みんなの汗の悩み実態調査 発汗白書2026を発表

汗で病院あたりまえに委員会のプレスリリース

半数以上が「汗による不便は我慢するのが当たり前」
約6割に汗が理由でやりたかったことを諦めた機会損失経験
一方、汗の悩みを「誰にも相談していない」人は約7割
 
 
 
科研製薬株式会社(本社:東京都文京区 代表取締役社⾧:堀内 裕之)、久光製薬株式会社(本社: 佐賀県鳥栖市 代表取締役社⾧:中冨 一榮)、マルホ株式会社(本社:大阪府大阪市 代表取締役社⾧:杉 田 淳)の3社は、汗の悩みを社会全体で理解し向き合うことを目指したプロジェクト「汗で病院あたりまえに委員会」を 発足しました。
本プロジェクトでは、全国の10~50代の男女、合計9,459人(内、汗の悩みを抱える人4,767人含 む)を対象に「汗の悩みについての意識実態調査」と皮膚科医200人を対象にした多汗症に関する意識調査を実施 し、その結果を「みんなの汗の悩み実態調査 発汗白書2026」として発表しました。
 
【「みんなの汗の悩み実態調査 発汗白書2026」WEBサイト】 https://ase-atarimae.jp/hakusho2026/
 
 

<主な調査結果>

 

汗に対する認識(一般調査:n=9,459)

半数以上が「汗による不便は我慢するのがあたり前」「汗の悩みは本人の努力や工夫で解決すべきマナーの問題」「体質(あせっかき)の問題」と考え、汗の悩みは個人の問題だと捉えられている。(Q3)
 
●汗に対するイメージは全体の7 割が「自然な生理現象」とする一方で、「恥ずかしい、隠すべき」「不衛生・不潔」というネガティブな印象は汗の悩みがある人の方がない人よりも強く持っている。(Q1)
 
6 割以上が「学校の制服や職場のスーツ着用などのルールが時代に合っていない」と感じており、6割以上の人が「汗をかくことについて、周囲の人や社会はもっと寛容になってほしい」と望んでいる。(Q5)
 
 

汗の悩みの実態(一般調査 汗の悩みがある人:n=4,767)

●汗が理由で本来やりたかったことを諦めた経験について聞いたところ、約6割がそうした機会損失につながる経験をしていた。(Q9)
 
●約4割が「制服やシャツの汗ジミ」「着る洋服が限られる」を経験しており、身だしなみに関する悩みは深刻である。10 代は他の世代と比較して「友人との接近や接触を避ける」経験が2 番目に多い結果となっている(Q7)
 
●汗が原因で1週間に1 回以上の頻度で「恥ずかしい思いをした(10代:58%、全体46%)」「自信を失
った(10 代:52%、全体40%)」ことがあり、特に10 代にとって心理的な負担につながっている。(Q6-2)
 
●汗の悩みがある人の6割以上が自身の汗について「不潔・不衛生と思われている」「迷惑をかけている」と、周囲からの視線に対し不安を感じている。(Q2)
 
 

汗の悩みの相談先と病院受診について(一般調査:n=9,459、医師調査:n=200)

汗の悩みを「誰にも相談していない」人は約7割にのぼる。(Q12)
 
汗の悩みがある人の約半数が病院への相談にためらいや抵抗感を抱いており(Q17)、9割が病院への受
診経験がない(プレ調査10)。
 
病院受診の判断基準について、汗の悩みがある人の約半数が「明らかに重症な場合」「実害や不便がある場合」「日常生活が送れないほど深刻な場合」に限定している一方で、7割以上の医師は「汗の量は問わず、少しでも困っているなら受診してほしい」と回答。(Q19、医師調査Q4)
 
 
本調査は、汗の悩みを感じている人だけでなく、特に悩みとして意識していない人も対象に、汗に関する意識や日常の実態を幅広く聴取し、立場や経験の違いによって生じる考え方の違いや共通点をデータとして可視化することを目的に実施しました。
「みんなの汗の悩み実態調査 発汗白書2026」は、これまで認識されにくかった汗を取り巻く現状や課題に気づくきっかけとし、「汗の悩み」を個人の問題にとどめず、社会課題として捉え直し、汗の悩みに向き合いやすい社会にしていくための一助となることを目指しています。
 
<調査概要>
調査① 汗に関する意識実態調査
調査対象 日本全国の15歳~59歳男女9,459名
     (汗の悩みがある人:4,767名、汗の悩みがない人:4,692名)
調査方法 インターネット調査
調査機関 株式会社エクスクリエ、株式会社メディリード(調査委託)
調査時期 2026年2月
 
調査② 多汗症に対する皮膚科医師の意識調査
調査対象 多汗症の診療経験のある皮膚科医師200名
調査方法 インターネット調査
調査機関 株式会社エクスクリエ、株式会社メディリード(調査委託)
調査時期 2026年2月
 
※数値は全て小数点以下を四捨五入しています。(単一回答の各項目は、四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。)
※本調査を引用する場合は「2026年「汗で病院あたりまえに委員会」調べ」もしくは「汗で病院あたりまえに委員会『汗に関する意識実態調査(2026年)』」と記載ください。
 
【「汗で病院あたりまえに委員会」プロジェクト概要】
汗の悩みは身近でありながら、「体質だから仕方ない」「病院に行くほどではない」と考えられがちです。その結果、日常生活や仕事・学業、人間関係に影響が出ていても誰にも相談できていない方が多くいると考えられています。
本プロジェクトでは、医師や患者団体とも連携しながら、まずは正しい理解と汗の悩みを相談しやすい社会を目指しています。
 
名称:汗で病院あたりまえに委員会
参画企業:科研製薬株式会社・久光製薬株式会社・マルホ株式会社(五十音順)
後援:一般社団法人日本臨床皮膚科医会
協力:NPO 法人多汗症サポートグループ
プロジェクトサイトURL : https://ase-atarimae.jp
 
■多汗症とは
汗は体温の調節など、健康を保つために本来必要なものですが、頭・顔、手、足やわきなどの汗が体温調節に必要な量を超え、本人の意思とは無関係に過剰に出て日常生活に支障をきたしている状態を多汗症と言います。
 
 
 

<調査結果グラフ>

 

汗に対する認識(一般調査:n=9,459)

●「汗」や「汗をかいている人」に対する認識を聞いたところ、「非常にそう思う」「ややそう思う」を合わせて59%が「汗による不便は我慢するのが当たり前」、53%が「汗の悩みは本人の努力や工夫で解決すべきマナーの問題」、52%が「体質(あせっかき)」の問題」と回答し、汗の悩みは個人の問題だと捉えられている。(Q3)

 
 
●汗に対するイメージについて、汗の悩みがある人の73%、ない人の68%が「自然な生理現象」とする一方で、「恥ずかしい、隠すべき(悩みがある人50%、ない人26% GAP24pt)」「不衛生・不潔(悩みがある人
65%、ない人46% GAP19pt)」とネガティブな印象は汗の悩みがある人の方が、ない人よりも強く持ってい
る。(Q1)

 
 
●「近年の気候に対して、学校の制服や職場のスーツ着用などのルールが時代に合っていない」と感じる人は「非常にそう思う」「ややそう思う」をあわせて全体の65%にのぼる。また、全体の61%の人が「汗をかくことについて、周囲の人や社会はもっと寛容になってほしい」と望んでいる。(Q5)

 
 
 

汗の悩みの実態(一般調査:n=9,459)

●汗の悩みがある人に汗が理由で本来やりたかったことを諦めた経験について聞いたところ、58%※がそうした機会損失につながる経験をしていた。10 代ではさらに多く、65%にのぼる。(Q9)

 
 
●汗の悩みがある人のうち、44%が「制服やシャツの汗ジミ」、36%が「着る洋服が限られる」を経験しており、身だしなみに関する悩みは深刻である。また汗の悩みがある10 代は他の世代と比較して「友人との接近や接触を避ける」経験が2 番目に多い結果となっている。(Q7)


 
●汗の悩みがある人に対し、最も汗を気にしている時期において頻度を聞いたところ、汗が原因で1 週間に1 回以上の頻度で「恥ずかしい思いをした(10 代:58%、全体46%)」「自信を失った(10 代:52%、全体
40%)」と回答。全体と10 代を比較すると10pt 以上の差があり、汗による悩みは特に10 代にとって心理
的な負担につながっていることが明らかに。(Q6-2)

 
 
●汗の悩みがある人の6割以上が自身の汗について「不潔・不衛生と思われている(66%)」「迷惑をかけている(65%)」と、周囲からの視線に対し不安を感じている。(Q2)

 
 
 

汗の悩みの相談先と病院受診について(一般調査:n=9,459、医師調査:n=200)

●汗の悩みを誰にも相談していない人は69%にのぼる。10代では34%が母親に相談経験がある一方で、誰
にも相談していないが58%と最も多い。誰にも相談していない割合は年代が上がるほど増え、30代以上では7割以上になっている。(Q12)
 

 
 
●汗の悩みがある人のうち、「非常に強く感じる」「やや強く感じる」を合わせた48%が病院への相談にためらいや抵抗感を抱いており、汗の悩みがない人(27%)よりも21pt 高い。(Q17)また、汗の悩みがある人の90%が病院への受診経験がない。(プレ調査10)



 
 
●受診の判断基準について、汗の悩みがある人の47%が「明らかに重症な場合」「実害や不便がある場合」「日常生活が送れないほど深刻な場合」に限定している一方で、73%の医師は「汗の量は問わず、少しでも困っているなら受診してほしい」と回答。(Q19、医師調査Q4)

 


 
 
 
 【今回の調査結果に対する医師のコメント】
池袋西口ふくろう皮膚科クリニック 院⾧/日本臨床皮膚科医会 常任理事 藤本 智子 先生
 
今回の調査から、汗の悩みがいまだに「我慢するもの」「本人の努力で何とかすべきもの」と捉えられ、疾患や相談の対象としてではなく、個人の問題として抱え込まれている実態が改めて明らかになりました。汗は本来、体温調節に欠かせない自然な生理現象ですが、量や出方によっては日常生活や心理面に大きな影響を及ぼします。特に、汗に悩む方ほど「恥ずかしい」「不衛生ではないか」といった否定的なイメージを強く抱いている点は、医療の立場として看過できない課題です。
 
調査では、汗の悩みがある方の約7 割が誰にも相談しておらず、約半数が医療機関への受診に抵抗感を抱いていることが示されました。汗の悩みが「明らかに重症な場合に限って相談すべきもの」と受け止められている一方で、多くの医師は、汗の量にかかわらず、本人が困りごとを感じている時点で相談してほしいと考えています。この認識のずれが、受診や支援につながりにくい要因の一つになっていると考えられます。
 
また今回の調査では、特に10 代において、汗の悩みが日常的な不便にとどまらず、「恥ずかしさ」や「自信を失う」といった精神面への影響につながっていることが明らかになりました。思春期という多感な時期に、汗の悩みを抱え続けることは、行動の制限や人間関係、自己肯定感の低下などを通じて、将来にも影響を及ぼす可能性があります。その意味でも、本人の悩みに周囲が気づき、理解して寄り添う姿勢は適切なサポートにつながるうえでとても重要なきっかけとなります。
 
一方で、医師調査からは、10 代の受診において、本人は深刻に悩んでいるものの、保護者が「気にしすぎ」「成⾧すれば治る」と受け止め、結果として受診に至らないケースが少なくないことも示されています。汗の悩みは、本人の性格や努力の問題ではなく、適切な診断や対処によって改善が期待できる対象です。10 代が一人で抱え込むことのないよう、保護者をはじめとする周囲の大人が、その特性や影響を正しく理解することが重要だと感じています。
 
近年は、汗の悩みに対する治療や対処の選択肢も広がってきています。「これくらいで受診してよいのだろうか」と迷う前に、日常生活や気持ちの面で負担を感じているのであれば、医療機関に相談することも一つの選択肢です。汗の悩みはマナーや意識の問題でも、本人の弱さでもありません。今回の調査を通じて、世代を問わず、汗の悩みが適切な支援につながる社会的な理解を深めていくことが重要だと考えています。
 
 
【今回の調査結果に対する多汗症当事者団体からのコメント】
NPO 多汗症サポートグループ 副理事⾧ 福士 竜 さん
 
今回の意識調査の結果から、汗の悩みが「我慢するもの」「本人の努力や工夫で対処すべきもの」として捉えられ、個人の問題にとどめられている現状が改めて明らかになりました。私たちは、多汗症をはじめとする汗の悩みは、日常生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、周囲から理解されにくい“サイレントハンディキャップ”とも言われています。
 
当団体には、「幼い頃から一人で悩んできた」「病気だと知らず体質だと思い込んでいた」「相談すること自体にためらいがあった」といった声が数多く寄せられています。汗の悩みは外見からは分かりづらく、本人や周囲も“ただの汗っかき”と捉えてしまうことが少なくありません。その結果、本来は支援や治療につながるべき問題であっても、⾧年にわたり見過ごされてしまう実態があります。 しかし、当事者にとって汗の悩みは決して“たかが汗”ではありません。着る服や行動の選択、人との距離感、自己肯定感にまで影響を及ぼし、人生のさまざまな場面で制約となり得るものです。今回の調査でも、特に10 代において「恥ずかしさ」や「自信の喪失」といった心理的影響が多くみられ、その影響の大きさが窺える結果となりました。
 
私たちは、こうした現状を踏まえ、「たかが汗」という社会の認識を変えていく必要があると考えています。汗の悩みを抱える人が一人で抱え込むのではなく、適切な情報や医療、周囲の理解につながることができる社会を実現することが重要です。今回の調査結果が、汗の悩みを見えにくい個人の問題から、社会全体で向き合うべき課題として捉え直す契機となることを期待しています。

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