角層吸着型エマルションを搭載した新スキンケア洗顔料を開発

洗顔で、驚きのうるおいとやわらかさを実感

株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのプレスリリース

 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、角層吸着性のある天然由来保水成分「Mal2Far」でエモリエントオイルを包み込み、洗顔料に安定して配合する技術を確立しました。洗顔後もエマルションとして肌にとどまり続け、高い保湿力とやわらかな手触りを実現。まるで保湿スキンケア品のような使用感を可能にします。


洗顔時の乾燥とつっぱり感が課題

 洗顔料は、皮脂や汚れとともに肌の生体保湿成分も洗い流してしまうことがあり、洗顔後に乾燥やつっぱりを感じやすいという課題がありました。保湿成分などを配合しても十分に肌に残らず、しっとり感を求める声が多く寄せられていました(補足資料1)。そんな中ポーラ化成工業では、肌表面の角層に吸着する性質を持つ天然由来保水成分「Mal2Far」を洗顔後の肌に残存させ保水力を高める技術を開発してきました(※1)。

  本研究では、うるおい実感をさらに向上させようと、「Mal2Far」でエモリエントオイル(※2)を乳化し、洗顔料に配合する新技術(角層吸着型エマルション)を開発しました。すすぎ後も肌にエマルションのベールが残ることで(補足資料2)、驚くほどのしっとり感や柔軟感を与えます(図1)。

 角層吸着型エマルションの効果でしっとりやわらかく洗いあがり、うるおい保持機能も向上

 角層吸着型エマルションを配合した洗顔料を実際に使用した評価では、洗顔後の肌の保湿感とやわらかさのいずれも高評価を得ました(図2)。また、使用後のうるおい保持力を測定したところ、乳化したエモリエントオイルを配合した洗顔料は、非配合の洗顔料に比べてうるおい保持力が1.5倍に向上したことが確認されました(図3)。

ポーラ化成工業は今後も製剤イノベーションに取り組み、使用感と顧客満足度の向上を追求してまいります。

※1 関連リリース: 「『水をまとう』肌になる洗顔料を開発 角層表面に吸着し肌そのものの保水力を高める技術」(2020年6月30日)https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20200630_02.pdf 

 ※2 水分の蒸散を防ぐオイル成分。肌を柔らかくする作用も持ち、主に乳液やクリームなどに配合される


【補足資料1】 洗顔料に関するアンケート調査結果

              
 一般消費者を対象に実施した自社アンケート調査では、洗顔料に対し、「使用後の肌のしっとり感」を望む方が最も多いことが確認されました(図4)。

【補足資料2】 洗顔料中のエマルションと洗浄後の角層への吸着について

 洗顔料の中にエマルションが存在しているか、また洗浄後に角層に吸着するかを検証するため、赤の蛍光色素で染色したエモリエントオイルを「Mal2Far」でくるんだエマルションを洗顔料に配合しました。

 この洗顔料を水に溶かし顕微鏡で観察すると、エマルションの滴が多数存在する様子を見ることができました(図5)。これにより、洗顔料中にエマルションとして安定して配合できていること、水が混ざったあとも崩壊せずに存在することが確かめられました。

 次に、肌を洗浄したときエマルションが角層に吸着するか検証しました。角層細胞を洗顔料の水溶液に浸し水ですすいだ後は角層細胞全体がまんべんなく赤く光って見えたことから、オイルが角層細胞の表面全体に均一に吸着しているものと考えられました(図6)。

 

 エマルションは図1のように角層に吸着し、すすぎで流されることなくエマルションのベールとなって表面に残ると考えられます。肌の上に形成されたベールが、洗顔後の水分の蒸散を防ぎうるおいを守るとともに、オイルによる柔らかい感触を肌に与えてくれると期待できます。

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