小学校教諭の約8割が実感「4月の子どもの不調」、保護者との差を示唆 小学1年生に多い「春の初バテ」から見える、幼少期からの生活習慣の重要性

キリンホールディングス株式会社のプレスリリース

 キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志)は、小学校1年生の担任経験がある現役教諭および小学生の保護者を対象に、「春の子どもの体調変化に関する調査」※1を実施しました。

 本調査は、新学期が始まる4月に子どもたちに見られる体調や様子の変化について、学校現場と家庭の双方の視点から明らかにし、新生活が始まる春の子どもの健康管理への理解を深めることを目的として実施しました。

※1 調査対象:①全国の小学校1年生の担任経験がある現役小学校教諭 500名 ②全国の小学生の子ども(1年生~6年生)と同居する保護者1004名 / 調査方法:インターネットアンケート調査 / 調査 期間:2026年2月25日~27日

※2 寒暖差や気圧の変化や、新生活の環境の変化による「初めての体験の連続による負荷」による“疾患未満の不調”を示す概念

※3 本調査でいう「不調」とは、医療機関で診断されるような明確な病気や感染症ではなく、子どもの様子が「いつもと違う」と感じる、だるさ・疲れやすさ・眠気・

集中力の低下などの、原因がはっきりしない体調や様子の変化を指します。

 調査の結果、小学校教諭の約8割(83.4%)が「4月は児童の”なんとなくの不調”が多い」と感じており、その傾向は、幼稚園・保育園から小学校へと大きな環境変化を迎える小学1年生で、特に強く見られました。一方で、4月の子どもの不調を感じている保護者は約3割(34.2%)にとどまり、学校現場と家庭との間で、子どもの体調変化に対する認識に差がある可能性が示されました。

 新しい環境への緊張や生活リズムの変化などが重なる4月は、子どもにとって心身の負担が大きくなりやすい時期です。本調査では、この時期に見られるだるさや疲労感、眠気といった不調が、特に小学1年生に多く確認され、「春の初バテ」※2ともいえる状態であることが確認されました。

 また、学校と家庭の双方で、無理をさせないことや、睡眠・食事など生活面への配慮が意識されている様子もうかがえました。幼少期は免疫の基盤づくりに関わる重要な時期とされていることを踏まえると、日々の生活習慣を整え、「健康の土台」を支えていく視点の重要性が示唆されます。

小学生の新学期の実態

■4月は小学生の不調が多いと教諭の約8割以上が実感しているが、家庭では気づきにくい可能性

 「新学期である4月は、他の月に比べて児童の体調や様子の不調※3が多いと感じるか」と尋ねたところ、小学校教諭の83.4%が「多い」と回答しました。新学期のスタート時期は、学校現場で児童の心身の変化が表れやすいことがうかがえます(図1)。一方で、「4月に子どもの不調を感じることはあったか」という質問に対し、「ある」と回答した保護者は34.2%にとどまり、家庭ではこうした変化に気づきにくい可能性が示唆されました(図2)。

図1
図2

■学校や家庭でも「小学1年生の4月は他学年よりも不調が多い」と実感

 「小学1年生の4月は他学年より不調が多いと感じるか」という質問では、教諭の81.2%、保護者の54.6%が「そう感じる」と回答しました。学校・家庭の双方において、入学によって生活環境が大きく変わる小学1年生の4月は、他学年と比べて不調が多い時期であると認識されていることがうかがえます(図3)。

図3

4月に見られる“なんとなくの不調”についての考察

■4月に見られる不調は「疲労感」「眠気」「ぼーっとしている」など、“なんとなくの不調”が中心

 教諭が4月に学校で見られる児童の不調として多いと感じているものとしては、「疲れていそう・元気がなさそう」(51.6%)、「ぼーっとしている」(42.0%)、「授業中に寝てしまう・遅刻が増える」(36.9%)が挙げられました。また、保護者も家庭において、「疲れていそう・元気がなさそう」(49.9%)「朝起きられない・帰宅後すぐ寝てしまう」(41.7%)、「ぼーっとしている」(26.0%)といった子どもの不調を感じていることが分かりました(図4)。

 学校と家庭の双方で、疲労感や眠気、ぼんやり感など、はっきりしない体調の変化が多く見られた結果となりました。こうした症状は日常の体調変化として見過ごされやすいものの、新生活による生活リズムの変化や疲労の蓄積といった、日常生活の影響によって現れやすい体調の変化であると考えられます。

図4

■4月の不調の原因は「新しい環境への緊張・疲れ、生活リズムの変化」と学校と家庭の双方で認識

 「4月に児童の不調を感じている」と回答した教諭に対し、「新しい環境での緊張・疲れ、生活リズムの変化」が原因として関係しているかを尋ねたところ、93.3%が「そう思う」と回答しました。保護者調査でも、不調を感じた保護者の79.0%が同様に感じており、4月の子どもの不調は学校と家庭の双方で、環境や生活リズムの変化による影響が大きいと認識されていることが分かりました(図5)。

 具体的な要因として、教諭は「新しい環境での緊張や気疲れ」(55.3%)、「通学の変化による疲労」(42.2%)、「授業や宿題など学習習慣への適応」(39.6%)などを挙げています。保護者においても、「新しい環境での緊張や気疲れ」(56.5%)が最も高い結果となっており(図6)、通学や授業、学習習慣など新しい学校生活への適応に伴う環境変化が、学校と家庭の双方で、子どもの体調に影響していると捉えられていることがうかがえました。

図5
図6

4月に見られる “なんとなくの不調”への対応

■4月の不調への対応として、教諭は「無理をさせない配慮」、保護者は「様子を見る・話を聞く」が上位

 学校現場で意識的に行われている4月の不調への対応としては、「休憩や無理をさせない配慮」が51.3%と最も多く、「こまめな声かけや様子観察」(49.4%)、「睡眠や朝食など生活面についての声かけ」(40.8%)が続きました。

 一方、家庭において4月の不調を感じた際の対応として、保護者は「子どもの様子をみる・話を聞く」(53.1%)、「早寝など睡眠を確保する」(46.4%)、「食生活を整える」(38.5%)といった行動をとっていることが分かりました(図7)。

 こうした結果から、学校と家庭の双方において、子どもの様子を丁寧に見守ることに加え、無理をさせないことや生活リズムを整えることを意識した対応が行われていることがうかがえます。新生活が始まる時期は環境変化による疲れが出やすいことから、日頃から睡眠や食事などの基本的な生活習慣を整えておくことが、子どもの体調管理や健康の土台づくりにつながると考えられます。

図7

■「小学1年生の4月は特に体調管理が重要」と学校・家庭ともに認識

 小学校入学によって生活環境が大きく変わり、幼稚園・保育園と比べて子どもにとって負担になると感じることについて尋ねたところ、教諭調査では「生活リズムの変化(起床時間・下校時間など)」が40.4%で最も多く、「集団行動で常に気を張ること」(36.8%)、「荷物が増えた・重い」(34.6%)が挙げられました。保護者調査でも「生活リズムの変化(起床時間・下校時間など)」が37.2%で最も多く、「荷物が増えた・重い」(34.2%)、「通学の変化(距離・時間)」(32.2%)と続きました(図8)。

 さらに、小学校入学によって生活環境が大きく変わる小学1年生の4月について、「特に体調管理に注意すべき」と考える人は、保護者で72.0%、教諭で81.6%に上りました。入学直後の4月は、児童の体調管理が特に重要な時期であるという認識が、学校と家庭の双方で共有されていることが明らかになりました(図9)。

図8
図9

■一般社団法人日本臨床統合医療学会 理事長 川嶋 朗医師からのコメント

 新学期が始まる4月は、子どもにとって生活環境が大きく変化する時期です。特に小学1年生は、幼稚園や保育園とは異なる生活リズムや長時間の学校生活に適応する必要があり、知らないうちに心身に負担がかかりやすくなります。こうした環境の変化や緊張は自律神経のバランスに影響を与えやすく、だるさや疲労感、眠気、集中力の低下といった、はっきりとした原因が見えにくい不調として現れることがあります。いわば、新生活によって子どもが初めて経験する、「春の初バテ」ともいえる状態です。

 「春の初バテ」とは、環境の変化によって子どもの自律神経のバランスが影響を受け、だるさや眠気などの、いわゆる“なんとなくの不調”として現れる状態ともいえます。子ども自身が不調を自覚しにくい場合も多いため、家庭では「疲れていないか」「睡眠は足りているか」など、子どもの様子の変化に目を向けることが大切です。特に入学直後の時期は、無理をさせすぎず、生活リズムを整えることが重要です。

 また、健康の土台をつくるうえでは、幼少期から基本的な生活習慣を整えることが大切です。特に幼少期は免疫の基盤が形成される重要な時期であり、朝食をしっかりとること、質のよい睡眠、適度な運動といった日々の生活習慣は、自律神経を整えるだけでなく、体の免疫機能を維持するうえでも重要な要素となります。新しい環境に慣れるまでの時期は、家庭でも子どもの体調変化に目を向けながら、心身を整える生活を意識していくことが大切です。特に小学校入学のタイミングは、子どもにとって大人が想像する以上に心身の負荷が大きい時期といえるでしょう。

<オピニオンプロフィール>

川嶋 朗(かわしま あきら)氏

一般社団法人日本臨床統合医療学会 理事長

統合医療SDMクリニック 院長

北海道大学医学部医学科卒業

東京女子医科大学大学院医学研究科修了

ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学などを経て現職

自然治癒力を重視し、近代西洋医学と補完代替医療を統合した医療の実践を日本の医科大学で初めて立ち上げ、現在、日本初の高等教育機関における統合医療教育を実施中。日本の医療系の大学の統合医療の教育・臨床・研究の第一線に立っている。

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