日本腎臓病協会とアストラゼネカ、CKD(慢性腎臓病)市民公開講座「知ろう CKD。続いてほしい今日があるから。」を開催

CKD2,000万人時代に、良質な治療の普及を目指す新たな取り組み「CORE PROJECT」を発表。腎臓病啓発アンバサダー 檀れいさんが特別ゲストとして登場し、早期治療の重要性を発信

アストラゼネカ株式会社のプレスリリース

NPO法人日本腎臓病協会(所在地:東京都文京区、理事長:柏原 直樹、以下、日本腎臓病協会)とアストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、CKD(慢性腎臓病)に関する市民公開講座「知ろう CKD。続いてほしい今日があるから。」を、2026年3月1日(日)に都内で開催しました。本講座では、3月12日の世界腎臓デーを前に、国民病とされるCKDの正しい知識と、良質な治療の普及を目指す新たな取り組み「CORE PROJECT」の概要を初公開し、多くの参加者と共にCKDへの理解を深めました。

CKDは日本人成人の約5人に1人、約2,000万人1が該当するとされる一方で、初期には自覚症状が乏しく、約9割が未診断*2,3とも言われる「知られざる国民病」です。重症化すると人工透析や腎移植を必要とする末期腎不全のリスクが高まりますが、末期腎不全に至る前にも、心筋梗塞、心不全といった心血管疾患のリスクを高め、全身の健康に大きな影響*4-6を及ぼします。こうした背景を踏まえ、「生活者がCKDを正しく理解し、早期発見・適切な医療につなげること」 をテーマに開催された本講座には、会場とオンラインを合わせ多くの方が参加しました。

当日は、川崎医科大学高齢者医療センター病院長 / 日本腎臓病協会 理事長の柏原直樹先生による講演「腎臓病の克服に向けて」で始まり、日本腎臓病協会とアストラゼネカが、「良質なCKD治療の普及」を活動の大きな目的として開始した「CORE PROJECT」の概要を初めて発表しました。2022年に腎臓病啓発アンバサダーに就任した檀れいさんを通じ「GFR値が59以下の方は、お医者さんにご相談を。」というメッセージを広く継続的に発信してきた活動の貢献もあり、2021年以降、わが国の新規透析患者数は減少傾向*7に転じたと捉えているとしたうえで、人の健康にとって“コア”となる臓器である腎臓の役割等から名づけられた同プロジェクトにより、各地でCKDの早期発見、早期治療を推進し、CKDの3つの治療目標である、末期腎不全への進展阻止やCKDによる心血管疾患の発症予防、死亡リスクの軽減を目指していくことが表明されました。

次に、大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授の猪阪善隆先生が「慢性腎臓病(CKD)2,000万人時代 未来のためにできること」を講演しました。腎臓でフィルターの役割を果たす糸球体の異常は血液/尿検査でどのような結果となって現れるかを示し、GFR値に注意することはCKDの早期発見において不可欠と解説。また、CKDは末期腎不全に至るリスクを高めるだけでなく、GFRが低下するほど心血管疾患による入院、死亡のリスクが上昇することについて紹介しました。CKD治療では、禁煙、節酒、食事、運動、生活リズム、体重管理といった生活改善に加え、血圧、血糖、脂質等のCKDの原因や、貧血等のCKDによる症状、さらにCKDそのものの進行に対する薬物療法がカギとなることと、早期診断・早期治療の重要性についてわかりやすく解説されました。

続いて、クロストークセッション「あの日、治療と向き合ってよかった。~檀れいさんと学ぶ、CKD早期治療のホントの価値~」では、専門医の先生方に加えて腎臓病当事者の細越百合香さん、腎臓病啓発アンバサダーの檀れいさんが登壇。第一線の専門医による解説や当事者の体験談を踏まえながら、檀さんは生活者の立場から率直な思いを語りました。クロストークセッションでのコメントは以下の通りです。

柏原直樹先生(川崎医科大学高齢者医療センター病院長 / 日本腎臓病協会 理事長)

「2018年の日本腎臓病協会設立の際、“患者さんをひとりにしない”を共有の価値観とし、看護師、薬剤師、栄養士等に必要な知識をつけていただく“腎臓病療養指導士”制度を始めました。そして、患者さんと良質な腎臓病医療との隙間を埋める“協力医”制度も今まさに立ち上がろうとしています。腎臓病は専門医の助けを必要とすることが少なくありませんが、かかりつけ医・専門医等の医療従事者が一緒に病気を受け止めてくれる環境になりつつあるのだということを、CKD患者さんにはぜひ知っていただきたいと思います」

猪阪善隆先生(大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授)

「高血圧や糖尿病等によるCKDでは、持病の治療はしているが、CKDが引き起こす心臓の病気まで想定されていないことがあります。CKD患者さんの命を守るためにかかりつけ医の先生方の果たす役割は非常に大きく、心臓等への影響を念頭に置くことの大切さについて、腎臓専門医としてかかりつけ医の先生方にアピールしていくことも重要だと考えています。協力医制度では、かかりつけ医のうちCKD診療に関心が高く、専門医への紹介が必要な場合を適切に判断できる先生方をホームページなどで“みえる化”する活動に取り組んでいきます」

内田啓子先生(横須賀クリニック 診療部長 / 東京女子医科大学 腎臓内科 客員教授)

「CKDは自覚症状が乏しい病気ですので、検査結果は重要です。結果を見る際のポイントは、“現状の数値を見ること”と“変化を知ること”の2つ。変化は、去年/今年や具合が悪い時/そうではない時の数値を比較してみます。かかりつけ医があれば、普段の状態との変化を診てもらいやすいですし、そうでない場合は過去の健診結果を持参して受診すると良いですね。私自身は、人工透析患者さんの診療に日々向き合っていますが、本日のように早期発見・早期治療を啓発する活動にも積極的に貢献していきたいと考えています」

檀れいさん(俳優 / 腎臓病啓発アンバサダー)

「2022年から腎臓病啓発アンバサダーとして活動していますが、啓発ポスターをきっかけに声をかけていただくこともあり、検査結果ではGFR値に注目するようになって、“腎臓の健康”は私にとっても身近なテーマになりました。かかりつけ医と専門医の先生方がタッグを組んで命を守るという取り組みはとても心強く感じましたし、細越さんご自身の病気との向き合い方という貴重なお話も聞かせていただき、私だけではなく、今日参加された皆さんにとってもCKDについてより深く学べる時間になったのではないかと思います。人生100年時代を健康に楽しく過ごせるよう、今日の学びを活かしていただけたら嬉しいです」

細越百合香さん(CKD患者さん)

「病気になって、私がやってよかったなと思ったことは“腎臓を知る”ことです。腎臓にとって良いこと、良くないことを正しく理解すること。そうすることで、腎臓病に対する漠然とした不安がぐっと減りますし、かかりつけ医が言っていることが深く理解でき、適切な質問ができるようになりました。病気というとお医者様に治してもらうという感覚になりがちですが、検診の血液検査や尿検査の結果を“治療の通知表”と捉えて、主治医の先生とはたくさんお話をしています。私は“腎臓との対話”と“かかりつけ医との対話”をこれからもしっかり頑張っていきたいなと考えていますし、皆さんにもおすすめしたいと思います」

■イベント概要

タイトル:

CKD市民公開講座「知ろうCKD。続いてほしい今日があるから。」

共催:

NPO法人 日本腎臓病協会/アストラゼネカ株式会社

日時:

2026年3月1日(日)11:00~12:30

会場:

グランドハイアット東京

プログラム:

・オープニングセッション

登壇者:柏原直樹先生

(川崎医科大学高齢者医療センター 病院長 / 日本腎臓病協会 理事長)

・講義セッション

登壇者:猪阪善隆先生

(大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学 教授)

・クロストークセッション

登壇者:

柏原直樹先生

内田啓子先生(横須賀クリニック 診療部長 / 東京女子医科大学 腎臓内科 客員教授)

檀れいさん

細越百合香さん(CKD患者さん)

                                            以上

*****

慢性腎臓病について

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患です(eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、3カ月以上続いている場合と定義されています*8)。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎です(*9)。CKDは高い有病率があり、心不全や若年死をもたらす心血管イベントリスクの増加に関与しています4。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、透析療法や腎移植を必要とする状態となります(*10)。ただし、CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています(*6)。

NPO法人日本腎臓病協会について

日本腎臓病協会は、医療者、市民、関連企業、行政等が連携し腎臓病を克服するために、立ち上げた組織です。腎臓病の普及啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養指導士制度の運営、患者会との連携、アカデミアと関連企業・行政等が連携するプラットフォームである「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」の運営等の事業を積極的に展開しています。腎臓分野において、日本全国どこにいても、良質な医療の恩恵を享受できる環境の実現に尽力しています。日本腎臓病協会についてはhttps://j-ka.or.jp/をご覧ください。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について

バイオファーマ領域の一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、肝臓、膵臓等の臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制や防止、さらに最終的には再生治療への道を拓くことで臓器保護をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。また、当社は、CVRM疾患の相互関連への理解を深め、疾患を引き起こす機序を標的とし、より早期に、より効果的な検知、診断、治療を実現することによって、世界中の無数の患者さんの転帰を改善し、命を救うことを目指しています。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References:

1.    一般社団法人 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024

2.    Tuot DS, et al. Chronic kidney disease awareness among individuals with clinical markers of kidney dysfunction. Clin J Am Soc Nephrol. Aug 2011;6(8):1838-44.

3.    World Kidney Day [Internet]. Chronic Kidney Disease [cited 2023 July 21]. Available from: https://www.worldkidneyday.org/facts/chronic-kidney-disease/

4.    NIH StatPearls Chronic Kidney Disease https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK535404/

5.    二宮利治ら、綜合臨牀 2006.4、Vol.55、No4、1248-1254

6.    Briasoulis A, et al. Curr Cardiol Rep. 2013;15(3):340.

7.    一般社団法人日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024 年 12 月 31 日現在)

8.    Bikbov B, et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2020;395(10225):709-733.

9.    National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Disease (NIDDK) Causes of Chronic Kidney Disease; 2016. Available at: https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/chronic-kidney-disease-ckd/causes. Accessed March 2024.

10.   Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Chronic kidney disease in the United States; 2021

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