~年齢を重ねるごとに増える「心の負担」、その原因が明らかに~
キリンホールディングス株式会社のプレスリリース
キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志)は、2025年10月31日(金)~11月3日(月)の期間、全国の30~50代の男女1,800人に「現代人の疲労に関する調査」を実施しました。
現代社会において、人々の抱える疲労※1は複雑化しています。本調査は、仕事や家庭で多大な責任を負う30代から50代の男女が、「疲労感※2」をどの程度抱えているのか、そしてその背景にあるストレスや緊張などの「心理的負荷」との関係を明らかにし、これからの疲労感ケアに必要な視点を提示することを目的に実施しました。
当社は明るく健康で生き生きと過ごせる社会の実現を目指しております。今回、この調査を通じて人々が抱えている疲労感とストレスや緊張などの「心理的負荷」との関係を明らかにすることで、当社が考える体の疲労だけでなく気持ちのケアも重要であることを訴求してまいります。
調査の結果、社会人の90.3%が「疲労に加えて『疲労感』を感じる」と回答しました。そのうち91.0%が「実感として『疲労感』とストレス・緊張・心理的負荷は関係していると思う」とも回答し、「疲労感」と「心理的負荷」の関係性が明らかになりました。さらに、年齢を重ねるとともに「ストレス・緊張・心理的負荷」の実感も増していることが浮き彫りになり、「疲労感スコア」の自己採点(10点満点)は約7点という結果になりました。
※1 疲労:肉体的な疲労・実際の疲れ
※2 疲労感:主観的な疲れ・感覚的な疲れのこと
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【キリンホールディングス調べ】とご明記ください。
【調査概要】
調査対象:30~50代/全国/男女/1,800名
調査方法:インターネットアンケート調査
調査期間:2025年10月31日(金)~11月3日(月)
「現代人の疲労に関する調査」サマリー
①多くの現代人が感じている「疲労感」の正体は「精神的なストレスによる問題」である
疲労のほかに「疲労感」を感じたと回答した人が合計90.3%に上り、ほとんどの現代人が日々「疲労感」に苛まれていることが判明しました。「疲労感」を感じた91.0%がストレス・緊張・心理的負荷と関係していると実感し、社会人の抱える「疲労感」は、単なる身体的な消耗からではなく、「精神的なストレスによる問題」が深く根ざしている実態が浮き彫りになりました。
②疲労感を誘発する「精神的なストレスによる問題」には、様々な要素があり「社内の人間関係」がTOP
現代人が最も心理的負荷を感じる要因として、「社内の人間関係」(31.1%)、「睡眠不足」(26.3%)、「上司との関係」(22.9%)「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)が上位を占め、「人間関係」「睡眠」「業務」と3つの領域に集中していることが明らかになりました。
③年齢を重ねるごとに疲労感は強くなる
現代人の70.8%が年齢とともに「疲労感は増していく」と回答し、主に「体力の衰えや回復力の低下」と「仕事上の責任や心理的負荷の増大」が要因であることが分かり、年齢とともに職場と家庭の両方で背負う社会的・心理的な負荷が増大していくことが影響していると考えられます。
④過半数の人が、今年の疲労感を「7点以上」と採点
回答者の58.4%が7点以上の強い疲労感を感じていると自己評価し、「疲労感」を感じることは当たり前になっている現状が明らかになりました。
①多くの現代人が感じている「疲労感」の正体は「精神的なストレスによる問題」である
Q1.疲労(肉体的な疲労・実際の疲れ)のほかに「疲労感」(主観的な疲れ・感覚的な疲れ)を感じることはありますか。最も近いものを1つ選んでください。(n=1,800)
30~50代の現代人に対して、疲労のほかに「疲労感」をどの程度感じることがあるか聞いたところ、「頻繁に感じる」(28.9%)、「たまに感じる」(46.7%)と「感じたことがある」(14.7%)を合わせると、全体の90.3%が、「疲労感」を感じている・感じたことが明らかになりました。「感じたことはない」と回答した人は1割未満(9.8%)に留まり、現代人の多くが何らかの形で「疲労感」に苛まれている現代の実態が浮き彫りになりました。
Q2.Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した方に伺います。実感として「疲労感」とストレス・緊張・心理的負荷は関係していると思いますか。(n=1,624)
Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した方に、実感として「疲労感」とストレス・緊張・心理的負荷は関係しているかを聞いたところ、「とてもそう思う」(37.5%)と「そう思う」(53.5%)を合わせ、91.0%の回答者が「疲労感」と心理的な要因との間に関連性があると実感していることが判明しました。
この結果から現代人の多くが感じている「疲労感」は、単なる身体的な消耗だけでなく、心理的負荷「精神的なストレスによる問題」に深く根ざしている可能性が高いことが分かりました。この「疲労感」を解消するためには、心のケアという側面からのアプローチも重要であることがうかがえます。
②疲労感を誘発する「精神的なストレスによる問題」には、様々な要素があり「社内の人間関係」がTOP
Q3.あなたが心理的負荷を感じる要因をすべて選んでください。(n=1,800)
30~50代の現代人に心理的負荷を感じる要因について聞いたところ、「人間関係」「睡眠」「業務」と3つの領域に集中していました。
特に高かった回答は「社内の人間関係」(31.1%)がトップで、「睡眠不足」(26.3%)、「上司との関係」(22.9%)、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)が続きました。この結果から、現代人の心理的負荷は、最も身近で避けられない「職場の人間関係」が最大の要因であり、仕事にまつわる要因が多くを占めていることが分かりました。
人間関係による負荷は、職場全体に広く存在しており、「社内の人間関係」(31.1%)に加え、「上司との関係」(22.9%)や「部下との関係」(10.2%)が、互いに影響し合う複雑な構造を反映しています。また、仕事による負荷は、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)といった量の問題だけでなく、「仕事内容・やりがい」(21.1%)といった質の側面もほぼ同率で高いことが特徴として表れていました。単に忙しいだけでなく、仕事内容への不満や、自己実現との乖離が心理的な負荷を高めていることを示唆しています。「給与・賞与など金銭面」(18.0%)の不満も高順位であり、仕事に対する正当な評価や報酬への不満も、心理的な負担に直結している構造が見受けられました。
さらに、現代社会の背景として、第2位の「睡眠不足」(26.3%)に加え、「運動不足」(12.6%)や「慢性的な体調不良」(10.7%)など、体調管理に関する項目が上位に食い込んでいる点も注目ポイントです。仕事や人間関係の負荷が、自律神経の乱れや体調不良を引き起こし、それがさらなる心理的負荷を生むという負のサイクルに陥っている現代人の実態を映し出しています。「将来への不安」(15.4%)という回答からも漠然とした不安が個人のストレスレベルを底上げしている背景が読み取れました。
③年齢を重ねるごとに疲労感は強くなる
Q4.あなたの感覚として、各年代の社会人の「疲労感」はどの程度だと思いますか。(n=1,800)
30~50代の現代人がどの程度の「疲労感」を抱えていると認識しているのか、10を最大値、0を最小値として数字での回答を聞いたところ、年代が上がるにつれて「疲労感」の度合いが高い(7~10)と評価する層の割合が増加することが分かりました。特に50代の疲労感が最も深刻と認識されている実態が明らかになりました。
具体的に「強い疲労感」(スコア7以上)を感じていると認識されている層は、30代では39.3%だったのに対し、40代では52.1%、50代では60.8%となり、30代と50代の差は20%以上開いています。また、最高値の「10(非常に強い疲労感)」と回答した割合も、50代が唯一10%を超え(10.2%)、他の年代よりも突出しました。この結果は、現代人が40代で疲労感が顕著に増し、50代でピークに達することを示しています。
疲労感のボリュームゾーンが、30代の「なんとなく疲れている」(スコア5)から、40代・50代の「はっきりと強く疲れている」(スコア7)へとシフトしていることから、単なる疲労の蓄積だけでなく、疲労感の質が複雑化かつ深刻化していることが示唆されます。
Q5.あなたの実感として、年齢が上がるにつれ「疲労感」はどう変わると思いますか。その理由もお答えください。(n=1,800)
年齢が上がるにつれ「疲労感」はどう変わると思うのか、またその理由を聞いたところ、70.8%が「年齢が上がるにつれて『疲労感』は増していくもの」だと実感していることが明らかになりました。この背景にある理由を深掘りすると、回答者の声は、最も多く見られた「体力が落ちるから」「肉体的な衰え」といった加齢に伴う身体機能の低下と回復力の低下に関するものと、「責任が増えるため」「仕事での立場が上がる」といった社会的役割や業務負荷の増加に関するものに大きく分かれました。具体的には、「疲れが取れない」「回復力が落ちる」といった声から、年齢を重ねることで身体が追いつかなくなり、慢性的な疲労へと移行していく様子が垣間見えます。
また、年齢が上がるにつれて、管理職としての責任や精神的な負荷が飛躍的に増大するため、身体的な衰えと心理的な責任の重さが負の相乗効果を生み、総合的な疲労感を高めていることを示唆しています。現代社会における「疲労」が、単純な身体疲労で終わらず、「身体の衰え」と「社会的な責任の重圧」によって構成されていることがうかがえる結果になりました。
多くの現代人が、自身の体力の衰えを自覚しつつも、組織や家庭での責任が増すことで「疲労感が増していくのは避けられない」と感じている背景が浮き彫りになりました。
④過半数の人が、今年の疲労感を「7点以上」と採点
Q6.Q1で「頻繁に感じる」「たまに感じる」「感じたことがある」と回答した方に伺います。今年のあなた自身の「疲労感」総合スコアを、10点満点で自己採点してください。(n=1,624)
今年の自身の「疲労感」総合スコアを10点満点で自己採点したスコアを聞いたところ、平均スコアは6.71点、過半数の人が7点以上という高い水準に達し、多くの現代人が自身の「疲労感」を深刻に認識している実態が明らかになりました。
特に、疲労感を「強い疲労感」[大滝1] (7点以上)と評価した回答者は全体の58.4%と過半数を占め、「非常に強い疲労感」(10点)を自己採点した層も10.0%に上るなど、現代社会における疲労の深刻さが浮き彫りとなっています。また、回答の分布を見ても、7点(21.1%)と8点(19.8%)が高得点帯に集中しており、多くの人が「中程度よりはるかに強い」と認識する強い疲労感を日常的に抱えていると推察される結果になりました。
一方、「感じたことはない」(0点)と回答した人はわずか0.2%に留まり、「疲労感」を感じることはもはや現代人の「当たり前の状態」となっている現状が確認できました。この高い自己採点スコアの背景には、単なる身体的な消耗だけでなく、職場での責任の増大や人間関係、そして将来への不安といった多岐にわたる心理的な負荷が複雑に絡み合い、個人の「疲労感」を底上げしている構造があるといえます。