ミッドライフ・クライシスに直面する40〜50代男性、悩みを抱え込みやすい現状が明らかに
株式会社Smart相談室のプレスリリース
株式会社Smart相談室(本社:東京都港区、代表取締役・CEO:藤田 康男、以下:「当社」)は、40〜50代の社会人男性415名を対象に、40〜50代男性の悩みと相談行動の実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

01|40〜50代男性の約6.5割が、安心して自己開示できる場所が「1つ以下」と回答
02|悩みを抱えたときの対処法として「一人で我慢する」(40.2%)が最多、相談以外の逃避的対処が上位を占める
03|約半数が悩みを抱えながらも「なにも対処していない」と回答。「誰かに不安・不満を打ち明けてみた」は17.0%にとどまる
■調査概要
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調査名称:40〜50代男性の悩みと相談行動の実態調査
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調査方法:インターネット調査
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調査期間:2025年9月20日〜同年9月22日
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有効回答:40〜50代の社会人男性415名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
■40〜50代男性の33.0%が「フラットに話せる居場所がどこにもない」、33.2%も居場所は「1つ」のみ
「Q1.あなたは現在、仕事やプライベートを含めて、フラットに話せる(安心して自己開示できる)と感じる居場所をいくつ持っていますか。」(n=415)と質問したところ、「どこにもない」が33.0%、「1つ」が33.2%という回答となり、全体の6割以上にのぼりました。この結果から、相談先の不足や心理的安全性のある居場所の希薄さが浮き彫りになっています。

・どこにもない:33.0%
・1つ:33.2%
・2つ:15.7%
・3つ:5.5%
・4つ以上:3.4%
・わからない/答えられない:9.2%
■悩みを抱えたときの対応、「一人で我慢する」が40.2%で最多
「Q2.あなたは、仕事やプライベートで悩みを抱えたとき、主にどのように対応していますか。(上位3つまで回答可)」(n=415)と質問したところ、「一人で我慢する」が40.2%、「家族や友人に相談する」が35.9%、「趣味や運動で発散する」が34.0%という回答となりました。「お酒を飲んで忘れる」「特に何もせず時間に任せる」といった回答も多く見られ、このことから、多くの人が悩みの根本的な解消よりも、一時的に気持ちを紛らわせる行動を選択している傾向がうかがえます。

・一人で我慢する:40.2%
・家族や友人に相談する:35.9%
・趣味や運動で発散する:34.0%
・お酒を飲んで忘れる:26.3%
・特に何もせず時間に任せる:19.0%
・同僚や上司・部下に相談する:14.7%
・本やネットで情報を集めて自分で解決する:10.4%
・日記やメモに書き出して整理する:3.4%
・AIに相談する:2.7%
・相談窓口サービスを利用する:1.2%
・SNSやオンラインコミュニティで相談する:0.5%
・その他:1.2%
・わからない/答えられない:6.0%
■相談せずに我慢する理由、「プライベートで相談できる相手がいないから」が41.3%で最多
Q2で「一人で我慢する」と回答した方に、「Q3.相談せずに我慢してしまう理由を教えてください。(複数回答)」(n=167)と質問したところ、「プライベートで相談できる相手がいないから」が41.3%、「家族には心配をかけたくないから」が35.3%、「相談しても理解されないと思うから」が33.5%という回答となりました。Q1の結果から、6割以上の方がフラットに話せる(安心して自己開示できる)居場所を1つ以下と回答しており、これとあわせて考えると、相談できる相手・場の不足が一人で悩みを抱え込んでしまう大きな要因であると考えられます。

・プライベートで相談できる相手がいないから:41.3%
・家族には心配をかけたくないから:35.3%
・相談しても理解されないと思うから:33.5%
・職場では評価を気にして本音を言えないから:18.6%
・友人関係が希薄になったから:16.8%
・弱みを見せることに抵抗があるから:15.0%
・何を話していいかわからないから:15.0%
・過去に相談してもうまくいかなかった経験があるから:13.8%
・周りも皆我慢していると思うから:12.0%
・プライドが邪魔をするから:9.0%
・そもそも話す時間がないから:7.2%
・その他:3.0%
・わからない/答えられない:5.4%
■誰にもバレずに、気軽に相談できる環境があっても、早期に相談するのは4割未満にとどまる
「Q4.もし誰にもバレずに気軽に相談できる環境があったら、どの程度の悩みから相談したいと思いますか。最もあてはまるものを選択してください。」(n=415)の結果、「ちょっとしたモヤモヤの段階から相談したい」が22.9%、「自分だけでは解決できないと判断したら相談したい」が17.8%となり、悩みを抱えた段階で早期に相談したいと考える人は4割未満にとどまることがわかりました。一方で、「どんなに大きな悩みでも相談したくない」と回答した人が10.8%となり、相談に対する抵抗感の強さもうかがえます。

・ちょっとしたモヤモヤの段階から相談したい:22.9%
・日常生活に少し影響が出始めたら相談したい:15.7%
・仕事や生活に明らかに支障が出たら相談したい:9.9%
・自分だけでは解決できないと判断したら相談したい:17.8%
・限界まで我慢してどうしようもなくなったら相談したい:6.3%
・どんなに大きな悩みでも相談したくない:10.8%
・その他:1.2%
・わからない/答えられない:15.4%
■現在の悩み、「自分の健康・体力の衰え」が39.0%、「老後の資金」が34.0%
「Q5.あなたが現在抱えている悩みや不安で、深刻度の高いものを教えてください。(上位3つまで回答可)」(n=415)と質問したところ、「自分の健康・体力の衰え」が39.0%、「老後の資金」が34.0%、「仕事のプレッシャー・責任」が27.2%という回答となりました。40代〜50代の男性は、仕事面・プライベート面ともに人生の転換期にあたり、悩みが多い世代です。キャリアやお金、健康、介護など、幅広い悩みに対応できる体制の整備が求められます。

・自分の健康・体力の衰え:39.0%
・老後の資金:34.0%
・仕事のプレッシャー・責任:27.2%
・職場の人間関係:19.3%
・親の介護:18.6%
・キャリアの行き詰まり:11.8%
・孤独感・疎外感:11.6%
・家族との関係:9.2%
・子どもの教育・将来:6.3%
・その他:1.4%
・特にない:13.7%
・わからない/答えられない:5.3%
■悩みに対して、約半数が「なにも対処していない」実態
Q5で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方(n=336)に「Q6.その悩みや不安に、どのように対処していますか。(複数回答)」と質問したところ、「なにも対処していない」と回答した方が49.1%に達し、半数近くが悩みに対してなにも行動していないことが明らかになりました。一方、「誰かに不安・不満を打ち明けてみた」は17.0%にとどまり、悩みを一人で抱え込み、対応を後回しにする傾向が見られます。

・なにも対処していない:49.1%
・誰かに不安・不満を打ち明けてみた:17.0%
・生活習慣を整えた:11.9%
・運動を始めた:9.5%
・旅行に行った:8.3%
・新しい趣味を始めた:8.0%
・専門書などを読んで学んだ:7.4%
・病院に行ってみた:6.8%
・カウンセリングを受けてみた:5.1%
・職場の同僚と飲みに行った:4.5%
・SNSで発信・交流した:2.4%
・その他:2.1%
・わからない/答えられない:2.4%
■対処する際の困りごと、「ストレスや疲労が蓄積した」が41.1%で最多
Q6で「なにも対処していない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.悩みや不安に対処するときに、困ったことはありましたか。(複数回答)」(n=163)と質問したところ、「ストレスや疲労が蓄積した」が41.1%、「解決策が見つからなかった」が25.2%、「感情を吐き出せずモヤモヤが残った」が19.6%という回答となりました。このことから、悩みに対処しようとする過程においても、心身の負担や解決方法の不明確さ、感情の整理の難しさなど、さまざまな困難が存在することがうかがえます。

・ストレスや疲労が蓄積した:41.1%
・解決策が見つからなかった:25.2%
・感情を吐き出せずモヤモヤが残った:19.6%
・誰にも相談できず孤独を感じた:12.9%
・心身の健康に影響が出た:12.9%
・時間がかかってなかなか解消できなかった:12.3%
・同じ問題が繰り返し起こった:12.3%
・相談しても理解されなかった/アドバイスが的外れだった:11.0%
・自己判断で間違えた:8.0%
・家族や職場に負担をかけてしまうことがあった:6.7%
・その他:1.2%
・特にない:19.6%
・わからない/答えられない:4.3%
■対処していない理由、第1位「気力がわかない/疲れているから」
Q6で「なにも対処していない」と回答した方に、「Q8.対処していない理由を教えてください。(複数回答)」(n=165)と質問したところ、「気力がわかない/疲れているから」が28.5%、「きっかけやタイミングがないから」が26.7%、「相談先や最初の一歩がわからないから」が26.1%という回答となりました。

・気力がわかない/疲れているから:28.5%
・きっかけやタイミングがないから:26.7%
・相談先や最初の一歩がわからないから:26.1%
・重要だとは思うが緊急ではないと感じるから(後回しになっている):26.1%
・問題が漠然としていて具体的な対処が思いつかないから:23.6%
・時間の余裕がないから:20.6%
・その他:2.4%
・わからない/答えられない:9.1%
■心の健康に必要な支援、「心をリセットできる空間」が38.6%、「気軽に話せる相手や機会」が38.1%
「Q9.あなたが心の健康を保つ上で、あると良いと思う支援や環境を教えてください。(複数回答)」(n=415)と質問したところ、「心をリセットできる空間」が38.6%、「気軽に話せる相手や機会」が38.1%、「ストレスを忘れられる時間」が34.0%という回答となりました。

・心をリセットできる空間:38.6%
・気軽に話せる相手や機会:38.1%
・ストレスを忘れられる時間:34.0%
・職場でも家でもない第三の居場所:20.5%
・誰にも知られずに相談できる場所:16.9%
・専門家に気軽に相談できる環境:16.4%
・同じような悩みを持つ人とつながれる場:15.9%
・その他:0.7%
・特にない:14.0%
・わからない/答えられない:8.7%
■まとめ
今回は、40〜50代の社会人男性415名を対象に、40〜50代男性の悩みと相談行動の実態調査を実施しました。
まず、仕事やプライベートを含めて、安心して自己開示できると感じる居場所について、33.0%が「どこにもない」、33.2%が「1つ」と回答しており、6割以上が安心して自己開示できる場所を持たないか1つしか持たない実態が明らかになりました。また、仕事やプライベートで悩みを抱えたときの対応として、「一人で我慢する」が40.2%で最多となり、「家族や友人に相談する」(35.9%)を上回る結果となりました。一人で我慢する理由としては、「プライベートで相談できる相手がいないから」(41.3%)と「家族には心配をかけたくないから」(35.3%)が上位に挙がっています。さらに、現在抱えている悩みとしては「自分の健康・体力の衰え」(39.0%)と「老後の資金」(34.0%)が上位を占めましたが、これらの悩みに対して49.1%が「なにも対処していない」と回答しています。最後に、心の健康を保つために必要な支援として、「心をリセットできる空間」(38.6%)と「気軽に話せる相手や機会」(38.1%)が求められていることが分かりました。
今回の調査では、40〜50代男性の多くが職場でも家庭でも本音を語れる居場所を失い、悩みを一人で抱え込む、“相談自粛”の現象が浮き彫りになりました。「ミッドライフ・クライシス」と呼ばれるこの世代特有の心理的危機は、職場での評価への不安と家族への責任感の板挟みによって、さらに複雑化しています。しかし、悩みを抱える当人は、相談できる相手や環境がないこと、周囲に心配をかけたくないという思いや、弱みを見せたくないという意識、さらには「みんなも我慢している」という文化的な同調性などの理由から、相談を控えることを選択しています。こうして相談せずに抱え込んでしまうと、メンタル不調につながるおそれがあります。社会全体で心理的安全性を確保する仕組みづくりが急務となるなか、職場でも家庭でもない「第三の居場所」として、利害関係のない専門家に匿名で相談できる環境の整備が、この世代の心の健康を守る鍵となると考えられます。
■Smart相談室の取り組み

Smart相談室では、メンタル不調の未然防止には「不安や悩みが深刻になる前に気軽に相談すること」が重要だと考え、相談文化の啓蒙活動を推進しています。その一環として、2025年10月10日の世界メンタルヘルスデーにあわせて、関東で高い人気を誇る「松本湯」とのコラボレーションイベント「もやもや洗湯 〜洗い流して、心ととのう〜」を開催しました。
本イベントでは、かつて地域の人々が自然に語り合う場であった銭湯を、現代における“心をととのえる”場として再解釈し、自分の気持ちに目を向け、心をととのえる体験を提供しました。入浴中に浮かんだ悩みや想いを、誰でも悩みを吐き出せる「スマソウポスト(*1)」に投函することで気持ちがスッキリするという体験を通して「相談」を当たり前に選べる文化の醸成を目指しています。
イベント期間中は、のべ275名が「スマソウポスト」にはがきを投函し、入浴中や湯上がりに浮かんだモヤモヤを言葉にして綴りました。参加者からは、「もやもやを銭湯で洗い流すアイディア、とてもいいですね」「銭湯に行くとすっきりして、心が晴れるのでぴったりですね」といった声が寄せられたほか、SNS上でも「汗と一緒に、最近のもやもやも流してきた」「仕事などでモヤモヤした時の指定駆け込み銭湯が、Smart相談室とコラボ」など、ポジティブな反応が多数見受けられました。
*1:「スマソウポスト」施策については以下プレスリリースをご確認ください。https://smart-sou.co.jp/news/20241016
■社外相談窓口サービス「Smart相談室」の概要

「Smart相談室」は、誰でも・いつでも・なんでも気軽に相談できる、法人向けの社外相談窓口サービスです。カウンセリングや医師相談に加え、法令対応を実現するストレスチェックやハラスメント窓口から人材の開発・育成につながるコーチングや個別研修など、幅広い機能を備えています。250名以上の専門家が在籍し、一人ひとりの悩みや課題に丁寧に寄り添います。不調になる前のささいな悩みや不安の芽を、早期に解消へ導くことで、メンタル不調の未然防止を実現し、企業の健康経営と働く人の心の健康に貢献します。
■「Smart相談室」の機能
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カウンセラー相談
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医師相談
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コーチング
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個別研修
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ハラスメント窓口
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セルフストレス診断
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ストレスチェック
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産業医面談調整
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意見箱
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eNPS
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ご利用ガイド
◼ 株式会社Smart相談室について
「働く人の『モヤモヤ』を解消し、『個人の成長』と『組織の成長』を一致させる」をミッションに、法人向けオンライン対人支援プラットフォームを開発、運営しています。2021年2月、医療系事業会社で10年間、新規事業開発と組織マネジメントに従事した藤田康男が代表として設立し、メンタル不調の未然防止により企業の健康経営を後押しする社外相談窓口サービス「Smart相談室」と、個人の可能性を最大化し企業の人的資本経営を加速させるコーチングサービス「Smartマイコーチ」を展開しています。Smart相談室はSmartHRのグループ会社です。
◼ 会社概要
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社名:株式会社Smart相談室
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代表取締役・CEO:藤田 康男
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事業内容:法人向けオンライン対人支援プラットフォームの開発・運営
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設立:2021年2月1日
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所在地:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー
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