第一三共ヘルスケア株式会社のプレスリリース
肌の「糖化」が透明感の土台を揺るがす
第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広、以下「当社」)は、肌の透明感に関する研究において、加齢に伴い蓄積するAGEs(終末糖化産物)(※1)が表皮細胞において基底膜構成因子であるⅣ型コラーゲン産生量を低下させるとともに、その低下を抑制する働きが植物由来成分である「ワレモコウエキス」にあることを発見しました。
本研究により、肌の透明感において重要なキメを支える基底膜への新たなアプローチにつながる知見が得られました。当社は、今後も肌の透明感に関する研究を深め、科学的知見を活かした付加価値の高い製品を提供するとともに、生活者の肌悩みに寄り添ってまいります。
1.研究の背景と目的
肌における「透明感」は、多くの女性がスキンケアに求める重要な要素のひとつです。また近年、加齢に伴う肌の「糖化」は、肌の印象を左右する原因として注目を集めています。
当社はこれまでに、独自に開発した肌の透明感評価法である「透明感スコア」を活用し、肌の透明感に関する研究を進めてまいりました。透明感スコアは、肌画像から得られる「輝度(※2)」と「黄みのムラ」のスコアを用いて、肌の透明感を客観的かつ定量的に評価するための手法です。この評価手法を用いた解析から、肌のキメと透明感スコアとの間に有意な相関があることを見出し、透明感におけるキメの重要性を明らかにしてきました。
肌のキメは、基底膜構造の乱れによる影響を受けることが知られている一方で、その詳細なメカニズムについては十分に解明されていませんでした。そこで本研究では、加齢に伴い蓄積するAGEs(終末糖化産物)(※1)に着目し、基底膜への影響について検討しました。
2.研究概要および成果
肌のキメを支える基底膜構成因子であるⅣ型コラーゲン産生に対する、AGEs(終末糖化産物)(※1)の影響および植物エキス「ワレモコウエキス」による保護作用について、ヒト正常表皮角化細胞(NHEK)を用いて検討しました。
ワレモコウエキスとは、バラ科植物のワレモコウの根から抽出される成分です。本研究では、8種の植物エキスよりスクリーニングを行った結果、AGEs(※1)によるⅣ型コラーゲン産生量低下への抑制作用において、ワレモコウエキスが他の成分と比べて高い効果を示したことから、評価対象として選定しました。
<方法>
NHEKに、AGEs(※1)の前駆体として知られるグリオキサール(GO)を処理することで細胞内のAGEs(※1)を誘導し、細胞内のAGEs(※1)量および細胞培養上清中のⅣ型コラーゲン産生量を測定しました。また、NHEKをワレモコウエキス含有培地で培養した後、GO処理を行い、細胞培養上清中のⅣ型コラーゲン産生量を測定することで、ワレモコウエキスの作用を評価しました。
<研究成果(1)> 細胞内のAGEs(※1)増加に伴うⅣ型コラーゲン産生量の低下を確認
GO処理することで、濃度依存的に細胞内AGEs(※1)の増加を誘導することを確認しました(図1-1)。また、それに伴い基底膜の主要構成因子であるⅣ型コラーゲン産生量が低下することが明らかになりました(図1-2)。
<研究成果(2)> ワレモコウエキスによるAGEs(※1)誘導下でのⅣ型コラーゲン産生量低下の抑制効果を確認
GO処理により細胞内AGEs(※1)が誘導された条件において、ワレモコウエキスが濃度依存的に細胞培養上清中のⅣ型コラーゲン産生量の低下を抑制することが確認されました(図2)。
これらの結果から、肌のキメの維持に重要な基底膜の主要構成成分であるⅣ型コラーゲン産生量は、加齢に伴って蓄積するAGEs(※1)の影響で減少すること、ワレモコウエキスはこのⅣ型コラーゲン産生量の減少を抑制し、基底膜の正常な構造の維持に寄与することが示唆されました。
3.今後の展望
当社はこれまで、肌の透明感を客観的に評価する「透明感スコア」を開発し、疫学調査では透明感スコアとキメとの関係を明らかにするなど、透明感研究を段階的に進めてまいりました。本研究は、そのキメを肌の土台で支える「基底膜」に着目し、透明感の研究の対象を肌表面から肌内部へと発展させたものです。
今後は本知見を製品開発に応用するとともに研究を進め、肌の透明感を多角的にとらえたスキンケアの提案につなげてまいります。
<ご参考>
第一三共ヘルスケアについて
第一三共ヘルスケアは、OTC医薬品領域におけるリーディングカンパニーとしての強みを基盤に、機能性スキンケア・オーラルケア・食品分野へと事業領域を拡大し、生活者の健やかな人生に寄り添うトータルヘルスケア企業として成長を続けています。
私たちの理念を体現するコーポレートスローガン「Fit for You ひとりひとりの健やかな人生のライフパートナー」を掲げ、誰もが安心してセルフケア・セルフメディケーションに取り組める社会の実現に貢献してまいります。
※1 体内のたんぱく質と糖が結びつく「糖化」によって生じる物質の総称。加齢とともに肌に蓄積する。 ※2 人の目に入る光の量。
<リリース原文(PDF)>