認知症の“発症しにくさ”に関わるタンパク質「OMG」を特定 ― 国際学術誌掲載

~世界的な神経変性研究の専門誌『Molecular Neurodegeneration』に掲載~

フォーネスライフ株式会社のプレスリリース

NECグループのフォーネスライフ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:江川 尚人、以下「当社」)は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)、米国国立老化研究所(National Institute on Aging)、スタンフォード大学や、国立長寿医療研究センター、名古屋大学など38研究施設の研究者との認知症関連の研究活動成果が、国際学術誌『Molecular Neurodegeneration』(注1)に掲載されたことをご報告します。
なお、『Molecular Neurodegeneration』は、神経変性疾患の分子・細胞メカニズムに特化した、オープンアクセスの国際学術誌です。

■掲載論文URL https://link.springer.com/div/10.1186/s13024-025-00921-1

※上記URLでは、研究結果を速やかに公開するため論文内容が未編集の状態で提供されています。最終版の公開にあたっては、追加の編集作業が行われる予定です。

■論文タイトル
OMG! A proteomic determinant of neurodegenerative resiliency
Michael R Duggan et al.
Mol Neurodegener. 2026.

■論文概要
今回の研究では、脳の中枢神経系に存在する「OMG(Oligodendrocyte Myelin Glycoproteinオリゴデンドロサイト・ミエリン・グリコプロテイン)」というタンパク質が、アルツハイマー病などの認知症から脳を守る力(レジリエンス)に関係していることを、地域・人種・疾患背景の異なる16の独立したコホート(病気の研究のために集められた集団)にて収集されている血液や脳画像などのデータを使って明らかにしました。OMGの量が多い人は、認知症になりにくく、脳萎縮も少ない傾向にあるため、認知機能を保てる可能性を示唆する研究成果となります。

■背景
• アルツハイマー病などの認知症は、脳の神経細胞が壊れていく病気です。
• これまで、アルツハイマー病は、「アミロイドβ」という物質が脳にたまる(蓄積する)ことが原因と考えられてきましたが、それだけでは認知機能の低下を十分に説明できないことも多くあります。
• そこで、血液や脳脊髄液の中にある「タンパク質」に注目して、認知症のなりやすさや進行の度合いを調べる研究を進めました。

■OMGとは
• OMGは、脳の中枢神経系に存在する糖タンパク質です。
• 主に神経を包む「ミエリン」という膜の形成に関わっていると考えられています。
• これまでミエリンの成熟または維持に寄与することが示唆されていましたが、この研究により、OMGが脳を守る働き(神経保護)をしている可能性が示されました。

■研究の方法
• 38の国際的な研究グループが協力しアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど地域・人種・疾患背景の異なる16の独立したコホートで、数万人の血液や脳のデータを集めました。
• 血液や脳脊髄液に含まれるタンパク質の量を網羅的に測るために、血中タンパク質を一括で測定できる先端技術 SomaScan™ Assayを使いました。
• 認知症の有無、脳の構造、記憶力の変化なども調べました。

■主な結果
• OMGの量が少ない人は、脳にアミロイドβがたまりやすく、認知症になりやすいことがわかりました。
• OMGが少ないと、脳の萎縮が進み、記憶力も早く低下していく傾向がありました。
• 一方で、OMGが多い人は、神経の構造が保たれており、認知症になりにくいことが示されました。
• 遺伝子の分析からも、OMGが多いことが神経の病気から脳を守る原因の一つである可能性が高いとわかりました。

■結論
• OMGは、認知症になりにくい体質(レジリエンス)を持つ人の特徴として注目に値することが提唱されました。
• OMGの量を血液で測ることで、将来の認知症リスクを予測したり、早期に対策を立てたりする手がかりになるかもしれません。
• また、OMGを増やすような生活習慣改善や新しい治療法の開発にもつながる可能性があります。

■論文情報

タイトル:OMG! A proteomic determinant of neurodegenerative resiliency.
著者: Michael R. Duggan, Hamilton Se-Hwee Oh, Philipp Frank, Gabriela T. Gomez, David Zweibaum, Yuhan Cui, Jingsha Chen, Aditya Surapaneni, Cassandra Blew, Heather E. Dark, Cassandra M. Joynes, Sridhar Kandala, Murat Bilgel, Amelia Farinas, Guray Erus, Qu Tian, Julián Candia, Krishna A. Pucha, Bennett A. Landman, Logan Dumitrescu, Timothy J. Hohman, Alexandria Lewis, Abhay Moghekar, Fatemeh Siavoshi, Muhammad Ali, Menghan Liu, Ying Xu, Daniel Western, Naoto Kaneko, Shintaro Kato, Makio Furuichi, Masaki Shibayama, Masahisa Katsuno, Yukiko Nishita, Rei Otsuka, Rebecca F. Gottesman, Eric B. Dammer, Nicholas T. Seyfried, Allan I. Levey, Erik C. B. Johnson, Elizabeth Mormino, Anthony D. Wagner, Kathleen L. Poston, Dimitrios Kapogiannis, Morgan E. Grams, Pavan Bhargava, Iwao Waga, Christos Davatzikos, Susan M. Resnick, Luigi Ferrucci, David A. Bennett, Carlos Cruchaga, Tony Wyss-Coray, Mika Kivimäki, Josef Coresh, Keenan A. Walker

【フォーネスライフとは】

フォーネスライフは、デジタル技術でヘルスケア領域にソリューションを提供するNECソリューションイノベータが100%出資する会社です。米国Standard BioTools™社の血中タンパク質測定技術と、NECグループのビッグデータ解析・先端ICTを用い、認知症などの将来の疾病リスク予測に基づく、一人ひとりに適した生活習慣の改善提案を行うことで、“誰も病気にならない未来”、“誰もが自分らしく生きられる社会”の実現を目指しています。 

フォーネスビジュアスは、少量の血液(注2)から約7,000種類のタンパク質を一度に解析する世界初(注3)の技術を活用することで、「将来の疾病リスク」と「現在の体の状態」を可視化し、一人ひとりに合わせた生活習慣の改善を提案する新時代のヘルスケアサービスです。(注4)

「フォーネスビジュアス」について

一般のお客様向け:https://foneslife.com/

法人のお客様向け:https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/fonesvisuas/

フォーネスライフは、最大約11,000種類のタンパク質を一度に測定し、バイオマーカーの探索を効率化するタンパク質測定サービス「SomaScan™ Assay」の提供も行っています。

SomaScan™ Assay:https://discovery.foneslife.com/

会社名

フォーネスライフ株式会社(FonesLife Corporation)

所在地

東京都中央区日本橋本町三丁目8-3

代表者

代表取締役CEO 江川 尚人

資本金

325百万円(NECソリューションイノベータ100%)

事業内容

血中タンパク質測定
健康状態の測定およびその改善に係るサービス事業
関連する情報サービスの提供 など

URL

https://foneslife.com/company

またフォーネスライフは「健康経営企業」として、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する健康経営を推進することを宣言しています。 当社では“健康寿命を延ばし、その延伸に合わせて定年も延長していく”という考え方のもと、定年を日本人の平均健康寿命と同等の年齢に設定しています(2025年現在は75歳)。今後も、健康寿命の延伸に応じて定年年齢の見直し・延長を行っていきます。 人生100年時代、当社は「誰もが自分らしく生きられる社会を実現する」ことを掲げ、リモートワーク、フルフレックス、ワーケーション、副業可(条件付き)など柔軟な働き方を整備し、社員一人ひとりが自分らしく働き続けられるよう、健康づくりを支援します。

※記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>

フォーネスライフ株式会社

https://foneslife.com/contact/

<本件に関する報道関係からのお問い合わせ先>

フォーネスライフ 広報担当
fones-mk@nes.jp.nec.com

注1 世界的な学術・科学出版社 Springer Natureグループ(BMC)が出版する、神経変性研究の専門誌。
注2 2mLまたは5mLの採血。

注3 米国Standard BioTools™社の約7,000種類のタンパク質を一度に測定する世界初の技術。

注4 フォーネスビジュアス検査は医療機関の医師を通して提供します。また、健康保険の対象ではありません。医療機関の自由診療として実施されます。

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