フジッコ株式会社のプレスリリース
―第73回日本栄養改善学会学術総会で発表―
フジッコ株式会社(本社:神戸市中央区/代表取締役社長執行役員:福井正一)は、石渡尚子 先生(跡見学園女子大学 マネジメント学部 生活環境マネジメント学科 教授)、上杉宰世 先生(大妻女子大学 家政学部 食物学科 准教授)と共同で、月経前症候群(PMS)に対する黒豆ポリフェノールの有効性を検証する臨床試験を実施した結果、症状が比較的軽度な方で、PMSの身体的症状の出現日数が有意に減少したことを確認しました。本研究成果は、2026年9月11日~13日に開催された「第73回日本栄養改善学会学術総会」で発表しました。
■研究の背景
PMSは月経開始前3~10日頃から現れるイライラや気分の落ち込みなどの精神的症状や下腹部痛や眠気といった身体的な不調の総称です。生殖年齢女性の70~80%が何らかの症状を経験するとされており、症状が強い場合には学業や仕事をはじめとする日常生活に支障をきたし、QOL(生活の質)低下につながることが知られています。内閣府男女共同参画局の調査1)によると、20~50代の女性の7~8割が月経に伴う何らかの不調を経験しています。
また、経済産業省は、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失を年間3.4兆円と試算しており、そのうち月経随伴症に起因する損失は約0.6兆円にのぼるとされています(図1)2)。このような社会的背景から、日常生活に取り入れやすい食品や栄養成分によるアプローチで、女性の健康課題解決に産学連携で取り組みました。
図1. 女性特有の健康課題による社会全体の経済損失
(経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」2)を元に作成)
■研究の概要
◇対象者:月経前に精神的・身体的な症状を感じている女子大学生45名
◇調査方法:
・黒大豆種皮抽出物100mg(黒大豆ポリフェノールとして58mg)を含むカプセル、またはプラセボカプセルを毎日1粒摂取
・それぞれ2月経周期ずつ摂取し、両方を比較するクロスオーバー試験を実施
・月経前後の症状を毎日記録
◇解析対象者:月経不順や記録不備を除いた27名
(結果)
◇全体では、黒大豆種皮抽出物摂取とプラセボ摂取との間で、PMS症状の出現日数や症状の種類に明確な差は見られなかった。
◇症状の程度によって対象者を分けて分析したところ、
比較的症状が軽い人(17名)では、身体的症状の出現日数が減少
・プラセボ摂取時:平均2.09日
・黒大豆種皮抽出物摂取時:平均1.15日
症状が強い人(10名)では、明確な差は確認されなかった。
(結論)
黒大豆種皮抽出物は、若年女性の軽度なPMSに伴う身体的症状を和らげる可能性が示されました。
ただし、対象者数が少なく、すべてのPMS症状に効果があると確認されたわけではありません。
図2. 黄体期におけるPMS症状の出現日数
(新版PMSメモリーの17項目に5項目を追加した22項目で評価。症状があった場合はその強さを「1 少しあるが日常生活に影響なし」、「2 日常生活に影響する程度」、「3 激しい」の3段階のスコアで記録し、ベースライン時の症状の強さにもとづき、スコア2以上の日常生活に影響する10名と、それ以外の17名に分けて解析を実施。*p<0.05(群間比較))
■まとめ・今後の展望
本研究により、黒豆ポリフェノールの摂取は、PMS症状が比較的軽度な若年女性の身体的症状を軽減する可能性が示されました。本研究で得られた主な知見は、①PMSに伴う身体的症状の出現日数が減少する可能性、②食品によるPMS対策の新たなアプローチとなる可能性です。
フジッコでは、機能性食品素材の黒豆ポリフェノールの機能性食品素材「クロノケア®」と大豆イソフラボンの機能性食品素材「フジフラボン®」を販売しています。黒豆ポリフェノールは大豆イソフラボンと併用することで、更年期周辺の女性における睡眠の質や肩こり、目の疲れが改善することも確認されています3)。
今後は、女性のライフコースに着目し、これらの機能性食品素材が健康に及ぼす影響をさらに明らかにしてまいります。得られた知見は、製品開発や素材提案にも活用してまいります。
■黒豆ポリフェノールの機能性食品素材「クロノケア」
◇原料:黒大豆種皮から黒豆ポリフェノールを抽出・精製した機能性素材
◇特長:ポリフェノールを58%以上含有し、高い抗酸化作用を有する
◇確認されている機能性:
・一過性の疲労感の軽減4)
・日中の一時的な眠気の軽減4)
・睡眠の質(起床時の眠気、寝つき)の改善と冷えの軽減 5)
上記の機能性について、機能性表示食品の届出が受理されています。
■引用文献
1) 内閣府男女共同参画局 (2024). 令和5年度男女の健康意識に関する調査報告書
2) 経済産業省 (2024). 女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について
3) 相磯ら(2025)第40回日本女性医学学会学術集会
4) Akagi, R., et al. (2021). 薬理と治療, 49(6), 953-964.
5) Akagi, R., et al. (2025). Food Science & Nutrition, 13(6), e70156.
■発表の情報
学 会:第73回日本栄養改善学会学術総会
会 期:2026年9月11日(金)~13日(日)
場 所:別府大学 石垣キャンパス(大分県別府市北石垣82)
演題名:黒大豆種皮抽出物の摂取が女子大学生の月経前症候群(PMS)症状に与える影響の検証
発表者:上杉宰世1 相磯知里2 丸尾 俊也2 石渡尚子3
(1.大妻女子大学 家政学部 食物学科、2.フジッコ株式会社 開発事業本部 研究開発部、
3. 跡見学園女子大学 マネジメント学部 生活環境マネジメント学科)
<研究内容に関するお問い合わせ先>
責任者:開発事業本部 研究開発部 部長 丸尾 俊也
TEL:078-303-5191
ホームページ:https://www.fujicco.co.jp
<原料販売に関するお問い合わせ先>
担当者:営業本部 東日本統括部 業務用営業部 素材販売課 課長 平澤 素王
責任者:営業本部 東日本統括部 業務用営業部 部長 岸本 晃典
TEL:078-303-5925