株式会社エムステージグループのプレスリリース
〜“欠員補填”を急ぐ採用が招く「風土ミスマッチ」と「連鎖退職」の危機〜
株式会社エムステージグループ(本社:東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、全国の医療機関で採用に携わる312名を対象に「『医療機関における早期離職の実態と定着投資』に関する調査」を実施しました。早期離職の常態化や、採用基準と退職原因のねじれ現象が判明したほか、早期離職が現場の連鎖退職や病床稼働率の低下といった深刻な経営課題に直結している実態が浮き彫りになりました。
■調査結果のサマリー
①早期離職の常態化
医療機関の9割以上で3年以内の早期離職が発生。採用者の3割以上が離職する医療機関も半数近くにのぼる深刻な実態が明らかに。
②採用基準と退職原因の“ねじれ”
選考時の最重視事項は「即戦力・スピード」が75.3%に対し、「風土マッチ」はわずか3.5%。その結果、早期離職が発生した現場の46.4%が「現場風土のミスマッチ」に直面。離職率が5割以上の深刻層では約8割が風土不一致を原因に挙げている。
③離職がもたらす現場崩壊と経営インパクト
早期離職が引き起こす現場での最大の影響として、「連鎖退職(53.0%)」と「業務負荷増大(52.0%)」が過半数。約2割が「病床稼働率の低下・受入制限」に直結し、病院経営を圧迫している。
④採用コストと定着投資のアンバランスな構造
「人材紹介会社」、「求人広告メディア」の利用がいずれも過半数にのぼる一方、採用後の定着・不調予防は6割超が「現場任せ・リソース不足」。十分な投資ができている医療機関はわずか約1割。
■早期離職と定着投資の実態
①9割以上で早期離職が発生
直近3年で新規採用を実施した医療機関のうち、9割以上が入職3年以内の早期離職が発生していると回答しました。さらに、約半数の医療機関で採用者の3割以上が離職しており、医療現場において早期離職が構造的かつ常態的な問題となっている実態が明らかになりました。
②「自院の組織風土や現場環境とのマッチ」を最重視する医療機関はわずか3.5%
採用選考で最も重視する要素は「即戦力性(51.3%)」が最多となり、次いで「欠員補填のスピード(24.0%)」という結果に。一方で「自院の組織風土や現場環境とのマッチ」を最重視する医療機関はわずか3.5%と最下位でした。
しかし、早期離職が発生した医療機関に離職原因を尋ねると、「業務負荷や過酷な勤務環境(48.4%)」に次いで「入職前のイメージと現場風土のミスマッチ(46.4%)」が第2位となりました。特に早期離職率が「5割以上」に達する深刻な医療機関では、78.4%が「風土のミスマッチ」を原因として回答しており、これは、離職率1割未満層の32.3%から倍増しています。“欠員補填”を急ぐあまり適性や風土マッチを軽視した採用が、早期離職を加速させる決定打となっている実態がうかがえます。
③約2割が「病床稼働率の低下・受入制限」に直面
早期離職が発生した医療機関における影響として、「現場のモチベーション低下や『連鎖退職』の誘発(53.0%)」および「残された医療従事者・職員への業務負荷増大・残業の増加(52.0%)」が上位を占めました。
さらに、全体の約2割が「病床稼働率の低下・受入制限」に直面しており、医療従事者・職員の早期離職は現場の疲弊にとどまらず、病院経営の根幹および地域医療の提供体制を揺るがす深刻な事態につながっていることを示唆しています。
④採用手法では「人材紹介会社・エージェント」の活用が最多、次いで「求人広告メディア」
活用している採用手法では「人材紹介会社・エージェント」が67.3%で最多となり、次いで「求人広告メディア」が56.1%、「自社ホームページ・ダイレクトリクルーティング」は52.6%という結果となりました。外部事業者の力を借りて“欠員補填”を急ぐ実態がうかがえます。
⑤定着投資を十分にできている医療機関はわずか約1割
医療従事者・職員の「定着・不調予防」に割けているリソースについて聞いたところ、「経営課題として十分なリソースを投資している」医療機関は約1割にとどまりました。
■「“欠員補填”の採用」から「組織定着への投資」へ、構造改革が急務
本調査によって、多くの医療機関が“欠員補填”を急ぐあまり即戦力・スピードを優先し、組織風土とのミスマッチによる早期離職や、残された現場の負荷増大と連鎖退職が起こる、負のスパイラルに陥っている実態が明らかになりました。採用に時間とお金の両側面からコストを投じる一方で、採用後の定着・不調予防は現場任せにとどまる医療機関が6割に達しています。この負の連鎖を断ち切り、持続可能な医療経営を実現するためには、根本問題である「組織定着」に目をむけた本質的な構造改革が求められます。
<アンケート調査概要>
・「医療機関における早期離職の実態と定着投資」に関する調査
・調査対象:全国の医療機関に勤め、直近3年以内で採用に携わっている25歳〜75歳男女の採用担当者
・調査日:2026年10月13日~10月14日
・調査方法:サクリサ(https://www.prizma-link.com/sakurisa)
・有効回答数:312
※引用・転載時には「株式会社エムステージグループ」とクレジットを明記下さい。
株式会社エムステージグループ
「すべては、持続可能な医療の未来をつくるために」をパーパスに、健康経営支援事業、医療人材総合サービス事業、医療経営支援事業を行う、エムステージグループ企業の経営管理・運営を担う純粋持株会社です。
各医療機関の状況に応じた最適な施策を「採用」「予防」「対処」の3フェーズで提供する、伴走型ソリューション「アシタバプロジェクト」を展開しています。
「アシタバプロジェクト」サービスサイト:https://sangyohokensupport.jp/ashitaba/
「アシタバプロジェクト」ブランドムービー:https://youtu.be/H3pCOHfbX2w
<会社概要>
商号 : 株式会社エムステージグループ https://mstage-group.jp/
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
設立 : 2019年10月
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 5階
事業内容: 持株会社、グループ全体の経営方針策定及び経営管理