第26回 日本抗加齢医学会総会で優秀演題賞を受賞■ 研究成果のポイント■ 研究概要■ 社会的意義■「生物学的年齢の加速」とは■ 発表情報■ 用語説明■ Craifについて
Craif株式会社のプレスリリース
バイオAIスタートアップのCraif株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、第26回 日本抗加齢医学会総会にて尿中マイクロRNAを用いたエイジングクロックに関する研究成果を発表し、優秀演題賞を受賞したことをお知らせいたします。
本研究では、尿中に含まれるマイクロRNAをCraif独自のバイオAI技術基盤で解析することにより、糖尿病・高血圧・心疾患による生物学的年齢(=細胞レベルの老化度)の加速を高精度に検出するエイジングクロックを開発し、その精度向上および心血管・代謝性疾患の状態との関連について検討しました。
■ 研究成果のポイント
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18,698件の尿サンプル(トレーニング12,379件、独立検証6,319件、年齢19〜98歳)で開発・検証。老化研究用のマイクロRNAデータとしては過去最大規模
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33種類のマイクロRNAで、暦年齢を平均誤差3.2歳(r = 0.949)で推定。血液のDNAメチル化エイジングクロックに匹敵する精度を、非侵襲の尿検体のみで実現
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糖尿病・高血圧による老化加速の検出において、5つの主要な血液メチル化エイジングクロック(Horvath clock、Hannum clock、PhenoAge、GrimAge、DunedinPACE)の報告値と比較し、いずれよりも強く両疾患を識別
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AIが「年齢」「疾患による老化加速」「疾患の蓄積度」の3シグナルすべてに一致するマイクロRNAのみを選定するマルチターゲット設計が、疾患への感度を高める鍵に
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選定されたマイクロRNAは、栄養センシング(mTOR)、細胞老化(p53)、慢性炎症、AGE-RAGE経路といった老化の主要パスウェイと合致し、長寿遺伝子SIRT1・細胞老化関連遺伝子PTENに収束
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同一人物の再測定でも近い結果を再現。採血不要、尿検体1回採取のみで実施可能
■ 研究概要
老化は慢性疾患の最大のリスク因子ですが、体が細胞レベルで実際にどれだけ老化しているか(生物学的年齢)を知るには、これまで採血や専門機関での検査が必要でした。
Craifは、査読付き学術誌npj Aging(2026年)に発表した第一世代の尿中マイクロRNAエイジングクロック(平均誤差4.4歳)を土台に、今回はさらに一歩進め、「疾患による老化の加速」を検出できるエイジングクロックの開発に取り組みました。
18,698件という老化研究用としては過去最大規模の尿サンプルを用い、AIに「年齢」「疾患による老化加速」「疾患の蓄積度」の3シグナルを同時に学習させ、この3つすべてに一貫して反応するマイクロRNAのみを厳格な統計的手法で絞り込んだ結果、33種類のマイクロRNAからなるエイジングクロックが完成しました。その性能は、69回の独立したシーケンシングランで測定した6,319名の完全に独立したコホートで検証し、高度な再現性を確認しています。
この独立コホートでの検証において、エイジングクロックは相関係数r = 0.949、平均誤差3.2歳という高精度で暦年齢を予測しました。さらに、5つの主要な血液メチル化エイジングクロックの報告値との比較では、糖尿病・高血圧の識別力がいずれの既存クロックよりも高い結果となりました(糖尿病のオッズ比:標準偏差あたり約2.2、既存のメチル化エイジングクロックの最高値:約1.6)。心疾患のみ、メチル化エイジングクロックがわずかに上回るという結果でした。
このシグナルが単なる年齢との相関ではなく、疾患による老化加速を特異的に捉えていることも確認しています。糖尿病・高血圧・心疾患すべてを持つ場合、生物学的年齢加速は最大+4.5歳に達し、単独では糖尿病が最大の要因でした。この効果は独立検証コホートでも再現されており、偶然の結果ではないことを裏付けています。
■ 社会的意義
糖尿病、高血圧、心疾患などの心代謝疾患は、老化加速と早期死亡の主要な要因です。精度が高く、これらの疾患への感度に優れ、かつ尿1回で測定できる生物学的年齢指標は、クリニック外でも継続的に老化を評価できる仕組みへの道を開きます。
尿検体は自宅で採取・反復できるため、生活習慣の改善や医療的介入が老化速度に与える影響を継続的にモニタリングする手段としても期待できます。生物学的年齢を「一度きりの数値」から「追跡可能な健康指標」へと変え、老化研究と日常の予防医療をつなぐ技術基盤になり得ます。
■「生物学的年齢の加速」とは
誕生日を基準に数える年齢、誕生からの経過年数が「暦年齢」です。一方で、「生物学的年齢」は、尿中の分子シグナルから、体の細胞や臓器が実際にどれほど「消耗」しているか、あるいは「若々しい」かを推定するものです。
この差(生物学的年齢 − 暦年齢)を「生物学的年齢加速」と呼び、プラスであれば暦年齢以上に老化が進んでいる、マイナスであれば老化が遅いことを意味します。今回の研究では、糖尿病を持つ人でこの老化加速が最も高く、糖尿病が全身の老化を実際に早めている可能性を示しています。
■ 発表情報
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演題名:An AI-Driven Urinary miRNA Clock Sensitive to Cardiometabolic Age Acceleration
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発表者:Milos Havelka, PhD(Craif Inc.)
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セッション:Award-Candidate(Outstanding Abstract)Session
※「優秀演題賞」を受賞 -
関連する査読付き論文(第一世代エイジングクロック):A urinary microRNA aging clock accurately predicts biological age、npj Aging(2026年)
第26回日本抗加齢医学会総会(JSAM)
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開催期間:2026年6月26日(金)~2026年6月28日(日)
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開催地:パシフィコ横浜ノース(神奈川県横浜市)
■ 用語説明
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生物学的年齢:実際の年齢(暦年齢)ではなく、体の細胞や臓器がどの程度老化しているかを表す年齢の指標です。生活習慣や病気などの影響を受けて変化し、実年齢より高い場合は、老化が進んでいる可能性があります。
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マイクロRNA:細胞の中にある非常に小さなRNA分子で、遺伝子の働きを調節する役割を持っています。細胞の生理状態を敏感に反映するため、「体からのメッセンジャー」として機能し、全身の老化を表す指標や病気の早期発見や予後予測に活用できると考えられています。
■ Craifについて
Craif(クライフ)は、がん早期発見に取り組む2018年創業のバイオAIスタートアップです。尿をはじめとする体液から、DNAやマイクロRNAなど多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合し、がんの超早期発見・早期治療・早期復帰を可能にする革新的な検査を開発しています。バイオテクノロジーとAIの力を社会に広く届けることで、当社のビジョンである「人々が天寿を全うする社会の実現」を推進します。
【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設立:2018年5月
資本金:1億円(2025年4月1日現在)
事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、尿がんリスク検査「マイシグナル®」の提供
本社:東京都新宿区新小川町8-30 THE PORTAL iidabashi B1F
URL:https://craif.com/