株式会社神鋼環境ソリューションのプレスリリース
テストステロンは若さの指標であり、健康長寿に重要な役割を果たすホルモンの一つです。また、テストステロンは加齢によって低下することが知られており、テストステロン低下抑制は健康なライフサイクルを送るうえで大きな課題と言えます。
今回の試験により、パラミロンEOD-1の摂取による高齢者のテストステロン低下抑制効果が確認されました(図1、2)。またパラミロンEOD-1の摂取前と比較して摂取8週間後に「活力」に関する有意な上昇が認められました(図3)。パラミロンEOD-1は腸管から間接的に作用し、生体内の還元酵素の活性を高め、内因性のテストステロン産生の低下を抑制したと考えられます。
人には、外部環境の変化に適応して身体の状態を一定に保つホメオスタシス(*4)という機能が備わっています。人の体内では神経系・免疫系・内分泌系の3つのシステムが互いに連携しながらホメオスタシスを維持し、健康の土台を守っています。パラミロンEOD-1は、これまで精神的・身体的疲労軽減(*5)、免疫系の活性(*6)作用が確認されていますが、今回の試験によってテストステロンなど内分泌に作用することが認められました。パラミロンEOD-1は、神経系・免疫系・内分泌系の3つのシステムに作用し、ホメオスタシスを保持することで健康のベースアップを図る食品素材としての活用が期待されます。
なお、本研究論文は、「薬理と治療(2021年49巻6月号)」に掲載されました。
図1
図2
図3
【論文内容】
◆論文タイトル:ユーグレナグラシリスEOD-1が健康な高齢者のテストステロンレベルに寄与する可能性。
◆概要:
1. 対象者
65歳以上75歳以下の健常な成人男女30名。
2. 試験食品
1日摂取量2粒あたりユーグレナグラシリスEOD-1株 500mgを含有するカプセルを被験食品とした。対照食品は、コーンスターチを含有するカプセルとした。
3. 試験デザイン
二重盲検並行群間比較試験(*7)として実施。被験食品群にはEOD-1群含有カプセルを、対照群にはプラセボカプセルを、それぞれ1日1回2粒を毎日8週間摂取させた。
4. 評価
・唾液中テストステロンにおいて、パラミロンEOD-1群と対照群の群間の比較では、試験食摂取4週間後と摂取8週間後で有意傾向が確認された。(図1)
・男性のみの比較においては、対照群では試験食開始前と比較して摂取4週間後、8週間後でそれぞれ有意な低下傾向を示し、パラミロンEOD-1群では有意な差は確認されずテストステロンの低下抑制効果が認められた。(図2)
・EOD-1群では、試験食開始前と比較して摂取8週間後に「活力」の有意な上昇が確認された。対照群では、有意な差は確認されなかった。(図3)
(*1) パラミロンとは
ユーグレナが体内に貯蔵する独自の成分で、3本の直鎖状のβ-1,3-グルカンがねじれあう螺旋構造をしている。パラミロンの形状はユーグレナの種類によって特徴があり、棒状やリング状、球状など様々な形状がある。
(*2) パラミロンEOD-1とは
当社が機能を発見した新規株「ユーグレナグラシリスEOD-1株」由来のパラミロン。ユーグレナグラシリスEOD-1株は特許登録済。パラミロンをとりわけ豊富に含んでいることが特長です。当社の研究により免疫力の向上、精神的・身体的疲労感の軽減、自律神経バランスの調整、血糖値上昇抑制、LDLコレステロール低下などの効果を確認しています。
パラミロンEOD-1に関する詳しい情報: https://eod1-paramylon.com/
(*3) テストステロンとは
テストステロンは、身体の中で分泌されるホルモンであり、筋肉の形成など健康な身体保持に重要な役割を果たしています。また、骨格筋との関係性、認知機能との関係性、メタボリックシンドロームとの関係性、さらには、寿命との関係性も指摘されています。
(*4) ホメオスタシスとは
人をはじめ生物にもともと備わっており、健康の土台を守る大切な体本来の機能です。周囲の環境の変化にも体の状態を一定に保とうとする働きのことで、免疫系・神経系・内分泌系が互いに連携しながら体の健康を守っています。ストレスや疲労などでホメオスタシスが崩れると、体に不調が生じます。
(*5) 精神的・身体的疲労感の軽減効果
パラミロンEOD-1の摂取により、日常生活の精神的疲労感および身体的疲労感が軽減されること、疲労に伴って低下する一部の注意力が維持されることが確認されています。精神的・身体的疲労感の軽減効果は、2020年10月12日付で国際科学雑誌「Nutrients」にも掲載されました。
詳しい情報: https://www.mdpi.com/2072-6643/12/10/3098
(*6) 免疫系の活性化
パラミロンEOD-1がβグルカン受容体のDectin-1と結合し、抗パラミロン抗体(抗 EOD1PM IgA)が向上することが確認されています。このことから、パラミロンEOD-1は免疫系を活性化し生体防御に寄与する可能性があることが示唆されます。
(*7) 二重盲検並行群間比較試験とは
被験食を含む食品を摂取するグループと被験食を含まない食品(プラセボ)を摂取するグループに分けて、この2グループの間で有効性を比較する試験のことです(並行群間比較)。また、各グループの参加者は、それぞれ、どちらの食品を摂取しているかは分からないようにしています(二重盲検)。二重盲検並行群間比較試験は、ヒト試験の試験デザインとしては、非常に信頼性の高い試験方法です。