心不全の早期発見に貢献する「RST®算出プログラム」が2025年度 日本人工臓器学会技術賞を受賞

 

パラマウントベッドホールディングス株式会社のプレスリリース

 パラマウントベッド株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:木村友彦、以下「当社」)は、当社グループ会社であるハートラボ株式会社(本社:兵庫県神戸市・代表取締役社長:池川直、以下「ハートラボ社」)が大阪大学の協力を得て開発した「RST®算出プログラム」が、一般社団法人 日本人工臓器学会より「2025年度 日本人工臓器学会技術賞」を受賞したことをお知らせします。

授賞式にて麻野井院長(左)

 心不全をはじめとする心疾患は、日本において死因の第2位を占めており、患者数は約120万人と推定されています。高齢化の進展に伴い、今後も増加が見込まれています。こうした中、睡眠中の呼吸の安定性を測定する独自指標「RST(Respiratory Stability Time)」を活用した「RST®算出プログラム」が、心不全悪化の早期発見と重症化の阻止に貢献する技術として高く評価されました。

 RSTは、大阪大学国際医工情報センター招聘教授で富山西総合病院(医療法人社団藤聖会)の麻野井英次院長が、心不全患者の睡眠中にみられる呼吸様式の異常に着目して発明したものです。ハートラボ社はこのRSTを自動で算出・可視化するクラウド型システム「RST®算出プログラム」を開発し、2024年8月23日付で厚生労働省よりクラスII(管理医療機器)のプログラム医療機器(SaMD)として承認されました。

■RST®算出プログラムの特徴

・非侵襲性:身体に負担をかけず、マットレスや布団の下に敷いた体動センサで測定

・自動計算:睡眠中の体動データをクラウドに送信し、RSTを自動算出

・遠隔モニタリング:医療機関が患者のRST®を毎日確認し、心不全増悪などの変化を追跡可能

  これにより、在宅の心不全患者において、症状が現れる前に悪化の兆候を捉え、早期の治療介入が可能となります。現在、在宅慢性心不全患者を対象とした特定臨床研究「ITMETHOD-HF-III」が多施設で進行中で、RST®を活用した治療による心不全増悪入院や心不全による死亡の低減効果が検証されています。

 当社およびハートラボ社は今後も、「RST®算出プログラム」の保険適用および利用拡大を目指し、進行中の特定臨床研究を推進してまいります。RSTによる遠隔モニタリングの普及を通じて、心不全悪化の早期発見と重症化の阻止に貢献し、ブランドメッセージ「WELL BEING for all-beings」のもと、安心で質の高いヘルスケア環境の実現を目指します。

富山西総合病院の麻野井英次院長のコメント

呼吸の不安定化を毎日定量できるRSTは、心不全による息切れが増悪する1か月以上前から就寝中の呼吸の乱れを鋭敏にとらえることができます。RST遠隔モニタリングにより「心不全の不顕性増悪を検出して早期に治療を開始し、RSTの回復を目標に治療強化して入院を回避する」という新しいRSTガイド治療を確立したいと考えています。

 

ハートラボ社の池川直社長のコメント

「RST®算出プログラム」による心不全遠隔モニタリングは、非侵襲的に症候出現より早期に増悪を検出し、治療目標の設定を可能にする、世界でも類を見ない革新的な技術です。パラマウントベッド社とさらに緊密に連携し、多くの患者様にご利用いただけるよう、臨床エビデンスの蓄積と保険適用の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

 

■日本人工臓器学会と技術賞について

日本人工臓器学会は、人工臓器及びその関連分野の研究の進歩並びに普及をはかり、これを通じて学術文化の発展に寄与することを目的としています。日本人工臓器学会技術賞は、人工臓器の臨床・産業分野において貢献が多大である技術(ハードウエアとソフトウエア)の発明・開発を担った個人あるいは団体を表彰するものです。技術賞受賞者一覧はこちらです。

※ 掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。また、本ニュースリリースは当社の取り組みを報道関係者や株主・投資家をはじめとするステークホルダーの方々へお伝えすることを目的としたものであり、一般の方への医療情報の提供や顧客誘引を目的としたものではありません。

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