~DX加速により品質向上と持続可能な働き方の両立へ~
ロート製薬株式会社のプレスリリース
ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:瀬木英俊)は、アラインテック株式会社(本社:山口県岩国市、代表取締役社長:上田文雄)と共同で、医薬品等に求められる高い品質管理の実現と、労働人口の減少に伴う技術者不足や働き方の変革への対応のため、HPLC(液体クロマトグラフィー)分析前処理自動化装置を開発し、ロートグループ品質検査センター(大阪府茨木市)において、実用化に向けた稼働確認を開始しました。今後も、品質保証体制の強化を通じて、お客様へ高品質な製品を安定的に届ける取り組みを進めてまいります。
※HPLC(液体クロマトグラフィー)とは、液体を移動相として用い、カラム内の充填剤との相互作用の違いを利用して、混合物中の成分を高精度かつ高速に分離・定量する分析手法です。液体クロマトグラフィーは、製造された製品に含まれる有効成分の量を測定し、規格どおりに配合されているかを確認するために用いられる品質管理上の重要な分析方法です
■背景
少子化に伴う労働力不足が社会課題となる中、当社は、高品質な製品を安定的に提供し続けながら、人が、ロボットでは代替しにくい「考えること」や「新たな価値を創造すること」といった、より高度で付加価値の高い業務に注力できる環境を実現したいという考えのもと、HPLC前処理自動化装置の開発に取り組みました。
また、当社ではお客様の多様なニーズに応えるため、幅広い製品を少量多品種で生産を行っています。そのため、本装置の開発においても、多様な製品や試験条件に柔軟に対応できる装置であることも重視しました。
近年、医薬品業界では品質管理の重要性が改めて強く認識されています。試験業務においては、従来、作業が適切に実施されたことの確認手段が紙や電子記録を中心としており、実際の作業手順や操作状況を客観的に示すには課題がありました。
こうした背景を踏まえ、当社は、試験プロセスそのものの信頼性と透明性を高めることが、医薬品の品質確保につながると考えています。今回、HPLC前処理における一連の操作を自動化することで、手順の標準化、トレーサビリティ(全てのプロセスを追跡・記録できる仕組み)の向上、ヒューマンエラーの低減を図り、試験結果の信頼性向上を目指します。
■HPLC分析前処理自動化装置について
HPLC分析前処理自動化装置は、一般的に対象工程、対象品目を限定して製作されることが多い中、本装置は、少量多品種の検体に対応し、多様な分析法を連続してスケジュール運転できる全自動装置です。
装置起動後は作業完了まで人手を介することなく、検体・ガラス容器・溶媒をストッカーで一元管理し、前処理からHPLC分析前のバイアル充填までを自動で行います。
また、QRコードによる検体・器具・溶媒の管理によりトレーサビリティを確保するとともに、権限設定に基づく操作履歴や標準品・検体がマスター設定どおりの操作条件及び容量で処理された記録を保存します。さらにホールピペットやメスフラスコの標線合わせ画像を保存することで、監査証跡にも対応しています。
加えて、器具をワンウェイで使用する設計により、コンタミネーションリスクの低減にも配慮しています。
本装置導入により、技術者の習熟度にかかわらず、標準化された試験操作が可能となり、熟練者の技術に依存しにくい品質管理体制の構築に加え、試験操作に関する教育時間の削減にも貢献します。
<装置紹介動画>本装置の全体構成や自動運転の様子をご覧いただけます
■今後の展望
ロートグループ品質検査センターにてHPLC分析前処理自動化装置の稼働確認を進めます実用化を進めることで、高品質な製品を安定的に提供し続けながら、技術者が「新たな価値創出」により専念できる環境の拡大を図るとともに、試験プロセスの信頼性・透明性向上を通じて、品質に対するさらなる信頼向上を目指します。