サノフィ、「アトピー性皮膚炎患者と就労」白書を公開

患者さんの約半数が就職活動に影響、80%以上が仕事のストレスで症状悪化を経験 95%以上が状況を「変えたい」と回答

サノフィ株式会社のプレスリリース

サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦、以下「サノフィ」)は、アトピー性皮膚炎が就職活動や就労、キャリア形成に与える影響について実態を調査した「アトピー性皮膚炎患者と就労」白書を公開いたします。今回の調査は、中等症以上のアトピー性皮膚炎の就労者400名および一般の就労者400名を対象に行いました。

本白書は、アトピー性皮膚炎が皮膚症状にとどまらず、“働くこと”や“人生設計”にどのような影響を与えているかを可視化することで、患者さんを取り巻く職場・社会の理解促進を図ることを目的としています。調査の結果、アトピー性皮膚炎が長期にわたり患者さんの生活に影響する中で、就職活動・職場・キャリアの各段階において影響が生じている実態が明らかになりました。

「アトピー性皮膚炎患者と就労」白書 エグゼクティブ・サマリー

1. アトピー性皮膚炎患者さんの70%以上が小学校までに発症しており、多くの患者さんが幼少期から長期間にわたり症状と向き合いながら、就職活動・職場環境・キャリア形成など働くことに関わる様々な場面で影響を受けている実態が明らかになった

2. 就職活動時に症状を抱えていた患者さんの約半数が「就活に影響した」と回答。見た目に気を使うだけでなく、「症状を見せない工夫」や「職場環境を基準にした就職活動」など、データには表れにくい“見えない負担”を抱えながら社会に出ている実態もうかがえた

3. 半数以上の患者さんが仕事への影響を経験しており、「集中力の低下」「業務効率の低下」など実務面への影響に加え、80%以上が仕事のストレスによる症状悪化を経験するなど、心理面・身体面の双方に負担を抱えながら働いている状況が明らかとなった

4. また、職場における支援については約80%が「ない/わからない」と回答しており、治療と就労を両立するための環境整備が課題として浮かび上がった

5. こうした課題がある中でも、95.8%の患者さんが日常生活の中でアトピー性皮膚炎の状況を「変えたい」と感じており、約70%が分子標的薬への変更意向を示した。一方で、中等症以上の患者さんの約85%が分子標的薬の特徴を「知らない」または「詳しくは知らない」と回答しており、新たな治療選択肢に関する情報提供やアクセス環境の整備の重要性が示された

藤田医科大学 ばんたね病院 総合アレルギーセンター センター長 / 総合アレルギー科 教授  矢上晶子先生は次のように述べています。

「この調査結果は、アトピー性皮膚炎が患者さんの人生に与える影響の深刻さを浮き彫りにしました。幼少期から発症し、就職活動からキャリア形成全般にわたって長年影響を受ける方も少なくありません。アトピー性皮膚炎に関する適切な治療の情報および社会全体での理解促進を通じて、患者さんが症状に左右されることなく、自分らしく働き続けられる社会の実現につながると考えています」

大阪狭山食物アレルギー・アトピーサークル「Smile・Smile」代表 田野成美様は次のように述べています。

「今回の調査結果は、アトピー性皮膚炎患者さんやその家族が日々感じている現実そのものです。患者さんが就労に対して抱える“見えない負担”の実態が示されたことで、多くの方に気づいていただけるきっかけになると期待しています。アトピー性皮膚炎は決して患者さんひとりだけの悩みではありません。家族も共に悩み、支え合いながら歩んでいます。この疾患は、社会全体で向き合うべき課題です。私たち患者家族の願いは、周囲の方々からの『気づき』と『理解』です。そうした支えが広がることで、誰もが安心して働ける環境づくりにつながると信じています」

より詳細な結果が記載された「アトピー性皮膚炎患者と就労」白書をご希望の方は、サノフィ広報部までお問い合わせください。

調査概要

調査方法:インターネット調査(イプソス)

調査地域:全国

調査実施期間:2026年4月16日~22日

有効回答数:800名(患者400名、一般の就労者400名)

回答対象者:

患者:中等症以上*のアトピー性皮膚炎の就労者(POEMスコア8点以上)

N=400 20~50歳代 男性200人、女性200人 N=400(20~50歳代 男性200、女性200)

一般の就労者:本調査ではアトピー性皮膚炎の診断を受けていない方

N=400 20~50歳代 男性200人、女性200人うち100人はパートナー/配偶者にアトピー性皮膚炎患者がいる方 

*≪本調査における中等症以上の定義≫ 

POEMスコア8点以上

POEMスコア:最重症(25~28点)、重症(17~24点)、中等症(8~16点)、軽症(3~7点)、消失・またはほぼ消失(0~2点) 

回答形式:単一回答および複数回答形式(MA)

「アトピー性皮膚炎患者と就労」白書調査抜粋

  • 約70%が小学生までに発症
    患者さんに対して、「最初にアトピー性皮膚炎が出たのはいつ頃ですか?」という質問をしたところ、全体では「小学校入学以前」が54.3%、「小学生の時」が19.3%で、あわせて約70%が小学生までに発症していました。

  • 就職活動におけるアトピー性皮膚炎症状の有無と影響

    患者さんに対して、「就職活動時、アトピー性皮膚炎の症状(見た目やかゆみなど)がありましたか?」と質問したところ、「はい」と回答した人は69.8%でした。また、就職活動時に症状があった患者さんに対して、「アトピー性皮膚炎の症状が影響したと感じたことがありましたか?」と質問したところ、47.7%が「影響したと感じたことがある」と回答しました。 

  • 仕事への影響

    患者さんに対して、「アトピー性皮膚炎が理由で仕事に影響が出た経験はありますか?」と質問したところ、「よくある」が16.0%、「時々ある」が43.5%となり、あわせて半数以上が仕事への影響を経験していました。具体的な影響としては、「集中力が落ちた」が65.1%で最多となり、次いで「仕事の効率が落ちた」が43.3%、「仕事に対して自信/意欲をなくした」が25.6%でした。また、「仕事を休む/遅刻/早退することがあった」は17.6%でした。

  • 仕事がアトピー性皮膚炎に与える影響

    患者さんに対して、「仕事のストレスでアトピー性皮膚炎が悪化したことはありますか?」と質問したところ、「よくある」が35.5%、「時々ある」が48.5%となり、あわせて80%以上が仕事のストレスによるアトピー性皮膚炎の悪化を経験していました。また、職場で不安を感じることがある方は、「よくある」が28.5%、「時々ある」が53.3%で、あわせて80%以上でした。具体的な影響は、「フケのように皮膚が落ちる、皮膚の荒れ、出血など見た目に関する不安」が70.3%、「かゆみによるイライラや気分の落ち込みによって、職場の人間関係に影響しないかという不安」が53.8%、「症状悪化に関する不安」が51.7%でした。

  • 職場環境への支援

    患者さんに対して、「あなたの会社はアトピー性皮膚炎がある社員の方に対する支援をしていますか?」と質問したところ、「していない」が79.0%、「わからない」が15.0%でした。「している」と回答した人は6.0%でした。

  • 95.8%の方がアトピー性皮膚炎の状況を「変えたい」と感じている

    患者さんに対して、「日常の中で自分自身のアトピー性皮膚炎の状況を変えたいと思ったことはありますか?」と質問したところ、95.8%が「ある」と回答しました。

  • 新しい治療への意欲と治療選択肢の認知

    患者さんに対して、「新しい治療薬が出た場合、積極的に試してみたいと思いますか?」と質問したところ、「非常に試してみたい」が33.8%、「やや試してみたい」が39.5%となり、あわせて70%以上が試してみたいと思うと回答しました。一方で、「『生物学的製剤(注射)』や「『JAK阻害薬(飲み薬)』という新しい治療法を知っていますか」と質問したところ、「知らない」が49.0%、「名前は聞いたことがあるが詳しくは知らない」が36.3%となり、あわせて約85%の患者さんが知らない/詳しくは知らないと回答しました。

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は湿疹の一種で、発疹をはじめとする症状を伴う慢性炎症性疾患です。中等症から重症のアトピー性皮膚炎は、広範な発疹を特徴とし、持続する激しい難治性のかゆみ、皮膚の乾燥、亀裂、紅斑、痂皮(かひ)を伴うことがあります。かゆみは、アトピー性皮膚炎の患者さんにとって最も大きな負担となり、体力を消耗させることもあります。また、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんにおいては、睡眠障害、不安や抑うつ症状が現れ、生活の質(QOL)に影響を及ぼします(※1)。

※1: 佐伯秀久,他. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024. 日皮会誌. 2024; 134: 2741-2843.

アレルギーiについて

日本国内のアレルギー疾患患者さんおよびそのご家族を対象とした、サノフィが運営するアレルギーを含む2型炎症に関する情報サイトです。アトピー性皮膚炎をはじめ、慢性特発性じんましんや気管支喘息、副鼻腔炎などの疾患と上手に付き合うために、お役立ち情報を提供しています。

URL:https://www.allergy-i.jp/


サノフィについて

サノフィは、研究開発型のAIを活用したバイオ医薬品企業であり、人々の暮らしをより良くし、力強い成長をもたらすことに尽力しています。免疫科学領域の深い知見を活かし、世界中の何百万人もの人々の治療と予防を行う医薬品やワクチンを提供し、さらなる貢献のために革新的なパイプラインの構築にも注力しています。「人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追求する」という使命のもと、医療・環境・社会が抱える課題に真摯に向き合い、社員と国や地域社会にとって前向きな変化を生み出すことを目指しています。

日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、https://www.sanofi.co.jp/ をご参照ください。

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