御木本製薬株式会社のプレスリリース
36th IFSCC Congress in Perth(2026)にて発表
御木本製薬株式会社(本社:三重県伊勢市、代表取締役社長:小川雅也、以下「当社」)は、肌が自らの力で美しさを巡らせ続ける「SKIN-LONGEVITY BEAUTY」の実現に向けたスキンケア研究を進めています。
今回、紫外線や加齢によって表皮で増加する分泌因子に着目した研究を推進し、表皮のバリア機能を直接低下させる新たな因子を発見いたしました。さらに、この因子の発現を抑制することで、表皮バリア機能の低下を防ぐ効果が期待できる機能性素材として、「パールグリコーゲン®」および「イシゲエキス」を見出しました。
この成果を、2026年9月28日~10月1日にオーストラリアのパースで開催された第36回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会にて技術発表しました。本研究は、2026年10月1日に誕生したMIKIMOTOのビューティーカテゴリー「MIKIMOTO BEAUTY」を支える基盤研究の一つです。このうち「パールグリコーゲン」は、MIKIMOTO BEAUTYの独自成分「パールラミナ®」の主要成分として配合されています。
研究背景
真珠が長い年月をかけて美しい輝きを育み続けるように、肌もまた、幾層もの細胞が積み重なることで健やかさを保っています。この層の秩序が保たれているかどうかが、肌を乾燥や外部刺激から守るバリア機能を左右します。
そのバリア機能を支えているのが、表皮の最も外側にある角層と、角化細胞どうしをつなぎとめる「タイトジャンクション」です。加齢に伴い、肌は乾燥しやすく、刺激に弱くなりますが、その根底で何が起きているのかは十分に解明されていません。皮膚の内部では、加齢や紫外線ストレスによって細胞が老化細胞に変化し、少しずつ蓄積していきます。老化細胞は、さまざまな炎症性サイトカインや増殖因子を過剰に分泌するようになり、この現象は細胞老化随伴分泌現象(SASP)と呼ばれます。
当社はこれまで、SASP因子の一つであるEREG(エピレグリン)が真皮の加齢変化に関与し、コラーゲン産生を低下させることを報告してきました(33rd IFSCC Congress, 2023)。今回の研究では、真皮に続いて「表皮」に着目し、乾燥や肌あれにつながるバリア機能の低下にEREGが関わっているのかを探るべく、本研究に取り組みました。
研究結果
1. 紫外線と細胞老化の双方で、表皮のEREGが増加する
ヒト表皮角化細胞およびヒト皮膚組織に紫外線(UV-B)を照射したところ、いずれにおいてもEREGの遺伝子発現が有意に上昇しました(図1)。また、継代を重ねて老化させた角化細胞でも、EREGの発現が有意に増加していました(図2)。


2. EREGがタイトジャンクションの主要構成因子の発現を抑制し、バリア機能を破壊する
ヒト表皮角化細胞をEREGの組換えタンパク質で刺激したところ、タイトジャンクションの主要構成因子であるCLDN1(クローディン1)の発現が濃度依存的に有意に低下しました(図3)。さらにシグナル経路を調べたところ、EREGは角化細胞の受容体EGFRに結合し、その信号が細胞の核まで伝わることで、CLDN1の発現を抑え込んでいることがわかりました(図3)。

3. ヒトの肌でも、EREGとバリア機能の関係を確認
ヒトの肌でEREGの発現量を実際に測定したところ、EREGの発現量が多い人ほど経表皮水分蒸散量(TEWL、バリア機能が低いほど高くなる指標)が有意に高く、またCLDN1の発現量が有意に低いことが確認されました(図4)。

4. パールグリコーゲンおよびイシゲエキスが、老化表皮角化細胞のEREG発現を抑制し、肌のバリアを修復する
最後に、当社がこれまで独自に開発してきた機能性素材の中から探索した結果、パールグリコーゲンおよびイシゲエキスが、老化した角化細胞におけるEREGの発現を有意に抑制することを見出しました(図5)。
さらに、ヒト3次元表皮モデルを用いた検討では、EREGによって低下した経上皮電気抵抗(TEER、細胞間の密着度を示す指標)が、両素材によって有意に改善することが確認されました(図5)。

発表情報
■発表タイトル:
“Who’s Breaking Skin Barrier? Mechanistic Insights into Epiregulin Signaling in
Epidermal Keratinocytes”
邦題:「誰が肌のバリアを破壊しているのか?」表皮ケラチノサイトにおけるエピレグリンシグナル伝達のメカニズムに関する知見
■発表者:御木本製薬株式会社 谷口 耕紀
■学会名:第36回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会(36th IFSCC Congress)
■会期・会場:2026年9月28日~10月1日/Perth Convention & Exhibition Centre(オーストラリア・パース)
参考情報
IFSCCについて
IFSCC(International Federation of Societies of Cosmetic Chemists/国際化粧品技術者会連盟)は、1959年に設立された化粧品技術者の国際組織です。毎年開催される学術大会(Congress)は、化粧品科学の分野で世界最高峰の学術大会とされ、化粧品研究者にとって最も権威ある発表の場として知られています。第36回となる2026年大会は「Solving the Sustainable Beauty Equation」をテーマに、オーストラリア・パースで開催されました。
MIKIMOTO BEAUTYについて

その肌には、品格の層がある。
時代を超えて受け継がれる美の哲学を原点に、真珠研究とスキンケア研究の知見を結集して誕生した「MIKIMOTO BEAUTY」。
真珠が幾重にも重なる真珠層によって美しい輝きを放つように、肌もまた、層が健やかに整うことが美しさにつながるという「美層肌」の考え方のもと、肌そのものがジュエリーのように輝くスキンケア体験を提案します。

