株式会社Wellmiraのプレスリリース
株式会社Wellmira(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO:渡辺敏成、以下「当社」)は、2025年11月14日、タイ王国/マレーシアにおけるAI健康アプリによる2型糖尿病等生活習慣病の医療費削減効果の実証事業が、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証)に採択されたことをお知らせします。
この度採択された事業は、生活習慣病による医療費高騰が深刻化するタイ王国/マレーシアの2型糖尿病を中心とした生活習慣病患者および予備群を対象に、AI健康アプリ「カロママ プラス」の個別最適化アドバイスによる健康行動改善が糖代謝や医療費削減に与える効果の検証、および収益化を見据えた事業性の実証を目的としています。当社は本事業にて日本のAI技術と予防医療の知見を活かし、東南アジアにおける生活習慣病の二次・三次予防での短期的な効果を実証することで、現地のヘルスケア高度化への貢献および日本発の予防医療モデルの国際展開を目指します。
*令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証)特設HP https://gs-hojo-web-fspoc.jp/index.html
前回の取り組み ~タイ王国の生活習慣病予防にむけたAI健康アプリの活用実証プロジェクト~
当社は2024年度に経済産業省の「令和6年度ヘルスケア産業国際展開推進事業」の補助事業者として、タイ王国の生活習慣病予防にむけたAI健康アプリの活用実証プロジェクトを実施しました。
タイ王国では、糖分・塩分の過剰摂取や運動不足により2型糖尿病や高血圧といった生活習慣病の患者数および肥満者が増加(※1)、これに伴い、政府支出に占める医療費の割合が増加傾向にあることが課題となっています。
このような状況にあるタイ王国に、当社が日本で展開しているPHR(※2)活用型AI健康アプリ「カロママ プラス」を提供することで、タイの方の生活習慣病予防及び重症化予防に寄与できると考え、本プロジェクトを実施しました。
プロジェクト内容:タイ王国でのAI健康アプリの受容性・事業展開の可能性を検証
タイ王国の現地企業の従業員に、タイ語・タイメニュー対応のAI健康アプリ「カロママ プラス」を2か月間ご利用いただき、アプリに記録されたPHRやライフログ、アンケート結果を分析しました。
結果:アプリでの健康管理に意欲的な方が一定数いること・生活習慣病リスクが高い食生活傾向の“見える化”
5社の現地企業の経営者に事前ヒアリングをした結果、「歩く習慣がなく砂糖摂取量が多いなど、従業員の健康意識は低いと感じている」との回答が多く、「タイの方は健康意識が高くない」と仮定していました。
しかしモニター90名の平均DAUは53.6%と、日本でのヘルスケアアプリの平均DAU(10〜20%前後)よりも大幅に高い結果でした。さらに、アンケート回答者の55%がアプリを利用することで生活習慣の見直しができたと回答するなど、想定以上に健康アプリに意欲・関心を持ち、自身の健康管理に意欲的な方が一定数いることがわかりました。
またライフログの分析結果より、飽和脂肪酸や食塩相当量は過剰摂取である一方、野菜・果物の摂取量が少ない傾向があり、生活習慣病リスクの高い食生活の方が多いことも明らかになりました。
(※1)タイ人1人当たりの摂取量
砂糖:ティースプーン23杯/日(ThaiHealth Promotion Foundation(2023 年 2 月))
食塩:8.2g/日(Department of Disease Control「NCDs Report 2019」)
生活習慣病に関連する健康リスクの割合:2009年18.5%→2020年30.9%(Department of Disease Control 「NCDs Report 2022」)
(※2)PHR(Personal Health Record):個人の健康や身体の情報を記録した健康・医療・介護などのデータのこと
今回の取り組み ~タイ王国/マレーシアで、AI健康アプリによる2型糖尿病など生活習慣病の医療費削減効果を実証~
前回のプロジェクト実施後、タイ王国の企業・保険会社・医療機関との協議により、医療費削減効果は一次予防(発病予防)だけでなく、二次予防(重症化防止)、三次予防(合併症予防)にも期待が寄せられていることや、医療費/保険料の高騰を解決するサービスやビジネスを展開できる可能性が十分あることがわかりました。
これを踏まえて今回の実証事業では、2型糖尿病を中心とした生活習慣病患者および予備群を対象に、AI健康アプリ「カロママ プラス」の個別最適化アドバイスによる健康行動改善が、糖代謝や医療費削減に与える効果の検証および収益化を見据えた事業性を実証します。
AI健康アプリ「カロママ プラス」は、食事・運動・睡眠・気分・バイタルなど多様なデータをもとにAIが即時に健康アドバイスを行うアプリで、日本でのRCT(ランダム化比較試験)では体重減少効果が確認されています。
体重減少が糖代謝改善につながることは複数の研究で既に示されていることから、本実証事業では、日本で体重減少効果が認められているアプリをタイ王国/マレーシアの2型糖尿病を中心とした生活習慣病患者および予備群に提供し、個別最適化アドバイスによる健康行動の改善が糖代謝や医療費削減に寄与するかを検証します。
また、医療費削減効果の検証に加えて、収益化を念頭においた事業性も実証します。タイ王国においては企業の福利厚生施策としてアプリ導入による費用対効果を評価、保険会社・病院との連携を含むビジネスモデルの可能性を検証し、マレーシアにおいてはマネージドケア事業者とともに本実証事業を実施し事業可能性を探ります。
当社は本事業を通じて、日本発のデジタル技術による予防医療・健康支援を現地企業と共創し、日本・東南アジアに共通する医療費高騰という課題解決と社会実装を目指します。
AI健康アプリ「カロママ プラス」とは?
AI健康アプリ「カロママ プラス」は、食事・運動・睡眠などのライフログや健康診断結果、ウェアラブルデバイスから連携したPHRを記録すると、パーソナルAIコーチ「カロママ」から実践的でパーソナルな健康アドバイスが届くアプリです。「ダイエット」や「健康維持」など健康づくりの目的に応じたコースから選択でき、食事の写真を撮るだけで、AI がカロリーや栄養バランスを自動で分析し、最適な食材や献立を提案します。
2025年4月に、生成AIと高度な検索エンジンにより食事メニューの認識精度を改善!
認識可能なメニュー数が300メニューから15万メニューへと大幅に増加しました。
海外展開も視野に、グローバルなメニューの認識精度をより向上するよう随時改修します。
会社概要:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションに、個人に関わるあらゆる健康データ、PHR(Personal Health Record)を活用してWellnessのミライを創造するヘルステック企業です。個人の行動変容、企業のヘルスケアに関する課題を、テクノロジーを活用し、プロフェッショナルが共創して解決します。
【商 号】 株式会社Wellmira
【本 社】 東京都千代田区神田須田町1丁目23-1 住友不動産神田ビル2号館11階
【設 立】 2002年7月25日
【資本金】 1億円
【代表者】代表取締役社長兼CEO 渡辺敏成
【事業内容】
・企業/健保/自治体/スポーツクラブ向けAI健康アプリ「カロママ プラス」
・健康経営サポートサービスの歩数計アプリ 「RenoBody」
・指導員×AIのハイブリッド型オンライン特定保健指導サービス「カロママオンライン」
・管理栄養士・栄養士向けのポータルサイト「かわるPro」
・ヘルステックニュース「HealthTechWatch」
その他、ヘルスケアITサービスの開発、食や健康関連のメディア運営