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加齢により肥大化する角層は、肌細胞の増殖を妨げる | ビューティーポスト

加齢により肥大化する角層は、肌細胞の増殖を妨げる

株式会社ナリス化粧品のプレスリリース

化粧品技術の最も権威ある国際学会IFSCC Congress 2026 PERTHで発表し、TOP5に選出。角層細胞のサイズが肌の再生力をコントロールしている可能性を発見。

角層細胞サイズと細胞増殖度

株式会社ナリス化粧品(代表取締役社長:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、9月29日から10月1日にオーストラリアのパースで開催された化粧品の国際学会、IFSCC Congress 2026 PERTH※において、加齢によって肥大化する角層細胞が肌に与える影響についての研究内容をポスター発表し、TOP5に選出されました。これまでは細胞の増殖機能が低下することで角層細胞のサイズが大きくなると考えられてきましたが、角層細胞が大きくなること自体が細胞の増殖を低下させるという新たなメカニズムを確認しましたので以下に詳しい内容をまとめます。 ※IFSCC Congressは、世界中の化粧品技術者が一堂に会し、最新研究結果を発表・討論する国際的な学術大会で、今大会のポスター発表は、約750件です。

■研究の背景

当社は創業6年目の1937年に、肌の老化角質を取り除くことで肌のターンオーバーを促す「ふきとり化粧水」を発売以降、89年にわたり角層研究を積み重ねており、現在も最も重要な研究のひとつと捉えて取り組んでいます。一般的に角層細胞のサイズは加齢とともに大きくなることが知られていますが、当社ではAIで角層細胞の大きさや形状を把握する独自の手法を確立し、顔の部位によって肥大化の進行レベルが異なることや角層細胞同士のオーバーラップの加齢変化など、多角的な視点で角層研究を行い、これまでIFSCC学術大会などで複数の報告をしてきました。研究を継続する中で角層の大きさについての深い解明が肌のケアにおいて重要である可能性があると考え、角層細胞の大きさが細胞増殖に影響を与えるのかどうかを明らかにすることを目的として研究をスタートしました。

■研究内容

 今回の研究では、角層細胞のサイズのみが異なる3次元培養表皮モデルを独自の手法で構築し、細胞老化の進行や細胞増殖能の状態について検証を行いました。その結果、角層細胞を肥大化させたモデルでは、細胞活性が低下することが判明しました。 さらに79名の被験者の協力のもと、独自のAIシステムを利用した解析により、角層細胞の大きさと細胞間の距離(重心間距離)に強い正の相関があることを見出しました。この結果は、角層細胞が肥大化すると、より少ない細胞数で皮膚バリアの空間を満たせるようになることを示しています。皮膚バリア状態に応じて細胞増殖が変化することはすでに報告されていますが、角層細胞が肥大化すると、肌が新たな細胞を生み出さずともバリアを形成してしまい、結果として細胞増殖の活性が低下してしまうというメカニズムが示唆されました。

 これまで角層細胞の肥大化は単なるターンオーバー低下の指標とされてきました。しかし今回の研究により、角層細胞のサイズは肌の再生力をコントロールする重要な因子である可能性が示されました。今後、この細胞サイズをコントロールしていく手法を探求していくことで、肌本来の細胞増殖を呼び覚まし、健康な表皮を維持する技術開発とスキンケア製品の開発への応用が期待されます。

角層細胞の重心間距離と重なり率
角層細胞サイズと細胞の重心間距離の関係
角層細胞サイズと細胞の重なり率の関係

■発表タイトル: 

“Corneocyte Enlargement Drives Decline in Keratinocyte Proliferation Rather Than Merely Resulting from It”

和文:角層細胞の肥大化は、単に角化細胞の増殖低下の結果ではなく、その原因にもなる。

■発表者:株式会社ナリス化粧品  髙田広之

研究者プロフィール

髙田 広之(たかだ ひろゆき)

株式会社ナリス化粧品 

研究開発部 研究開発課 基盤技術研究グループ

IFSCCでの発表は、2020年のニトロ化についての発表、2023年の角層細胞についての研究に続いて今回が3度目です。

IFSCC Congress 2026 PERTH 会場での髙田広之

【研究者のコメント】

今回の研究は、2022年までに構築しIFSCC Congress2023 Barcelonaで発表した角層のAI解析システムを活用することで可能になった、角層細胞の位置関係の定量化に基づくものです。当社が長年得意としている角層研究が、透明感を与える、保湿をするなどの目的にとどまらず、肌の細胞増殖というアンチエイジングの分野にも新たな可能性を見出せたことは大きな収穫と考えています。今後、角層のケアを行うことで肌の老化を抑えるという課題に取り組んでいきたいと考えています。

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