老化関連マーカーや炎症性サイトカインの抑制、組織修復関連遺伝子の発現を確認。第125回日本皮膚科学会総会で発表。
株式会社エテルナムのプレスリリース
『永遠の美しさへの夢が、 夢に終わらない未来を創りあげること』を使命に掲げる、化粧品の研究開発・製造販売を行う株式会社エテルナム(本社:東京都渋谷区、代表取締役:松本隆明)は、2024年5月から約2年間、順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究所との共同研究講座「皮膚抗加齢再生医学講座」において、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が皮膚細胞に及ぼす抗老化作用およびそのメカニズムについて検証してきました。
このたび、その研究成果を2026年6月11日(木)~6月14日(日)に開催された、第125回日本皮膚科学会総会にて発表いたしました。
演題名:『ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液はヒト上皮細胞のUVA・酸化ストレス誘導性細胞老化を緩和する』 番号:P1-18
演題名:『ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液によるヒトケラチノサイトの網羅的遺伝子解析』 番号:P1-19
研究背景・目的
ヒト臍帯から調製された間葉系幹細胞培養上清液(UCMSC-CM)は分泌する成長因子、サイトカイン、ケモカイン、細胞外小胞、miRNAなどを含むcell-free secretomeであり、皮膚再生や抗炎症、組織修復、アンチエイジングへの応用が期待されています。一方で、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の作用効果は主に機能解析に基づいており、ヒトケラチノサイトにおける抗老化作用や誘導される遺伝子発現プログラムは十分に整理されていません。本研究ではヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液の皮膚内における老化因子への影響と遺伝子発現を検討することで、老化制御機構の解明を試みました。
研究内容・結果
〇老化因子、炎症性サイトカインの抑制について
<研究内容>
細胞老化は、不可逆的な細胞増殖停止と老化関連分泌表現型(SASP)の放出によって特徴づけられ、組織の環境を変化させ、さまざまな疾患に関与する。老化細胞は加齢に伴って増加する一方で、UVAや活性酸素種(ROS)のような刺激によっても急速に誘導されることが分かっています。
(Gurker et al. Nature Aging 2023; Wang et al. Nat Rev Mol Cell Biol 2024)
上記の内容をもとに、ヒト表皮角化細胞に上図の条件でH₂O₂またはUVA刺激を行いました。刺激後、細胞を25% ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液(UCMSC-CM)または対照培地を含むkeratinocyte basal medium(KBM)で培養しました。RNAはNHEKsから0時間(刺激なし)、刺激後24時間、および48時間の時点で回収し、total RNAをcDNAに変換し、細胞周期停止マーカー(CDKN1A、CDKN2A)およびSASP関連サイトカイン(IL6、IL1A)の発現をqPCRにて定量しました。SA-β-Galの蓄積は刺激後96時間後にSPiDER-β-Galキット(Dojindo)とフローサイトメトリー法を用いて解析しました。
<研究結果>
老化因子の発現抑制
UCMSC-CMを添加しているヒト表皮角化細胞では過酸化水素(H₂O₂)での老化誘導でもUV照射での老化誘導でもp21(CDKN1A)、p16(CDKN2A)の発現抑制が有意に確認されました。
中でも、細胞分裂の抑制に関わるp21の抑制に関しては、H₂O₂刺激でもUVA刺激でも未刺激と同等のレベルまで抑制できることが確認されました。
炎症性サイトカインの発現抑制
IL-6、IL-1αはコラーゲンの分解や角層のバリア機能の低下を引き起こす炎症性サイトカインとして知られており、UCMSC-CMを添加しているヒト表皮角化細胞では過酸化水素(H₂O₂)での老化誘導でもUV照射での老化誘導でもIL-6、IL-1αの発現抑制が有意に確認されました。
β-ガラクトシダーゼの蓄積抑制
左の図は、SPiDER-β-Gal検出キットを用いた老化関連βガラクトシダーゼの蓄積をフローサイトメトリーで検出したデータを示し、右の図はそれをまとめたグラフを表します。
細胞老化に伴って蓄積することが知られているβ-ガラクトシダーゼの細胞内の蓄積が約7%減少していることが確認されました。
〇網羅的遺伝子解析について
<研究内容>
上図のように25%のヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液またはコントロール培地を新生児(0歳)、若年期(12歳)、成人由来(52歳)の表皮細胞にそれぞれ添加し、RNA抽出を行い、RNAシークエンスにかけて、遺伝子解析(GO解析)を行いました。
<研究結果>
GO解析の結果、成人由来の表皮細胞では『組織修復』、『細胞増殖』に関わる遺伝子の発現が強くみられ、特に創傷治癒やケラチノサイトの増殖に関わるサイトカイン(IL-20、IL-24)の遺伝子の発現を上昇させていることがわかりました。
まとめと展望
本研究では、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が、老化関連マーカーや炎症性サイトカインの発現を抑制効果が示されるとともに、成人由来表皮細胞において組織修復や細胞増殖に関連する遺伝子群の発現亢進が確認されました。
これらの結果は、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が、皮膚の恒常性維持にとどまらず、加齢や外的ストレスによって揺らぎやすくなる肌環境に対し、本来備わる健やかな働きを支える可能性を示唆するものです。また、皮膚のコンディション維持や組織の再生メカニズムに関する研究領域においても、新たな知見となることが期待されます。
近年、再生医療分野では、細胞そのものではなく、細胞が分泌する成長因子やサイトカインなどの有用成分に着目した研究が進められています。本研究で得られた知見は、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞培養上清液が持つ可能性をさらに広げるものであり、再生する健やかさや美しさを支える新たなアプローチにつながる可能性を見出しました。
エテルナムは今後も、再生医療研究グループとして培ってきた知見を基盤に、皮膚科学および再生医療研究の発展に貢献するとともに、年齢を重ねることへの不安や美容情報の複雑化に向き合いながら、「未来の美を諦めない」ための研究・開発を継続してまいります。
エテルナムについて
■Eternamブランド
「エテルナム」それは、再生医療研究から生まれたスキンケアブランド。LIPセラムをはじめ、医療機関専売のスキンケア、一般消費者向けのスキンケア等を展開しています。「エテルナム」はラテン語で「永遠」を意味し、希少価値の高い臍帯由来間葉系幹細胞を独自に培養した上清液で、これまでにない美を届けます。心の奥に宿る「永遠の美」への憧れに、贈るもの。 想いに寄り添い、進み続ける自信をくれるもの。エテルナムはそんなブランドでありたいと考えます。
会社概要
社名 :株式会社エテルナム
本社所在地 :東京都渋谷区恵比寿1-21-17-7F
代表取締役 :松本隆明
事業内容 :化粧品製造販売
創業 :2023年7月3日