており、「脳腸相関」という概念があります。就寝前2時間以内に食事をしっかり取ると、腸は活動状態のままになり、脳の神経活動も活性化され、眠れなくなります。睡眠不足は、インスリンの感受性を低下させ、いわゆるインスリン抵抗性を招きます。その結果、脳へのグルコースの取り込みが抑制され、エネルギー産生がスムーズに行われなくなり、神経細胞にダメージを与えます。
一方で、運動習慣(1回30分以上、週2回以上)は、グルコースの脳への取り込みをスムーズにし、記憶力の維持に良い影響を与えたと考えられます。脳に取り込まれたグルコースはグリコーゲンとして貯蔵され、脳がグルコース不足に陥った時のエネルギー源として利用され、神経細胞のダメージを抑制することができます。
就寝前2時間以内の食習慣を持つ人は、たとえば、間食を摂ることで、就寝前の食事量を少なくすると良いかと思います。また、睡眠時間はできるだけ確保し、運動も自分に合うものを見つけて対策するようにしましょう。
【調査背景と今後】
当社は、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な成長を目指して3つの重点テーマを設定しています。その中の一つ「健やかな暮らし」について、年齢とともに生じる健康と美の課題や、女性特有の健康課題への対処に積極的に取り組み、本調査もその一環として実施しました。今後もお客様の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化すべく、本調査結果を踏まえ、「パーソナルワン」でこれまで蓄積してきた約5万件(※2024年5月末時点)の食習慣・生活習慣アンケート回答と尿検査結果を多角的に解析し、新たな知見を発信していく予定です。
【オンライン運動プログラム】
忙しくてなかなか運動ができないという方におすすめなのが、当社が提供する「自宅で手軽にオンライン運動プログラム」です。ジムやフィットネスに移動しなくても自宅でスキマ時間に運動ができるので、運動を無理なく継続することができます。
【調査概要】
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解析データ : 「パーソナルワン」食習慣・生活習慣アンケートの回答
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対象期間 : 2020年1月27日~2024年5月31日
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対象者 : 「パーソナルワン」初回購入時20~69歳男女 計33,246人