株式会社コーセーのプレスリリース
株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:田中 慎二)は、パナソニック インダストリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小澤 正人)との共同開発により、しみやあざといった深い肌悩みを解消する「ナノコンシーラーシート」を開発しました。この技術は「気になるしみやあざ悩みを、自然にカバーしたい」という従来の化粧品だけでは解消しきれなかった要望に、ナノメートル単位で積層したコンシーラーシートで応えるものです。
研究の背景
しみやあざは、当事者の生活の質QOLに大きな影響を与える深刻な悩みです。当社はこの悩みの実態を把握すべく、15~69歳の日本人男女を対象に大規模なインターネット調査を実施しました。その結果、しみ・あざに対して何らかの悩みを抱える人の割合は約4割を占め、そのうち約7割の人が「肌悩みをカバーしたい」という強い意向を示していることが確認できました。
アンケートの回答からは、肌悩みがあることで「自分に自信が持てない」「気持ちが落ち込む」「周囲の目が気になる」といった回答が多く、肌の症状が心理的な負担や社会参画の障壁となっている現状が分かりました。本調査により、しみ・あざは普遍的に存在する肌悩みであり、それは深刻な「社会的・心理的な課題」であることが浮き彫りになりました。さらに、「有効な対処法がない」も回答上位に挙がっていることから、市販されている化粧品を使うだけで簡単に解消できる悩みではないことが伺えました。
ナチュラルハイカバーを叶えるナノコンシーラーシートを開発
しみ・あざに対応するアイテムとしてコンシーラーやシートタイプが存在しますが、深い肌悩みに対応するためカバー力を高めると厚塗り感のある不自然な仕上がりに、自然さを求めるとカバー力が不足するというトレードオフ関係にありました。そこで、このトレードオフを解消する「ナチュラルハイカバー」の実現を、従来の化粧品ではなく独自の「ナノコンシーラーシート」というアプローチで解決することを目指しました。通常、コンシーラーなどの化粧品やシートタイプの製品の膜厚は1,000分の1ミリメートル以上の厚みがあり、カバー力は付与できるものの厚塗り感や不自然さの要因でした。そこで、超薄膜のナノシート(1,000,000分の1ミリ程度)に特殊な印刷を施すパナソニック インダストリー株式会社の技術を取り入れ、当社独自のコンシーラーヴェール理論を搭載しました。
自然な肌なじみを叶える独自のコンシーラーヴェール理論の搭載
当社独自のコンシーラーヴェール理論は、様々なしみやあざの解析結果から導かれた2つの理論で構成されます。ひとつめは、グラデーションブレンド理論です。しみやあざの辺縁部と周囲の肌色との境界のコントラスト差を緩やかなグラデーションで段階的になじませることで、自然なカバーを実現することができます。ふたつめは、スキンミミクリー理論です。ミクロな視点で肌色を解析してみると、非常に微細な色むらを有していることが分かり、この不均一性をあえて再現することでシート特有の「貼っている感」を極限まで減らし、自然な仕上がりを実現しました。
このように、ナノオーダーという超薄膜シートにカバー成分を高密度で積層させ、さらに独自のコンシーラーヴェール理論より導かれた従来の化粧品では再現の難しい緻密なデザインを搭載することで、高いカバー力を付与しながら自然に肌になじむ「ナチュラルハイカバー」を実現し、トレードオフの解消に成功しました。プロトタイプ品によるモニターテストにおいても、「しみを自然にカバーできた」「白斑を目立たなくすることができた」「肌にぴったりとフィットする肌なじみ」という品質面に加え、「症状悩みが気にならなくなった」「貼っていることでの安心感、気持ちの余裕が出来た」など心理的効果に対するポジティブな声が寄せられました。
今後の展望
本研究を通じ、これまで解決策が不十分であったしみ・あざなどの深い悩みを抱える方の声に改めて耳を傾けて実態を解明した結果、悩みに寄り添ったソリューションの提供が待ち望まれていることが分かりました。今後もお客さま一人ひとりが自分らしく心豊かに生きられる世の中を目指し、社会や顧客課題の解決に向け、研究活動を進めていきます。