紫外線・表情圧が睡眠時のコラーゲン産生にブレーキをかける可能性

「睡眠時のハリ回復力」を考えた、シワのための肌ストレスケアを新提案

株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのプレスリリース

 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、長年のシワ研究で紫外線や表情圧などの日中の肌ストレスがシワの引き金になることに着目してきました。今回、睡眠時の成長ホルモンによる肌の回復に着目し、細胞レベルで以下の2点を明らかにしました。

  1. 日中の肌へのストレス(紫外線や表情圧(※1))を模した刺激により、真皮線維芽細胞における、成長ホルモンによるタンパク質産生促進効果が表れにくくなる

  2. 日中の肌へのストレスを模した刺激を与えた真皮線維芽細胞において、ビワ葉とレモングラスの混合エキスにより、成長ホルモンによるコラーゲンの材料「プロコラーゲン(※2)」の産生促進作用が回復する

このことから、紫外線や表情圧にさらされシワができやすい部位では、成長ホルモンによる回復効果が低下している可能性と、植物エキスにより回復力を戻せる可能性が確認されました。

※1 笑う・話す・眉を動かすなど、表情の動きに伴って皮膚にかかる圧縮力。特にシワのできる部位で生じ、シワ形成の一因と考えられている。

※2 コラーゲンの前駆体。細胞内で作られたプロコラーゲンが細胞外に分泌され重合すると、肌の弾力を保つコラーゲン線維になる。

 睡眠中に分泌される成長ホルモンと肌回復の関係

 良い肌状態を保つためには、睡眠が重要だと考えられています。成長ホルモンは睡眠開始から数時間後に分泌量が増え、細胞表面にある受容体※3に結合することでタンパク質の産生を促進します(補足資料1)。肌の弾力を保つコラーゲンの材料「プロコラーゲン」の産生もこの仕組みの中で促進されます。一方で、「しっかり眠っているのに肌のハリが回復しにくい」と感じる人もいます。そこで本研究では、成長ホルモンが分泌されていても、その働きが十分に発揮されない場合があるのではないかと考え、検証を行いました。  

※3 成長ホルモン受容体(Growth Hormone Receptor)

 紫外線や表情圧が、成長ホルモンの働きを弱める可能性

 日中の肌へのストレス要因として、「紫外線」と、特にシワができる部位で生じる、表情の動きに伴い皮膚にかかる「表情圧」に着目しました。紫外線や表情圧を模した刺激を真皮線維芽細胞に与えたところ、成長ホルモン受容体の発現量が減少しました(補足資料2)。また、成長ホルモンが存在していても作用が十分に伝わらず、タンパク質の産生が促進されにくくなることが分かりました(図1)。つまり、日中の肌へのストレスが、睡眠による弾力性回復にブレーキをかけ、特にシワができる部位は影響を受けやすい可能性があります。

 次に、ストレス要因の影響を和らげる成分を探索したところ、ビワ葉とレモングラスの混合エキスが成長ホルモン受容体の発現量を回復し(補足資料2)、成長ホルモンのプロコラーゲン産生促進作用を回復することを細胞レベルで確認しました(図2)。

 本研究から、睡眠時の肌のハリ回復力を引き出すには、睡眠だけでなく日中に受ける肌ストレスへのケアも重要であると考えられます。


 【補足資料1】 成長ホルモンの受容体について

 血液により各組織に運ばれた成長ホルモンが細胞表面の成長ホルモン受容体に結合すると、細胞内にシグナルが伝わり、コラーゲンの材料「プロコラーゲン」などのタンパク質の産生が促進されます(図3)。また、真皮線維芽細胞にも成長ホルモン受容体があることが示唆されています。

                        

  

 

【補足資料2】 日中のストレス要因による成長ホルモン受容体の発現減少と混合エキスの作用

 真皮線維芽細胞に紫外線B波(UVB)や表情圧を模した刺激を与え、成長ホルモン受容体の発現量を測定したところ、これらの刺激により成長ホルモン受容体の発現量が減少することが分かりました。さらに、そこにビワ葉とレモングラスの混合エキスを加えると、成長ホルモン受容体の発現量が回復することが分かりました(図4)。実際に、紫外線による刺激を与えた細胞では、成長ホルモンによるプロコラーゲン産生促進作用が認められませんでしたが、混合エキスにより作用が回復することを確認しました(図2)。

 つまり、混合エキスにより、紫外線や圧縮刺激といったストレス要因が与えられていても、細胞が成長ホルモンを受け取りやすくなり、成長ホルモンによるタンパク質産生促進作用が回復することが示唆されました。

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