クライエントの理解を深め、心理療法の効果を最大限に高めるオンライン講座の開催

本当の「共同意思決定」を進めていくために

特定非営利活動法人SKILLSカウンセリングセンターのプレスリリース

カウンセリングや心理職への講座を行っているNPO法人SKILLSカウンセリングセンター（所在地：群馬県伊勢崎市、代表：飯島博之）は2026年2月17日㈫にローハンプトン大学カウンセリング心理学教授のミック・クーパー先生をお招きし、「多元的心理療法」の理論と実践方法を学ぶオンライン公開講座を開催いたします。

概要として

多元的心理療法を世界的な心理療法家から学ぶワークショップの続編！

　この講座は前回大好評だった多元的心理療法入門の続編であり、前回参加いただけなかった方も理解できる内容となっています。また、前回ご参加いただきました方々にはさらに一歩踏み込んだ内容を用意しており、スキルアップが可能です。講師は世界的な心理療法家のミック・クーパー先生。今回も日本の心理療法家のためにワークショップを引き受けてえくださいました。クライエントと話し合い、求めているものを理解しそれを実現する方法をどう深めていくのか（共同意思決定）。そして、多元的心理療法の実践をさらに深めるにはどうすればよいのか。これらの疑問についてクーパー先生が解説してくださいます。さらに、今回は実践編ということでワークも行われます！

背景

①多元的心理療法はなぜ必要か

　クライエントを尊重することはもちろん基本です。しかし、自分の心理療法を振り返った時にどれくらいクライエントに合わせられているでしょう。例えば、初回で終わってしまったケース、変化がないケース、クライエントを不快にさせてしまったケースなど。このようなケースではクライエントのニーズが理解できていない、十分に話し合えていない状況があると思います。また、望んでいない心理療法を押し付けてしまっているかもしれません。この時に「自分の発言や方法は間違っていない」と考え、その方法に固執すると心理療法がうまくいきません。だからこそ、クライエントに合わせた方法、すなわち多元的心理療法が必要なのです。

②多元的心理療法をもっと知りたい

　前回の講座で多元的心理療法について学び、その後私も自身の心理療法に取り入れていきました。しかし、多元的なアプローチを行う中で「本当にこのやり方でいいのか」、「クライエントのニーズがわかればよいが、『どうしたいのかわからない』という人もいます。そのような場合にはどう話し合っていくのか」といった疑問が生じました。再度、私は当センターの顧問である齋藤富由起先生に相談したところ、多元的心理療法の講座は一回で完結するものではなく、複数回行う必要があるのではないかというアドバイスをいただきました。そして、多元的心理療法をもっと知りたいと思い、斎藤先生と共にクーパー先生へ講座の第二弾をお願いし、快諾を得ました。

この講座で得られるもの

　多元的心理療法の臨床への活用、そして実際の理解とエクササイズが得られます。また、共同意思決定、すなわち心理療法に何を求めているのか、そしてそれを実現するためにはどうすれば最も効果的かをクライエントと話し合うことができるようになります。

ミック・クーパー先生について

　講師のミック・クーパー先生はヒューマニスティック・セラピーや実存的セラピー、多元的心理療法の分野で国際的に認められた著者、トレーナー、コンサルタントです。公認心理学者であり、ローハンプトン大学のカウンセリング心理学教授でもあり、世界中でワークショップや講義を主催してきました。著書には、『The Tribes of the Person-Centred Nation, Third Edition: An introduction to the world of person-centred therapies』（PCCS Books、2024年）、『エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究―クライアントにとって何が最も役に立つのか』（岩崎学術出版社、2012年）、『心理臨床への多元的アプローチ―効果的なセラピーの目標・課題・方法』（岩崎学術出版社、2015年）などがあります。