生理的皮膚機能の再現性を高めた、非動物試験の新たな選択肢
株式会社オーガンテックのプレスリリース
世界初の器官再生技術*1の医療分野への応用に取り組む、株式会社オーガンテック(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:下義生、以下「オーガンテック」)は、2025年8月27日付で発表した「人工皮膚分野でコージンバイオ社にライセンス供与」に関するプレスリリースに基づき、張力付加型三次元人工皮膚モデルの販売が開始されたことをお知らせいたします。オーガンテックが開発した三次元人工皮膚製造技術を、コージンバイオ株式会社(本社:埼玉県坂戸市、代表取締役社長:中村雄一、以下「コージンバイオ」)へ技術移転および特許権*2使用許諾を行い、「RepliSkin 3D™」(レプリスキン スリーディー、以下「本製品」)は誕生しました。本製品は、皮膚に加わる生理的な張力環境を再現する世界初の三次元人工皮膚モデルとして、非動物試験の新たな選択肢として貢献できるものと考えております。
オーガンテックの人工皮膚技術は、弊社創業者の辻孝が推進してきた三次元器官形成研究の成果を基盤としています。細胞間相互作用や立体的な組織の形成を制御する技術を応用することにより、生体に近い皮膚構造と機能を現した三次元人工皮膚の開発を実現しました*3。本製品は、表皮および真皮に相当する多層構造を有する三次元人工皮膚モデルであり、世界で初めて皮膚に加わる生理的な張力環境を生体外で再現することに成功しています。オーガンテックは、皮膚の生理機能の発現には皮膚にかかる張力、いわゆるハリが重要と考え、「張力付加型三次元人工皮膚」を2020年に開発し、皮膚の生理機能が飛躍的に向上することを明らかにしました。本技術の独創性と将来性は高く評価され、同年に開催された中小企業新技術・新製品賞において優秀賞*4を受賞しています。
近年、医薬品、化粧品、化学製品の研究開発分野においては、安全性および有効性評価の高度化に加え、動物実験の代替に対する社会的要請が世界的に高まっています。欧州における化粧品分野での動物実験禁止や、米国における動物実験削減の動向を背景に、動物を使用しない評価系(Non-animal testing)の導入が加速しています。また、研究開発現場では、動物実験に関する「3Rの原則(Replacement:代替、Reduction:削減、Refinement:苦痛軽減)」に基づき、倫理的配慮と科学的合理性を両立した試験系の構築が求められています。本製品は、生体に近い皮膚環境を再現できる評価モデルとして、研究開発におけるデータの信頼性向上に貢献するとともに、動物実験に依存しない新たな試験手法の普及を通じて、より倫理的で持続可能な研究開発の実現に寄与することが期待されています。
オーガンテックは、皮膚領域における研究開発のさらなる発展に貢献するとともに、三次元人工皮膚の利用により科学的エビデンスを有する製品を消費者のみなさまへお届けすることにより、安心・安全で生活の質の高い社会の形成に貢献してまいります。
*1 ほぼ全ての器官は、胎児期に一度だけ、上皮幹細胞と間葉系幹細胞から構成される器官原基から発生します。成熟して完全に機能する器官が形成されるプロセスは、上皮と間葉の両方の細胞集団が、複雑な分子シグナルをやり取りしながら進行します。当社創業者である辻 孝は、2007年に世界に先駆けて、器官原基の上皮幹細胞と間葉系幹細胞を分離後、高密度に区画化することで器官原基を再現する方法を開発しました(Nature Methods 2007)。この技術を器官原基法と言います。この器官原基法を用いることにより、歯、毛包、唾液腺や涙腺といった器官を機能的に再生できることを実証しています。
*2 張力付与型三次元人工皮膚の製造のための容器と製造方法(特許第7705619号)
*3 Kimura S., et. al., Tissue-scale tensional homeostasis in skin regulates structure and physiological function.
Commun Biol., 2020
*4 第30回中小企業新技術・新製品賞受賞(一般部門・優秀賞)
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コージンバイオ株式会社
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