高度管理医療機器「キトスラCX」販売開始、シリーズA 1stクローズで総額1.4億円を調達

iCUREX株式会社のプレスリリース

「キトスラCX」の製造販売承認を取得し、製品上市を実現。量産体制の強化と事業展開を加速

iCUREX株式会社(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役:武井 孝行、以下「当社」)が狭小かつ複雑な形状の創傷における医療現場のニーズに着目し開発したキトサンハイドロゲル創傷被覆材「キトスラCX」は、2026年5月1日に高度管理医療機器(クラスⅢ)として製造販売承認を取得し、同年7月の保険適用を経て、9月に製品上市を実現いたしました。

「キトスラCX」の市場浸透を加速することを目的に、当社は、シリーズAラウンドの1stクローズにおいて、株式会社NCBベンチャーキャピタル、グリーンコア株式会社、株式会社INDEPを引受先とする優先株式による1億円の資金調達を実施いたしました。これに日本政策金融公庫からの融資4,000万円を合わせ、総額1億4,000万円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。

今回の資金調達を通じて、「キトスラCX」の安定供給に向けた量産体制の構築と市場展開を推進するとともに、次世代製品の研究開発を加速し、創傷治療の新たな選択肢をより多くの医療現場へ届けてまいります。

画像:販売名「キトスラCX」 / 一般的名称「二次治癒親水性ゲル化創傷被覆・保護材」 / 医療機器承認番号「30800BZX00131000」

■資金調達の目的と今後の展望

今回調達した資金は、「キトスラCX」の本格的な市場展開に向けた製造設備の増強、量産に必要な原材料・部材の調達、および次世代製品の研究開発などに活用してまいります。

特に、製造設備の増強による生産能力の拡大と、製造・品質管理体制の強化を進め、製品の安定供給に向けた量産体制を構築いたします。

また、医療機関との連携を通じた臨床エビデンスの蓄積や、医療従事者への製品情報の提供を推進し、「キトスラCX」の市場浸透を図ります。

さらに、当社のコア技術であるキトサンハイドロゲル技術を基盤とした次世代製品の研究開発を進めるとともに、将来的な海外市場への展開を見据えた事業基盤の整備にも取り組んでまいります。

■「キトスラCX」 製品概要

本製品は、シリンジに充填されたキトサンハイドロゲル微粒子を創傷部位へ直接注入できることを特長とし、創傷の形状に応じて充填できるよう設計されています。

当社は、狭小かつ複雑な形状の創傷における医療現場のニーズに着目し、長年にわたり本製品の研究開発に取り組んでまいりました。

本製品の大きな特長の一つが、あらかじめゲル化された状態でシリンジに充填されている点です。創傷部位へ直接注入することで創部を被覆し、適切な湿潤環境を維持することにより、創傷治癒を促進します。

また、本製品は天然由来高分子であるキトサンを主な原料としています。

キトサンは、カニやエビなどの甲殻類の外殻等に含まれるキチンから得られる天然由来高分子であり、その特性を活かした医療・バイオマテリアル分野での研究が国内外で進められています。

「キトスラCX」は、こうしたキトサンを用いた独自のハイドロゲル化技術を活用し、創傷治療に新たな選択肢を提供することを目指して開発した創傷被覆材です。

画像:キトサンハイドロゲル(創部に適切な湿潤環境を形成し、創傷治癒を促進)

販売名

キトスラCX

一般的名称

二次治癒親水性ゲル化創傷被覆・保護材

承認年月日

2026年5月1日

クラス分類

高度管理医療機器(クラスⅢ)

医療機器承認番号

30800BZX00131000

■「キトスラCX」の薬事承認・製品上市について

当社が開発したキトサンハイドロゲル創傷被覆材「キトスラCX」は、2026年5月1日に高度管理医療機器(クラスⅢ)として製造販売承認を取得し、同年7月の保険適用を経て、9月に製品上市を実現いたしました。

今後は、医療機関との連携を一層深め、臨床現場の多様なニーズに応える製品展開を推進してまいります。

■開発者コメント

私が創傷被覆材の研究を始めたのは、今から約20年前、大学教員として医療用材料の研究に携わり始めた頃です。

工学を専門としてきた私にとって、「新しい材料をつくり、それによって医療に貢献する」というテーマは、非常に魅力的なものでした。なかでも強く関心を持ったのが、一般的な絆創膏では対応が難しい創傷を保護し、その治癒を支える「創傷被覆材」です。

「これまでにない、新しい創傷治療材料を生み出せないだろうか」。

その思いから研究を始め、素材として着目したのが、カニやエビなどの甲殻類に由来する天然高分子「キトサン」でした。キトサンは、医療・バイオマテリアル分野において、さまざまな可能性が研究されている素材です。

研究を進めるなかで、創傷を適切な湿潤環境に保つという考え方と、キトサンをハイドロゲル化する技術を組み合わせることで、新たな創傷被覆材を生み出せるのではないかと考えるようになりました。

しかし、研究を始めた当時のキトサンのゲル化技術には、医療材料として実用化するうえで解決すべき課題がありました。そこで、安全性に配慮しながら医療への応用を目指せるキトサンハイドロゲルの開発に取り組み始めました。

試行錯誤を重ねながら研究を続けるなかで、大きな転機となったのが医療現場との出会いです。研究成果を大学のウェブサイトで紹介したことをきっかけに、耳鼻咽喉科の医師からお声がけいただき、臨床研究へと発展しました。

その経験を通じて強く感じたのは、研究成果は論文として発表するだけでなく、実際に医療現場で使える「製品」として届けてこそ、その価値を社会に還元できるということでした。

私は工学部の出身です。工学の原点は、「モノをつくり、社会の課題を解決すること」にあると考えています。だからこそ、この技術を研究室の中だけで終わらせず、本当に必要としている医療現場へ届けたい。その思いが、iCUREX株式会社の創業へとつながりました。

もちろん、大学で研究を続けてきた私にとって、会社の設立から医療機器の薬事、製造、品質管理、事業化に至るまで、すべてが新たな挑戦でした。その過程で大きな支えとなったのが、人との出会いです。かつて私が所属していた研究室の社会⼈博⼠課程で学び、その後、医療機器ベンチャーで実務経験を積んでいた吉永さんに相談したことをきっかけに、2023年10月、iCUREX株式会社を共同で設立しました。

研究を始めてから約20年。多くの方々との出会いと支えに恵まれ、研究室から生まれた技術を「キトスラCX」という一つの製品として、医療現場へ届けることができるようになりました。

しかし、私たちにとって製品上市はゴールではありません。むしろ、ここからが本当のスタートだと考えています。

これからも医療現場の声に真摯に耳を傾け、研究開発を続けることで、創傷治療に新たな選択肢を届けていきたい。そして、大学で生まれた研究成果を社会へ還元し、医療を必要とする方々に貢献していくこと。それが、研究者として、そしてiCUREXの創業者としての私の使命だと考えています。

画像:iCUREX株式会社 代表取締役 武井 孝行

■資金調達概要

当社は、株式会社NCBベンチャーキャピタルをリード投資家とし、グリーンコア株式会社、株式会社INDEPを引受先とするシリーズAラウンドの1stクローズを実施いたしました。

今回の資金調達は、優先株式による1億円の調達と、日本政策金融公庫からの融資4,000万円で構成され、調達総額は1億4,000万円となります。

▮優先株式による引受先

株式会社NCBベンチャーキャピタル

グリーンコア株式会社

株式会社INDEP

▮融資先

株式会社日本政策金融公庫

■シリーズA 2ndクローズに向けて

当社は、「キトスラCX」の市場展開と次世代製品の研究開発をさらに加速するため、シリーズAラウンドの2ndクローズによる追加の資金調達を視野に入れております。

当社の技術や事業の可能性に共感いただき、共に事業成長を推進いただける投資家・事業パートナーの皆様との連携を進めてまいります。

当社の事業や今後の資金調達にご関心をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

■iCUREX株式会社について

iCUREX株式会社は、20年以上の基礎研究を基盤として、2023年10月に設立された鹿児島大学認定ベンチャーです。

天然由来高分子であるキトサンを活用した独自のハイドロゲル技術をコア技術とし、医療機器の研究開発から事業化まで一貫して取り組んでいます。

2024年には、第一種医療機器製造販売業許可(許可番号:46B1X10002)、医療機器製造業登録(登録番号:46BZ200021)、高度管理医療機器等販売業・貸与業許可(許可番号:指令 生衛薬 第753号)を取得し、医療機器の開発・製造から販売までを一貫して担う事業体制を構築しました。

2026年には、当社初の高度管理医療機器となる「キトスラCX」の製造販売承認を取得し、製品上市を実現しました。また、コア技術に関しては国内外における知的財産基盤の強化にも注力しています。

当社は、「すべてのステークホルダーに、癒しと幸せを届ける」をミッションに掲げ、未来を拓く発想と確かな技術で社会の課題に挑み、医療現場の多様なニーズに応える製品の創出を通じて、新たな価値を社会に届けてまいります。

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