温藻RG92が「免疫異常」に新たなアプローチ

〜免疫の司令塔「制御性T細胞(Treg)」への活用可能性~

株式会社SARABiO温泉微生物研究所のプレスリリース

株式会社SARABiO温泉微生物研究所(本社:大分県別府市、代表取締役:濱田 拓也) は、別府温泉から分離・特許を取得した温泉藻類「RG92」(以下、温藻RG92)において、ヒトへの健康寿命延伸成果に加え、現代人を悩ませるアレルギーや自律神経の乱れの根本的な原因である「免疫異常」と「腸内環境」の関係に新たなアプローチを見出しました。腸内環境を介した新機能の分子レベルでの解明に向け、金沢大学(医薬保健研究域医学系)との共同研究プロジェクトをスタートしています。

■ 開発の背景:現代人が直面する「免疫異常」と、暴走を抑える司令塔「Treg」

近年、先進国を中心にアレルギー疾患(花粉症やアトピー性皮膚炎など)や自律神経の乱れ、慢性的な体調不良を訴える人が急増しています。これらの症状の背景の多くには、身体を守るべき免疫システムが過剰に反応する「免疫の暴走(恒常性の破綻)」が深く関わっていることが分かってきています。

この免疫の暴走を抑え、全体のバランスを整える「司令塔(ブレーキ役)」として、今最も注目を集めているのが「制御性T細胞(Treg)」という免疫細胞です。Tregが腸内で正常に分化・活性化することが、アレルギーの抑制や全身の免疫バランスを整える上で重要なファクターであるとされています。

温藻RG92が「免疫異常」に新たなアプローチ

■ これまでの実績:ヒトを用いた臨床試験で抗炎症・代謝改善効果を確認

高い抗炎症作用を持つ新種の温泉微細藻類「温藻RG92」

当研究所では、温泉の「湯治効果」を科学的に解明するプロセスで、高い抗炎症作用を持つ新種の温泉微細藻類「温藻RG92」を発見しました 。これまでにヒトを対象とした二重盲検試験(臨床試験)において、インスリン抵抗性の改善、抗酸化および抗糖化作用など、現代人のメタボ対策や健康寿命の延伸に関わる高い生理作用を確認し、学会等で発表してまいりました 。

■ 最新研究での知見:動物の「腸」の組織解析から見えた、Tregを動かす「酪酸」の有意な増加

今回、温藻RG92がなぜヒトの身体に対して高いパフォーマンスを発揮できるのか、その裏付けとなる「プレバイオティクス(腸内細菌のサポート機能)」に関する研究を行いました 。

 産業動物(採卵鶏・豚等)や養殖魚(ヒラメ等)を対象とした実証実験において、温藻RG92のエキスを経口投与した個体の腸内環境を詳しく調べたところ、以下の事実が明らかとなり学術論文等に掲載されました。

糖脂質「DGDG」によるプレバイオティクス機能

温藻RG92には、クロレラ等の一般的な微細藻類と比較して、葉緑体の主要な膜成分であるグリセロ糖脂質の一つ「DGDG(ジガラクトシルジアシルグリセロール)」が際立って豊富に含まれています(乾燥藻類100g中7.0g) 。このDGDGの分解産物が、大腸内の酪酸菌をはじめとする有用菌の「餌(発酵基質)」として機能することが判明しました 。

糞中の「酪酸(短鎖脂肪酸)」濃度が2倍へ増加

採卵鶏での検証の結果、温藻RG92を摂取した個体の糞便中において、酢酸・プロピオン酸、そして何より免疫活性の鍵を握る「酪酸」の濃度が、対照群と比較して約2倍へと有意に増加していることが明らかになり、日本家禽学会の査読付き論文に掲載されました 。

大腸細胞の遺伝子解析(PCR)で「生体防御・免疫向上」を実証

対象動物の大腸細胞組織をサンプリングし、PCRによる遺伝子発現解析を行ったところ、自然免疫や細胞間接着(腸管バリア機能)に関わる遺伝子の発現量が有意に増加していることを突き止め、大腸を起点とした生体防御システムの向上が証明されました 。

これらの研究から、腸内環境を介して機能する新たなメカニズム(活用可能性)の仮説を立て、金沢大学(医薬保健研究域医学系)と共同でショットガンメタゲノム解析をはじめとする、Treg(制御性T細胞)活性に関する最先端のゲノム研究を進めております。

温藻RG92が免疫活性の鍵を握る「酪酸」の濃度を2倍に

■ 結果と医学的トレンドの結合:温藻RG92がヒトの免疫(Treg)へ及ぼす可能性

動物の腸内解析で証明された「大腸での酪酸の有意な増加 」という事実は、現代人の免疫異常を解決する重要なアプローチへと繋がります。

近年の免疫学・腸内細菌代謝研究においては、「腸内細菌が産生した“酪酸”が、大腸上皮細胞や免疫細胞に作用し、免疫の暴走を抑制する“Treg”の正常な分化・成熟を誘導する必須のシグナル(呼び水)になる」というメカニズムが解明されているためです 。

 すでにヒト臨床試験で高い抗炎症・代謝改善成果を上げている「温藻RG92」において、動物たちの腸内でも同様に「酪酸の産生を劇的に促し、大腸のバリア機能を高める」という機序が明らかになったことは、ヒトの体内での「Tregを介した免疫バランスの正常化」に対しても極めて高い活用可能性があることを示唆しています 。

温藻RG92がヒトの免疫(Treg)へ及ぼす可能性

■ 今後の展望:現代人のウェルネスに貢献する、ヒトへの応用研究の継続

株式会社SARABiO温泉微生物研究所は、『温泉のチカラを科学する』を理念に掲げるバイオテクノロジー企業です 。この度、動物たちの組織解析から浮かび上がった「温藻RG92×短鎖脂肪酸×Treg(免疫恒常)」という未踏のシナジーをさらに深掘りすべく、国内外の大学・医療機関との連携を強化し、アレルギーといった自己免疫疾患など、免疫システムの異常に起因する様々な症状の緩和を目指して、ヒトへの応用・社会実装研究を今後も精力的に継続してまいります。

【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社SARABiO温泉微生物研究所 広報担当

〒874-0842 大分県別府市大字鶴見1356-6

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