Artroom BIOMEのプレスリリース
お待たせしました。年末年始のハレの季節にそろえたい九谷の絵付けを存分にお楽しみいただきます。古典的な文様を基調にしつつ、戸出雅彦が編み出す現代の画風。少しずつ集めていきたい作品が並びます。
“アートギャラリーのようでギャラリーではない — A gallery, but not a gallery.”
神戸・御影のBIOME(バイオーム)から2026年11月に開催する展覧会について、ご案内いたします。
展覧会情報
戸出雅彦 個展「Iro-e: To Be Continued」
会期:2026年11月7日(土)から11月29日(日)まで
時間:12:00 – 17:30 最終日のみ12:00 – 15:00
休廊日は水曜・木曜日
*事前の予告なく内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
*最新情報は、BIOMEのウェブサイト、Instagramなどでご確認ください。
BIOMEでは、2026年11月7日(土)から11月29日(日)まで、九谷焼作家・戸出雅彦氏の個展「Iro-e: To Be Continued」を開催いたします。
戸出氏は、石川県金沢市生まれ。金沢美術工芸大学工芸デザイン科を卒業後、1989年から2005年まで金沢卯辰山工芸工房の陶芸専門員を務め、その後も教育や企画に携わりながら創作を続けてきました。
九谷の磁器土を用い、九谷焼の色絵技法を基盤に、器の形・模様・色を一体のものとして捉えた作品を制作しています。
BIOMEでは、2019年の「8人の酒器展」、2021年の「たからもの for おくりもの 2021」、2022年の櫻木綾子氏との磁器二人展「生きとし」で作品をご紹介してきました。BIOMEでの個展は、今回が初めてとなります。
九谷焼と色絵、その現在
色絵は、九谷焼を語るうえで欠かすことのできない要素です。磁器に上絵具で絵付けを施し、線と色面によって器面を構成します。古九谷以来、九谷焼では緑、黄、紫、紺青、赤の「九谷五彩」をはじめ、青手、赤絵、金襴手など多様な色絵の表現が育まれてきました。器そのものの形と絵付けを一体として見せることは、九谷焼が長く培ってきた表現のひとつです。
戸出氏は、その九谷焼の色絵を受け継ぎながら制作を続けてきました。器の形に模様と色をどう組み合わせるのか。その問いを繰り返しながら、九谷の色絵を自身の表現として展開してきました。
「変わらない」から生まれる変化
戸出氏は自身の作品を「形状と模様と色の組合せ」と説明しています。2013年以降、個展のタイトルに用いてきた「色絵飾器(いろえかざりき)」も、その考え方をよく示す言葉です。作品は原則として器の形を持ち、色絵を主とし、飾ることも使うこともできるものです。今回の個展についても、「基本的には、これまでの延長線上」と話しています。
器の形をつくり、その形にどの模様を置き、どの色を選ぶかを考える。そこに、身近な出来事や記憶をモチーフとして加える。形状や模様は少しずつ変化しても、制作の基盤は変わっていません。新しさを求めながらも原則は揺るがない。その変わらなさの中から、作品の変化が生まれています。
市松模様も「ジョン」も、出発点ではなく結果
戸出氏の代表的な表現の一つに、市松模様があります。2002年のFIFAワールドカップの際、クロアチア国旗が揺れる様子を目にしたことがきっかけだといいます。
平面では規則的な四角形が、壺の膨らみや曲面に沿って伸び縮みすることで、器そのものの形をより明確に見せます。戸出氏の市松模様は、NHK「美の壺」File 520「不朽のデザイン 市松模様」(美の壺2「工芸・平面を超えて 市松模様の九谷焼き」)や、日本経済新聞「NIKKEI The STYLE」2021年4月4日付の記事「『市松模様』に込めた思い 伝統とモダンの共存」で紹介され、戸出氏と作品を象徴する図像として知られるようになりました。
そして、繰り返し登場する犬の「ジョン」。戸出氏が幼少期に飼っていた犬に由来します。
ジョンは、ある作品では物語を生む存在となり、別の作品では「サインぐらいのつもり」で描かれることもあるようです。
ジョン以外にも、身近な出来事や記憶からモチーフが選ばれ、市松模様や別の模様と同じ器面に登場することがあります。
戸出雅彦氏が九谷焼で試してきたこと
市松模様、そしてジョンや、これまでに描かれてきた人、動物、架空の生き物のモチーフは、それ自体を目的として生み出された記号ではありません。
器の形、模様、色をどのように組み合わせるか。その継続的な試みの結果として現れたものです。戸出氏の制作の本質は、九谷焼の色絵を用いて器面をどのように構成していくかという問いにあります。
戸出氏は、自身の仕事を「工芸」であり、「陶芸」であり、「九谷焼」であり、「色絵」であると捉えています。地域で材料や技術が継承され、固有の発展を遂げてきた九谷焼という系譜を重視し、「伝統的であり現代的な作品」をつくりたいと話します。
九谷焼を生んできた地域を離れるのではなく、そのなかで形と絵付けの関係を更新していくこと。それが戸出氏の仕事であり、これまで、そしてこれからつくり続けていく作品の核なのです。
伝統の九谷焼から、現代の九谷焼へ
九谷焼は、その鮮やかな色彩や密度の高い絵付けから、豪華絢爛なやきものとして語られることがあります。華やかさは九谷焼の魅力のひとつですが、戸出氏の作品を前にすると、九谷焼の現在は、それだけでは言い表せないことに気づかされます。
戸出氏は、色絵という伝統的な技法を用いながらも、九谷焼らしさを誇張するのではなく、自身が生きている今の感覚を、そのまま表現しています。
日々の生活のなかで目にしたこと、身近な出来事、記憶、あるいは幾何学的な模様などが、器の上で伝統から現代へ、もしかしたら現代から伝統へと行き来する。それは、現在進行形の九谷焼なのかもしれません。
個展「Iro-e: To Be Continued」では、長く受け継がれてきた色絵と、日々の出来事や記憶から選びとってきた形や図柄が、ひとつの器の上で交わる姿が示されます。
戸出氏にとって、それはこれまでと何も変わることのない営みです。しかし、それを続けていくことで、九谷焼は伝統という様式ではなく、いまの時代を映すひとつの表現として、私たちの前にその姿を見せてくれます。
ぐい呑みやカップ、注器や花入など、お馴染みのアイテムに、新作の絵付けが楽しめる作品が並びます。戸出雅彦氏のBIOMEでの初個展に、どうぞご期待ください。
プロフィール
戸出雅彦 Masahiko Tode
1964年 石川県金沢市生まれ
1988年 金沢美術工芸大学 工芸デザイン科卒業
1989年–2005年 金沢卯辰山工芸工房 陶芸専門員
1996年– 石川県立工業高等学校 工芸科非常勤講師
2007年–2010年 金沢市民芸術村 アート工房ディレクター
2007年–2012年 金沢美術工芸大学 工芸科非常勤講師
主な個展・発表
1993・1994年 ギャラリーマロニエ/京都
1997年 マスダスタジオ
2000年 INAX ガレリアセラミカ/東京
2008・2011年 MITATE/東京
2009年 京都髙島屋
2013年 日本橋三越/東京
2022年 「色絵飾器」玉匣/金沢、「銀座の金沢」/東京
2024年 「色絵飾器」玉匣/金沢、「銀座の金沢」/東京
2024年 KOGEI Art Fair Kanazawa、As baku Bより「ペロリーヌ」として出展
2026年5月 「色絵飾器」クラージュ・ドゥ・ヴィーブル/東京
2026年9月10日–2027年1月30日 ART KOGEI 常設展 第1弾(TERRADA ART COMPLEX II 3F 305)参加
2026年11月 個展/BIOME、神戸
主な受賞・紹介
1999年 陶芸ビエンナーレ’99 鯉江良二賞(審査員個人賞)
2017年 第40回伝統九谷焼工芸展 連合会理事長賞
2019年 第42回伝統九谷焼工芸展 北國新聞社賞
2020年 NHK「美の壺 File 520 不朽のデザイン 市松模様」出演・作品紹介
2021年 日本経済新聞「NIKKEI The STYLE」で市松模様の作品を紹介
2023年 第46回伝統九谷焼工芸展 九谷焼振興協会賞
2026年 第49回伝統九谷焼工芸展 岩井美恵子賞(招聘審査員特別賞)
添付資料
プロフィール画像 1枚
DM画像 2枚
作品画像 3枚
戸出雅彦氏
DM表
DM宛名面
作品1−1
作品1−2
作品2
以 上
お問い合わせ:
BIOME(バイオーム)
兵庫県神戸市東灘区御影2丁目6番11号
BIOME 御影 Alcove 1階(〒658-0047)
栗山典
メール:artroom@biomekobe.com
Web:www.biomekobe.com
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